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2015/03/11
なにをすればいいのか
わかんない
なにをするべきか
それも わかんない
そもそも ほんとうに
なにかをしなければならないのか
それすら わかんない
わかんないままでいいのかどうか
というもんだいにしても
やっぱり さっぱり
わかんない
だから だから
なにをすればいいのか
わるいのか
いつも いつでも
いつまでも
まったくもって
わかんない まま
2015/03/10
せっかくの夜のひと時を
ただ酒に酔うばかりでは
なんとも惜しい気がする。
絵が描けるかもしれない。
曲が浮かぶかもしれない。
あるいは こんなふうに
詩が生まれるかもしれない。
オリジナルなこの夜を
ありふれた酔いの気分に
なんにも残らない虚しさに
したくはない。
2015/03/05
うちあおぐ天より
やわらかに鐘は鳴る
今ここに何が残るや
過ぎし日の思い出ばかり
すでに苦しみは消え
もはや悲しみもない
どこまでも青き空
ただそこにあるばかり
2015/03/04
眠りに落ちる前に
僕は
パラシュートを背負う。
化け物どもと戦えるよう
大小さまざまな武器を点検し
あやしげな呪文を唱え
うさん臭い秘薬を携たずさえ
漆黒の闇を見下ろし
鼓動と呼吸を整え
そして・・・・
勇気と誠意を友として
静かに
静かに
僕は
目を閉じる。
2015/03/02
昔 見た夢
今の夢ならず
今 見る夢
昔の夢あらず
昔は昔
今は今
昔も今も
夢は夢
同じ夢なら
夢を追い越せ!
2015/03/01
夜が明けたら
男の態度が変わっていた。
「もう帰ってくれ」
我が身を振り返り
女の表情も変わった。
「ああ、尻尾が・・・・」
2015/02/26
キラキラ輝いて
まぶしくて
とても美しいのだけれども
ほんのちょっとの衝撃で
粉々に壊れてしまいそうな
そんなガラスの街のお話です。
そして
実際のところ
この美しいガラスの街は
ほんのちょっとの地震で
粉々に壊れてしまったんですけどね。
あはは。
そういうわけで
まことに残念ながら
これ以上
お話は先に続きません。
ガラガラ ガラガラ
ガッシャーン!
はい、おしまい。
2015/02/25
黄昏が迫っている。
もう遠目に人の区別も難しい。
「誰そ彼?」
語源の如く問わねばならぬ。
「私ですよ。お爺さん」
とんとどなたか分からない。
「もう家に帰りましょ」
帰る家などあったかの。
「すっかり日が暮れてしまいます」
カラスが鳴いた。
帰ろかな。
2015/02/21
鉄琴と木琴がケンカをしました。
互いに相手を叩くので
木琴と鉄琴の音がして
まるで仲良く合奏しているかのよう。
どちらも叩き疲れ
やっとケンカが終わると
閉じていたカーテンが開き
客席から万雷の拍手。
ふたりは顔を見合わせ
目配せすると
寄り添って
しっかり肩を抱き合い
深々と観客にお辞儀をしました。
キン コン カン!
2015/02/19
「別れましょう」
君は切り出す。
「なぜ?」
僕は尋ねる。
「飽きたの」
君は正直だ。
「秘密がある」
僕は嘘つきだ。
「興味ないわ」
君は正直すぎる。
「殺す」
僕は卑怯だ。
「勇気ないくせに」
君は鋭い。
「別れよう」
僕は諦めた。