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2014/04/28
そこまでではなく
その先へ
もっと遠くまで
届くよう
もっと強く
もっと高く
もっと激しく
きりきり舞いに
うわずって
てんてこ舞いに
のけぞって
外枠なんか
取っ払い
内情なんか
気にもせず
もっと
もっと
もっともっと
その先へ
2014/04/23
桜の木の下で
右の頬にキスしたら
そこに桜の花びら
一枚くっついて
左の頬にもキスしたら
やっぱりそこにもくっついて
おもしろいので
唇にもキスしようとしたら
君に殴られた。
僕の目尻のあたりにも
桜の花びらが一枚
きっと くっついて
いると思う。
2014/04/18
ほのぼのと
夜が明ける頃
かなたで
角のない鬼の子が生まれ
こなたで
翼なき天の使いが消える。
皆、寝ぼけ眼ゆえ
気づかれることもなく。
2014/04/12
その瞳に魅入られし者は
凍ってしまうのです。
身も心も固まって
蛇に睨まれた蛙です。
ちょっと叩いてご覧なさい。
ひびが走って
きれいに割れて
落ちて砕けて
目も当てられぬ。
それが氷の瞳です。
2014/04/09
美しき氷の彫刻。
苦労して彫り上げたそれが
無残に壊れたからとて
いまさら
なに悲しむことあろう。
もともと氷は融けるもの、
壊れてしまうもの。
氷を選んだ時点で
すでに悲しき。
2014/04/04
あなたは私の元気です。
私の元気はあなたです。
あなたがいる。
私がまわる。
あなたのまわりを
私がまわる。
クルクル
クルクル
まわる私は元気です。
クルクル
クルクル
いつまでも
あなたのまわりをまわらせて。
2014/04/03
氷の上で舞う君は
きっと世界の真ん中にいる。
君の視点を中心として
世界がクルクルまわり出す。
君がジャンプすれば
世界は息を呑み、
君が着地すれば
世界は喜びを取り戻す。
世界は君を待っている。
そうさ、世界は
君の笑顔を待っている!
2014/03/31
消しゴムでは
消えません
修正ペンでも
消えません
紙を貼っても
削ってみても
なにをしたって
消せません
消したふりしたって
消えてません
なかったことにしようとしても
ちゃんと残っているのです
あなたが書いて
あなたが刻んで
あなたが残した
わたしのノートと
わたしの傷と
このわたし
2014/03/28
ある音が鳴った
ということは
すなわち
別の音が鳴らなかった
ということ。
鳴った音は
それなりに美しかったかもしれない。
けれど
鳴らなかった別の音は
もっと美しくはなかったか?
いや、違う。
どんな音も
鳴らなかったのかもしれない。
音が鳴らなかったとすれば
そこには
沈黙しかない。
だが、しかし
鳴らなかった音
沈黙は
その鳴った音より
はるかに美しくはなかったか?
2014/03/25
どんなに頑張っても
どんなに無理をしても
どうしても辿り着けない
そんな場所がある
どんなに泣いても
どんなに叫んでも
どうしても叶わない
そんな願いもある
それでも行くのか
それでも望むのか
辿り着いて落胆し
叶って失望するかも
知れぬのに