揶白 (KF)

絵画

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  • 春(ニ)

    空寂の春、孤独は繊細に絹紡され 涙と孤独が蓴采にてらてらと光って居た。 プロチゾラムは前の名前をグッドミンと云う。これがまた卓効して居て、幻聴がどれほど煩うても眠れる事が出来る。幻聴と云うのは誠に不思議な世界で、妙に私を快楽的な夢に連れて行く。春草、女の寝そべるシーツ、いちご、それらが今私の客観性の、世の中との態度の繋ぎのロオプで有る。 女友達は微妙な形で有る。女は女に受け身が善しとされ、その方が人が集まるとか、鬼が穏やかだとか、鬼が穏やかならそれを退治する様な華と云う仏も居ないもので、 魂を滅さず、生かさず、こう云う形が女友達で有る。 男と少女は似て居る。花が似合うと云う点で似ている。女友達には、花も、何事も無い。少しばかり互いを警戒しながら、ちょうど逆の方角を見つめ、自分に期待をして、そしり合いの上に成り立つもので、過ごす時間を垂れ流して居るしか出来ないし、不可能だ。 それでも合わせ合って、一生懸命、仲良くなる努力をするのですから、若し、特別な輝きを持つ仲間よりも尊いひとり、なのではないかと思える事もある。詰まり希望や愛よりも、ひどく情けを此の友情は持って居る。そうこうして女たちは繊細さを得て、どこかへ行く。

    僕は自分を失って仕舞いたい。乞食に為り、毎日をそれなりに苦しみ、豊かに囀る事。脳を素裸にして、世間ヲ冷罵と扇情に見つめ、馬鹿に為って時に踊ってしまいたい。甲う云った所に私の主観が有るのだが、若さとそれなりの美貌が有る為、此等の旨は世の中の善に安く壊れてしまうだろう。世間を冷罵すると云うのも、此れは母や月に付けられた傷以上のものを何事も僕はまだ生んで居ないので有り、悩み少ないからで有る。未だに幼女なので有る。前述の青空に、孤独はふかふかと綿毛の様な輪郭を取る。警察に保護をされ、法に守られる其の場合、青空は元々私を待ってくれてやしない。乞食の一人が、いくらどんなに明るい笑顔を私の元に見て、其れはただの青空に対しての敬いで有って、私を迎合しようとして居る姿や光のしるべでは無く、此の冷たい世間のうちに削られてしまうが其の青空で有るのだ。 少女が竹棒で突かれて居た。花を摘む手と、花を貰う少女が隣り合っていて 美しい。 泣いていた、セーラー服の右と左が揃って若い男と互いの目が 一致して居て 希望を永久的に。 此の、少女と云うように運命的なもの 僕は自分の運命を見居やると、矢張なにか目立たぬ、青い泥の様な 月の洗濯機の様な「老い」で有る。

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