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  • 崩れゆくもの

    2014/11/30

    変な話

    世界は急速に秩序を失いつつあるように思えます。

    環境は破壊され、人口は増え、経済は不安定となり 
    マナーはすたれ、情報は錯乱と混迷を深めています。

    犯罪も芸術も娯楽も学問も宗教も政治も 

    それが適切であろうがなかろうが関係なく 
    なんでもありの様相を呈しております。

    まるでセミが鳴く真夏の森林公園のようですね。

    さらに彼は彼女となり、石油は衣類や薬や電気になり 
    地震が津波と液状化現象から原発反対してありおりはべります。

    スイカもトマトも飲み過ぎて自爆しましょう。
    遺伝子は知恵のない駐輪場だそうだでな。 

    携帯端末が歩き出せば、集積回路に蛆が湧き 
    LED液晶画面からはリンパ液がしたたり落つるのや。

    祈ろうにも、神が多すぎて多数決もままならね。

    拡大する宇宙は相対的でほうか? 
    それとも相補的なのれありませうか? 

    女がよろめくキノコれす 
    誰がんなことへ主張するのら? 

    ふけてしやまん 不完全燃焼定理の そこもとに 
    円筒ろぴーの増殖 しゃくなげ 数珠つなぎ 

    ほげそけた むかたびぴやも そのもこつ 


    どっと ぶくつく

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  • 改良の余地

    2014/11/23

    愉快な話

    「僕は君が好きで、どうして僕が君を好きなのか
     君にうまく説明することができないにもかかわらず

     君にとって僕が大切であるかどうか無関係としても

     僕にとって君が大切であるということは
     ぜひとも君に伝えておかなければならない」


    「あなたの言葉の意味するところは、私にとって
     喜んでしかるべき内容を多分に含んでいます。

     ただし、現時点における私の正直な心情を吐露するなら

     あなたは私にとって大切でもなんでもなく
     これから大切になるかどうかというところです」


    「今ひとつ、僕が疑う要素が発生した気配がある。

     この提供された異文化間の意識の翻訳の装置は
     その機能を正しく果たしているのであろうか?」


    「その疑問は、おそらく根本的な問題に相当します。

     まだ細やかなニュアンスを使える段階ではなく
     多分に改良の余地があるものと思われます」

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    • Tome館長

      2014/11/23 21:34

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2014/11/23 21:32

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

  • やらなくちゃ

    2014/11/21

    変な詩

    なんだろう? 


    やらなくちゃいけないこと 
    あったはずなのに 

    思い出せない。


    こんなことじゃない。
    あんなことじゃない。

    そんなことしてる場合じゃない。


    さて、困った。

    なんだっけ? 


    なんだか思い出せないけど 

    なにか大事な 
    とても大切な 

    なにか・・・・ 


    どうしてもやらなくちゃ。
    必ずやらなくちゃ。


    もしやらなかったら 
    大変なことになってしまう。

    そんな気がする。
    そんな記憶がある。

    でも、思い出せない。


    ああ、どうしよう。

    もし手遅れになったら・・・・ 


    いけない。
    いけない。

    なんとかしなくちゃ。


    だけど 
    それなのに 

    わかんない。



    なんにもならない。
    どうにもならない。

    時間ばかり過ぎてゆく。


    ああ。


    どうしても 
    どうしても 
    どうしても 

    思い出せない!

    Comment (2)

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    • Tome館長

      2014/11/21 19:42

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2014/11/21 19:41

      「さとる文庫 2号館」もぐらさんが朗読してくださいました!

  • 見えない恐怖

    2014/11/18

    怖い話

    ここは大きな橋の上。
    大きな川が下に流れる。

    私はその橋の片側の歩道を歩いていた。

    そう、確かに歩いていた。
    なのに、なぜか今はバスに乗っている。

    どうやらこのバス、その気になれば 
    簡単に乗り降りできるシステムらしい。

    そして私は立ったまま、バスの窓から 
    あたりをキョロキョロと眺める。

    クルマの列が前後に延びている。
    ただし、渋滞しているのでピクリとも動かない。

    たくさんの歩行者の姿も見える。
    彼らは車道さえ歩行者天国のように歩いている。

    なんだか落ち着かない気分。
    バスに乗ったのは失敗だったかもしれない。

    その時である。

    ふと、歩行者の一人が倒れた。
    白いワイシャツの背中。

    その情景が視界に入り、確認のため視線を戻すと 
    倒れているのは二人だった。

    寄り添うような二枚の白いワイシャツ。

    どうしたのだろう。
    わけがわからない。

    いや、二人だけではない。
    いぶかしんでいるうちに次々と歩行者が倒れてゆく。

    日射病などではない。

    変な感じ。
    まるで、まるでそう、毒ガスのような・・・・ 

    私はパニックに襲われる。

    こんな橋の上にいてはいけない。
    逃げなければ、確実に死ぬ。

    私はバスを降り、走り出す。

    橋を渡り終えると、商店街が続く。
    やがて地下鉄の入り口が見えてきた。

    地下が安全とは限らない。

    が、ともかく 
    ここから逃げるにはそこしかない。

    私は地下鉄へと続く階段を必死に駆け下りた。

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  • 心得違い

    2014/11/15

    楽しい詩

    江戸時代の武士の心得
    「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」


    バブル全盛期のサラリーマンの心得
    「サラリーマンと云ふは、酔う事と見付けたり」


    就職氷河期の学生の心得
    「学生と云ふは、就活する事と見付けたり」

     

