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2014/02/18
僕たちは長い間
なにかを追っていたはずなのに
追い着いたのか
追い越したのか
それとも
逃げられてしまったのか
よくわからないまま
いつのまにか
追うことをやめてしまい
立ち止まったり
戻ったりして
ふと気づくと
なにかを追うどころか
むしろ逆に
なにかに追われているような
なにかから逃げているような
そんな感じさえして
ただの気のせいであれば
よいのだけれど
よいのだけれど
2014/02/16
晴れてはいないけど
雨が降っているわけじゃない
外に出たくはないけど
家にいたいわけでもない
なにかをしたいわけではなく
なにもしたくないわけでもない
そんなふうに
なんだかどうでもいいような
どうでもいい空模様
2014/02/15
迷えるあなた
または
戸惑うあなた
あなたは
目標を見失う前に
操縦桿を見失っている
2014/02/12
さびしいくらいで
泣いたりしない
かなしいだけじゃ
泣くもんか
いたくっても
我慢する
うれしくっても
笑うだけ
なみだ 見たけりゃ
お金 ちょうだい
ほらね 泣くでしょ
おなみだ ちょうだい
2014/02/08
仕方ない
仕方ない
仕方ない
起きて喰って寝て
起きて喰って寝て
起きて喰って寝て
おんなじことの
繰り返し
おんなじことの
繰り返し
おんなじことの
繰り返し
2014/02/07
あなたは殺し屋
非情な男
でも
ナイフはやめて
拳銃も使わないで
わたしは標的
か弱き女
だから
やさしくささやいて
やさしく抱いて
そして
やさしく
とてもやさしく
わたしを殺して
2014/02/04
好かれていたとは
つゆ知らず
手折った草の
葉の露が
濡らした袖の
染みぞ哀しき
2014/02/02
ちょっとそこ行く
小粋な娘は誰じゃろな
誰じゃろなっとは
誰じゃろな
誰じゃろなったら
わしじゃろな
なんだ あんたか
無粋なオヤジに用はない
用がないとは
情けない
情けなくとも
かまわない
ああ しょうもない
しょうもない
2014/01/31
虫の音 途絶え
葉は枯れ落ち
もう陽は
高く昇らない
木枯らしに うち震え
猫背の犬となり
雨降れば ひたすら
逃げる算段ばかりなり
このまま
朽ち果つる前に
われら なにを語りし
なにを残せし
ああ しかし
うやむやに時は過ぎ
井戸はすたれど
秋の日はつるべ落とし
2014/01/29
疲れ果ててしまったら
古墳の底で眠ります
勾玉 管玉
じゃらじゃら首に飾って
奴婢の身代わり
埴輪をたくさん埋めて
深く静かに
古代の夢を見たいだけ
青銅の鏡とか甲冑とか鏃とか
そんなのいらない
幾千年幾万年も
眠り続けていたいだけ
世界の果ての向こう側に何があるのか
世界の始まりの前に何が終わったのか
世界の終わりのあとに何が始まるのか
あれこれ空想してみたいだけ
夜になれば 古墳の上
くるりと蛍が舞うだろう
静かにゆっくり
銅鐸を鳴らしておくれ