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Tome館長

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    Works 3,356
  • 淋しき楽団

    たくさんの団員がいないから淋しいのではないのです。

    いろいろな楽器がないから淋しいのでもないのです。

    団員はひとりでもいいんです。

    楽器はひとつでもいいんです。

    それでは楽団にならないとしても、いいんです。

    観客がいればいいんです。

    ひとりでも観客がいれば、淋しくはないのです。

     

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  • あやかし

    2015/04/04

    変な話

    「あやかし」という名の怪物に襲われ 
    豪華客船が難破した。


    どんな怪物なのか 
    と言うと 

    なぜか人によって 
    まったく印象が異なるのだった。


    ある水夫 
    「入道雲みたいに大きなクジラだったね」

    若い女性客 
    「あら、いやらしい顔の大男よ」

    幼い女の子 
    「イチゴのショートケーキを頭にのせたタコみたいなの」

    船長 
    「私が見たのは、悩ましき声で歌う美しい人魚の群でした」


    そういうところがまた 
    あやかしのあやかしたる所以なのだろう。

     

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    • Tome館長

      2015/04/05 00:02

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2015/04/05 00:01

      「koebu」で朗読していただきました!

  • 春の宵

    2015/04/02

    愛しい詩

    細き指の滑らかに 
    柔らかなる手を添えて 

    物欲しげなるかな 
    さも愛おしげに見つめては 

    その形よき頬や鼻に 
    押し当て押し当て 

    ススリ スリスリ 
    擦り付け 

    鎌首まわしつ
    チロチロ舌を這わせるに 

    息も絶え絶え 
    身悶え 悶え

    あまつさえ 

    可愛らしき両の唇 
    無理難題に押しひろげ 

    頬張り 
    しゃぶり 
    出し入れの 

    乱暴狼藉の数々 
    いかばかり 

    膝は折れ 腰も折れ 

    心折れ
    夢うつつ 

    ああ されど 

    媚を含んで 
    見上げたる瞳の奥の 

    ウルウルと 
    濡れたる様の  

    いと悩ましきかな 
    春の宵
     
     

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  • 桜の花の

    2015/03/31

    空しい詩

    桜の花の 
    咲くは 散るの始めなり 

    見上ぐれば 散らんがため 
    咲くが如し 

    白妙の 雲は流れて 
    形とどめず

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  • 桜咲く

    2015/03/27

    明るい詩

    春になって 桜の花が咲く 

    それは木の枝でなく 
    心の中に 


    散るために 誰が咲こう 
    花よ 花 

    美しくあろうと なかろうと 
    華やかであろうと なかろうと 

    咲いておれば 
    春爛漫

     

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  • いつのまにか君は

    いつのまにか 君は 大人になって 

    いつのまにか 君は 大人になりすぎて 

    いつのまにか 君は どこかへ行ってしまって 

    いつのまにか 君は 僕を忘れてしまって 

    いつのまにか 僕も 君を忘れそうで 

    いつのまにか
     
     

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    • Tome館長

      2015/03/25 01:14

      「koebu」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2015/03/25 01:13

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

  • うそつき

    2015/03/20

    論 説

    ばれるような 嘘をつけば 囚人 

    ばれるように 嘘をつけば 芸人 

    ばれないような 嘘をつけば 教祖 

    ばれないように 嘘をつけば 大臣
     
     

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  • なにをしてるの?

    あんた、なにをしてるの? 

    こんなことしてる場合? 
    もっと大切なことあるんじゃない? 

    誰かがなんとかしてくれる 
    なんて思ってない? 

    思ってるよね。 

    それって、妄想だよ! 


    えっ? 

    そう思ってないのに 
    そんなに平気でいられるの? 

    すごいね。

    それって、鈍感だよ!

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    • Tome館長

      2015/03/17 22:36

      「koebu」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2015/03/17 22:35

      「さとる文庫 2号館」もぐらさんが朗読してくださいました!

  • なるようになれ

    2015/03/15

    空しい詩

    なるようになっているなら
      なるようになる 

    なるようになっていないなら
      なるようにならない 


    なるようになっているか
      なっていないか

          わからないなら

      なるようになるかならないか
    わからない 


    だから 
      なるようになれ

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    • Tome館長

      2015/03/15 20:26

      「koebu」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2015/03/15 20:25

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

  • ひずみ

    2015/03/13

    ひどい話

    花嫁を幸せに導くであろう偽りのヴァージンロードに 
    ほんのちょっとだけ銀のナイフで切れ込み入れるの。

    そして、そのまま知らんぷりして 
    ウエディングケーキに入刀させるのよ。

    教会の十字架には忌まわしきハーケン施して 
    誓いの言葉は手作り時限爆弾で掻き消すの。

    季節はずれの突風も吹くでしょうね。
    お金持ちでハンサムな花婿は倒れるわ。

    かわいいだけの花嫁は吹き飛ばされて 
    転がるエンゲージリングは野ウサギの巣穴の奥に落ちるのよ。

    ああ、いい気味だわ。

    ライスシャワーなんかポップコーンで十分よ。
    ウエディングベルは煩悩の数だけ除夜の鐘ね。

    花嫁が投げるしゃらくさいブーケなんか 
    血まみれのヘソの緒アンド胎盤付き胎児だわ。

    おほほほほ。
    まさに、おほほのほよね。

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