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Tome館長

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  • 墓 標

    2008/11/19

    変な詩

    ハネなしチョウの墓を
     たくさん見つけた

    それは鼻なしゾウの
     たくさんの足跡


    ハネなしチョウの群を
     鼻なしゾウが踏んだ

    その足跡が
     ハネなしチョウの

       墓標なのだ


    ただそれだけなんだけど
     なんとなく笑ってしまう

       ハネがないのにチョウだなんて
        鼻がないのにゾウだなんて
     

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    • Tome館長

      2012/07/27 10:43

      ケロログ「mirai-happiness☆」舞坂うさもさんが朗読してくださいました!

    • Tome館長

      2012/07/17 13:09

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • 僕と君

    2008/11/18

    空しい詩

    僕がどうしようもない缶詰だった頃
    君はピッカピカの缶切りだった

    僕の汚れたブリキの蓋を開けたから
    銀色の君の刃先が汚れてしまったね

    その君の刃先の汚れを取ろうとして
    拭った僕の手がまた汚れていたっけ


    結局のところ 僕は僕を見失い
    あれから救いようのない空缶さ

    今頃 君はどうしているだろう
    僕の腐った中身を食べてしまって
     

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  • 牧場にて

    2008/11/17

    空しい詩

    牛よ 牛
     牧場の牛よ

       おまえの脇腹の模様は
        あの空の雲そっくりだ


    遠く厩舎を離れ
     その小さな目で

       なにを見るのか


    おまえが飲み込んだ草は

      おまえの胃と口との間を
       なん度も往復するだろう


    だから 牛よ
     牧場の中の牛よ

       あの錆びた有刺鉄線の柵は
        おまえの地平線なのだ


    反芻の日々
     繰り返しの日々

       そこから日は昇り
        そこへと日は沈む
     

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  • 傷 口

    2008/11/16

    愛しい詩

    傷口を舐めてあげる

      ほら まだ血がにじんでる
       あんた 野鼠みたいに怯えてる

         あたしのこと なんにも知らない


    傷口を塞いであげる

      こんなの 使い捨ての唇
       傷は浅い 舌の先が底まで届く

         あんたのこと なんにも知らない


    傷口を開いてみようか

      なんだか苛めてみたくなる
       この痛み ずっと忘れないでね

         あたしたちのこと 誰も知らない
     

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  • 福音書

    2008/11/16

    空しい詩

    あなたがたによくよく言っておく。


    どのような窮地に陥ったとしても
    あなたがたは神をあてにしてはならない。

    なぜなら、あなたがたを救えるのは
    あなたがたでしかないからである。


    つねに神はあなたがたとともにあり
    あなたがたが生きているということが

    そのなによりのあかしである。


    そのようなあなたがたによって
    あなたがたが救えないとすれば

    ともにある神によってもまた
    あなたがたは救えないのである。
     

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  • ピンクのフクロウ

    2008/11/15

    変な詩

    家の近くの 森の奥に
     ピンクのフクロウがいる


    奇妙なことに
     その肩の上で

       ピンクの丸い顔が
        ころころ 転がる


    普通のフクロウは ともかく
     ピンクのフクロウは いつも

       「今晩は」

         と 静かになく
     

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  • 春の七草

    2008/11/15

    明るい詩


    なずな、

    御形
    はこべら

    仏の座。

    すずな
    すずしろ、


      春や来い。
     

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  • 眠らないで

    2008/11/14

    変な詩

    ここに どうして あんたが 夢を
    重ねて ゆくわけ ゆかないわけ で

    なんだって お好み次第 きゃはは う


    手に手を とって 足に足 とって
    彼女と 彼は あんたと あたし

    カナリヤ 鳴くから 見て 見てってば


    意味が ないと 明日も ナイト
    一晩中 わかって ないの もう朝か


    恋も なくなく あんたもう 眠ってる
     

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  • 鼠の檻

    2008/11/14

    暗い詩

    狭い檻の中にたくさんの鼠がいる。
    動かないのも動きまわっているのもいる。


    動かない鼠は檻の隅に丸まり、
    自分自身の前脚を齧っている。

    出血はない。
    すでに前脚は死んでいる。


    この檻の中には、逃げる場所がない。


    檻の隅で逃げたつもりになるしかないが
    動きまわる鼠に尻を齧られることになる。

    それでも隅の鼠は動こうとしない。


    動きまわる鼠は暴れるだけ暴れ、
    齧る、引っ掻く、引きずりまわす。

    わけもなく暴れずにいられないのだ。


    狭い檻の中でうごめく無数の鼠の群。

    尻尾の千切れてない鼠は一匹もいない。
     

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    • Tome館長

      2011/10/09 00:17

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2011/10/08 13:21

      「さとる文庫」もぐらさんが朗読してくださいました!

  • 寝 顔

    そこは不思議なところです。


    柔らかな白い絹のような地面が
    どこまでも果てしなく広がっていて

    しかも その上のいたるところに
    うつ伏せになったり 仰向けになったり、

    ドレスを着たり ほとんど裸だったり、

    いろいろな様子をした女の子たちが
    おもいおもいに眠っているのです。


    下手に歩いたりしたら

    さざ波のように地面が揺れて
    彼女たちを起こしてしまいそうな気がして

    そこから一歩も動くことができません。


    途方に暮れて 私も地面に横たわり、

    すぐ目の前の女の子の寝顔を見ながら
    一緒に眠ってしまいました。
     

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