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2013/12/16
しめやかに通夜終わり
にぎやかに埋葬始まる
祈る冥福 踊る喪服
調子はずれの笛太鼓
うしろめたい行列見下ろし
いまわしき鳥が叫ぶ
青い空と白い未亡人
生臭坊主がよだれを垂らす
鐘の音がいつまでも
いつまでも耳の奥に残る
泣く赤子 吠える犬
ほれほれ 猫が股なめる
墓地への細道
坊主が異教の呪文を唱え
そうして
こうして
誰かが誰かを埋葬す
2013/12/14
いつか帰らん
海の底
赤子 泣こうが
泣くまいが
雷 鳴ろうが
鳴るまいが
いつか帰らん
海の底
2013/12/09
君よ 君
服を脱ぎ捨て
裸になり
肉も剥ぎ取り
内臓も
千切っては投げ
千切っては投げ
骨は砕いて
粉にして
みんな手放せ!
風になれ!
2013/12/06
聞こえない。
そんなかすかな祈りじゃ
聞こえない。
神さまに言うのかい?
耳を澄ませって
言うのかい?
こんな
どこもかしこも
雷鳴のような
雑踏の中で。
2013/12/03
白クマさんの家における
午後のお茶会に招待されたのは
青キツネさん
赤ウサギさん
緑キャベツさん
の3名でした。
お茶会が始まってすぐに誰かが
こっそりと誰かのカップに薬を入れました。
全員がお茶を飲み終えると
1番目に 緑キャベツさんが殺されました。
2番目に 赤ウサギさんが殺されました。
3番目に 青キツネさんが殺されました。
4番目に 白クマさんが眠りました。
さてさて
この忌まわしき事件の真相は
いったい
どうなっているのでしょうね。
2013/12/01
君の声が消えてしまう前に
僕の声を重ねてみよう。
そして
できれば
僕の声が消える前に
君の声を重ねて欲しい。
2013/11/28
夜空に浮かぶ星と月、
湖岸にたたずむ武士の影。
おもむろに武士は抜刀し
湖面に映る月を斬る。
さて、いかに。
武士は斬ったつもりでも
はたで見る目にゃ斬れてない。
ましてや、夜空の月に傷はなし。
電網の湖岸にて
電脳の月を斬る武士の
星の数ほど多きこと。
2013/11/24
ピクとニックが出かけたよ
バスとケットを従えて
空は青空
白い雲
お帽子かぶって
水筒ゆれて
野越え 川越え
林越え
大きな切り株
見いつけた
バスとケット
手を組めば
サンドとイッチ
跳び出すの
ララララ ラララ
ラララララ
ピクとニックは
楽しいな
2013/11/20
舟に揺られ
いささか酔ったれど
岸は消えたか
崩れたか
水は濁って
底見えず
流るるばかり
遣る瀬ない
2013/11/15
期待しないけど
諦めたわけじゃない
好きじゃないけど
きらいになったわけじゃない
ただちょっと
ほんのちょっと
疲れてしまっただけなんだ
君が望み続ける
僕の世界に