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  • 美女との遭遇

    2014/11/12

    思い出

    これは実話なのだけれど 
    僕が高校を卒業して上京したばかりの頃 

    ある電車に乗ったら 
    信じられないくらいの美女を見つけた。


    ふと気づけば 
    彼女の目の前のシートに腰掛けている自分がいた。

    いくら一目惚れでも 
    見知らぬ他人に声をかける勇気はない。

    そうなのだけれど 
    これは勇気とかそういう問題ではなく 

    こんな美女は滅多にいるはずないのだから 
    ここで声をかけなかったら二度とチャンスはなく 
    きっと一生後悔するはずであり 

    その惨めさや苦しみを想像すれば 
    むしろ声をかけないのは 
    愚か者の愚かな無為ではないか 

    とさえ思えたのだ。


    ところが 
    すでに彼女は 
    隣に座っていた男に 
    しつこく声をかけられていた。

    知り合いではなく 
    あきらかに他人らしいことは 
    ふたりの様子からすぐにわかった。

    彼女は困っていた。

    男も慣れていないらしく
    困ったような表情で彼女の行く先とか尋ねていた。

    つまり彼女は 

    ごく普通の男性なら 
    声をかけなければいけない気持ちにさせるくらい 
    稀有な美女だったのだ。


    この見知らぬ男は 
    自分より先に乗車していただけなのだ。

    その男の情けない姿が 
    鏡の前の情けない自分の姿を見せられているようで 

    結局、僕はストーカーになることもなく 
    そのまま途中下車したのだった。


    その後、あの美女は
    どのような人生を歩んだのだろう。

    今では、どんな顔立ちだったのかさえ
    さっぱり思い出せないのだけれど。

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  • 階段落ち

    2014/11/10

    ひどい話

    私、階段を転げ落ちているの。

    止まらない。
    止められない。

    その痛いの痛くないの。

    もう腕も脚もグシャグシャ。
    肋骨だって鎖骨だって粉々よ。

    すでに頭蓋骨も割れているはずだわ。

    でも、なぜ失神しないのかしら。

    階段を転げ落ちながら考えているけど 
    やはり、なかなか考えがまとまらない。

    とにかく、止まらなければダメだわ。
    途中に踊り場でもあればいいのに。

    いつまで落ちでも階段が続く。
    あんまり痛くて、わけがわからなくなってきた。

    私は誰? 
    ここはどこ? 

    ええと、私は主婦で、ここはデパートで 
    買い物をしていて、上の階へ行こうとして 

    でも、エレベーターが満員だったから 
    しかたなくエスカレーターに乗って・・・・

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  • 議事堂

    2014/11/08

    変な話

    議事堂で会議が始まろうとしている。

    ここで決議すべき議題は 
    ここで決議できないほどにある。


    非常識な質問が大理石の壁を削る。

    「多数決制度が多数決によって否定されたら
     その決定に従うのでありますか?」


    無責任な意見が床の絨毯の上に渦巻く。

    「個人的な利害関係のある者が
     公的な決定に関与してはなりません」

     
    不愉快な批判が天井のシャンデリアを揺する。

    「反対でなければ賛成とは
     賛成でなければ反対なので、異議あり!」

     
    この議事堂には出口がない。
     
    と言うか 
    もともと入り口すらなかったはず・・・・

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  • ぼやけた水滴

    あの子が笑うと
     この子が泣くの

       おめめ閉じたら
        うなじに ポタリ 


    なにしているの
     どうするつもり

       コケシが落ちる
        虫の音 チリリ 


    誰も来ません
     どこへも行かぬ

       ぼやけた水滴
        心に ジワリ

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    • Tome館長

      2014/11/08 19:37

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2014/11/08 19:36

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • 漂 流

    2014/11/03

    ひどい話

    大海原の真ん中あたり 
    小型の救命ボートが漂流している。

    「喉が渇いた」
    髭だらけの男がうめく。

    「あんたのせいよ」
    乱れ髪の女がなじる。

    「うるさい!」
    「どっちが」

    夫婦のようである。
    女は赤ん坊を抱えていた。

    「乳は出ないのか?」
    「あんたの分まではね」

    「飲ませろ」
    「海水なら、いくらでも」

    男が女を殴る。

    女の鼻から血が流れ出る。
    あごの先から赤い雫が乳房に垂れる。

    すぐに赤ん坊がしゃぶりつく。
    真っ赤な顔の赤ん坊。

    顔を見合わせる男と女。
    波が小型ボートをきしませる。

    まだ日は昇ったばかり。

     

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