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2014/03/21
早くおいでと
呼ぶからに
早く行ったば
早すぎた
だあれもいない
なにもない
まあるい月さえ
ありませぬ
ここはどなたの
あそび場じゃ
鬼や天狗の
あそび場じゃ
ホーイ ホイ
2014/03/19
楽しかったことや
苦しかったこと
悲しかったことや
嬉しかったこと
悔しかったことや
切なかったこと
どうにもならなかったことや
なんにもならなかったこと
あれも これも
それも どれも
みんな
みんな
過ぎたこと
とうの昔に
過ぎてしまった こと
2014/03/17
夏の暑さに苛立つのではなく
夏の暑さに負ける自分に苛立つ
冬の寒さに苛立つのではなく
冬の寒さに負ける自分に苛立つ
なぜそんなに簡単に負けるのか
なぜ反撃せずに土俵を割るのか
もっと暑い国の人だっているのに
もっと寒い国の人だっているのに
どうしてこんなに自分は
弱いんだろう
どうしてこんなに自分は
もろいんだろう
2014/03/12
それぞれの声は
それぞれ違うけど
それぞれの声が集まってできる
みんなの声は
なんだか どれも
似ているような気がする。
結局
そういうところに落ち着いちゃうんだ。
なんだかとっても
さみしいな。
2014/03/10
家の中に
雨が降っている
部屋の窓から見える空は
あんなに青いのに
しかも今日は
せっかくの休日なのに
どうしてふざけてるみたいに
傘を差さなくちゃならないのか
そこのところが
私にはよくわからない
これじゃ昼寝もできやしない
畳も布団も
びしょ濡れだ
私の心の中は
こんなに乾いているのに
2014/03/04
対岸が遠いわけではなく
流れが激しいわけでもない。
それなのに
渡れない川がある。
対岸を眺むれば
美しい花が咲いている。
誘うように川面は
キラキラ優しく輝いている。
それなのに
その川は渡れない。
少なくとも
今の私には渡れない。
今の私には
まだ渡る資格がない。
2014/03/01
辺鄙なところにあるため
けっして朝の訪れることのない村があって
そこでは
鶏も時を告げない。
そのため
突然のように昼が始まり
不意打ちのように昼が終わる。
あとはただ
眠るしかすることのない
漆黒の闇の夜があるばかりである。
2014/02/28
収穫祭の夜なのに
あたいにゃなんも収穫ない
笛や太鼓は鳴るけれど
花が咲かねば
実もならず
愛しいあの人
誰のもの
踊る阿呆を見もせねで
賢者信者の多すぎて
いっそ枯れよか
朽ちようか
風が撫でてくれようぞ
収穫祭の夜なれば
どなたかあたいを刈り取って
2014/02/25
君がいなければ
僕は光を失う
凍えるほどの
冷たさと寂しさ
真っ暗な冬の夜に
真っ黒な雪の降る
2014/02/22
君が名残の月なれば
棚引く雲の絶え絶えに
折りて重ねて裏返し
飛べや真白き紙の鶴