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2016/03/08
彼は若くてハンサムで
頭が良くて仕事もできる。
だけど
彼の尻には
豚のシッポが生えている。
彼は女の子にモテる。
女の人にも男の人にもモテる。
それなのに
あまり深い仲になることはない。
そのわけは
彼の尻に燦然と
豚のシッポが生えているから。
なぜ彼の尻のそれが
豚のそれである
と断言できるのか
と言えば
なんということはない
彼を産んだ母親が
正真正銘の豚であったから。
ブー ブー
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2016/03/07
会社の同じ部署にいる後輩は
皆から「犬の鼻」と呼ばれている。
彼は嗅覚が異常に鋭いのだ。
「今朝も立ち食いの天ぷらソバっすか」
挨拶代わりに朝食を当てる。
「あの二人、できてますよ」
社内恋愛や不倫は必ずばれる。
「先輩、病院に行った方がいいっすよ」
潜伏する病気も感知してくれる。
他人の私生活なんぞ彼にはバレバレである。
マンションの無分別なゴミ出しの住人とか
その臭いから簡単に特定できるそうだ。
まさに犬並み。
性格も犬に似る。
「おまえが一番好きな匂いは?」
ある日、何気なく尋ねてみた。
「もちろん、先輩の匂いっすよ。ワン!」
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2016/03/06
彼女の耳は、猫の耳。
欲望の声
つまり、相手の本音が聞こえます。
「腹へった」
「ああ、眠りたい」
「ふん。どうもつまらん」
「なんかいいことが起こらんかな」
「おっ。かわいい猫耳の子がこっち見てる」
ただし
あんまり難しい声は聞こえません。
だって所詮、猫だもん。
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2016/03/05
彼女は一見、ごく普通のお嬢さん。
清楚な印象を与える顔立ちで
立ち居振る舞い言動なんかも、そんな感じ。
ところが、彼女の右手は毛深くて
指が太くて短くて、しかも爪が異様に長く鋭い。
つまり、そう。
まるで熊の手みたいなのだ。
毛を抜いても、すぐ生える。
爪を切っても、すぐ伸びる。
そして実際、ほとんど熊の手そのものなのだった。
数年前、電車内で彼女の尻を撫でた痴漢がいたが
不運な彼は彼女の右手で殴られ、首の骨を折ってしまった。
つい反射的に右手が出たらしい。
前世が熊だったのか、先祖がマタギだったのか
それとも古代中国の宮廷料理人だったのか
なんの因果か彼女にはわからない。
いっそ手首から切り落としてしまおうか。
そんなふうに思い詰めたこともあったらしい。
しかし、いざ彼女が実行しようとすると
あっさり熊の手が刃物を払いのけてしまう。
それで彼女、さすがに諦めてしまった。
最近になって、とうとう彼女は
熊キャラのコスプレイヤーになる決意をしたらしい。
原作は同人誌に連載中の彼女自身の漫画。
しかも器用なことに、それは熊の手が描いている。
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2016/03/04
芋虫と毛虫が出会いました。
「おい、芋虫」
「なんだ、毛虫」
「おまえ、毛がないな」
「そりゃ、おいら芋虫だもん」
「おれは毛があるぞ」
「そりゃ、あんた毛虫だもん」
「そういうもんか」
「そういうもんさ」
「おまえ、将来なんになるんだ?」
「わからんけど、とりあえずサナギになるんだろな」
「マユとか作るつもりか?」
「まあ、作りたくなったらね」
「それから蝶になるわけか?」
「あるいは蛾かな」
「ふん。つまらん」
「仕方ないだろ、芋虫なんだから」
「決めつけるなよ」
「決めつけなくても、決まってるさ」
「おれは、もっと大きくなってやる」
「大きな毛虫?」
「そう。大きな大きな毛虫になってやる」
「きらわれるだけよ」
「べつに好かれたくなんかないさ」
「毛虫だもんね」
「そう。毛虫だもん」
「でも、そのうち変わっちゃうよ」
「変わるもんか」
「変わるって」
そこに鳥が現れ、餌を見つけました。
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2016/03/03
わからない。
僕には恋がわからない。
恋に悩み続ける君の気持ちが わからない。
人に限らず
好きなものは手に入れる。
手に入らないものなら
想い浮かべる。
上下左右 角度を変えて
想い浮かべる。
逆さにしたり 裏返したり
あれやこれやと 想い浮かべる。
余計なものは削り取り
足らないところは付け加え
組み合わせたり 再編したり・・・・
いつも間にやら 原型を超え
その想い浮かべたものが自立する。
それはもうオリジナル。
誰のものでもない僕のもの。
ここにしかない僕のもの。
僕だけのもの。
わからない。
僕には恋がわからない。
恋に悩み続ける君の気持ちが わからない。
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2016/03/02
「あの女は俺のものだ」と男が言う時
彼は実体のないルールや関係を主張しているものと思われる。
その主張が周囲に受け入れられるなら問題ないが
受け入れられない場合、実体がないので所有するのは難しい。
そのため、説得なら口数、実力行使なら武力に訴えるなど
実体のなさを実体のあるもので補おうとする。
野生における弱肉強食がまさにそれ。
強いから自分の好きにできる。
ゆえに獲って喰っても構わない。
しかし、これを野放しにしておいては
争いや派生する問題が絶えない。
「とりあえずナワバリを主張して棲み分けましょうよ」
というのが自然な流れ。
この「ナワバリ」が「所有権」のひとつの起源ではなかろうか。
どうやらナワバリにも実体はない。
おそらく意識の産物に過ぎない。
しかし便宜上、ナワバリ同士が重なってはいけない。
「ナワバリを無闇に拡げなければならない状況は避け
ナワバリ内を整備し、改善し続け、安定させましょうよ」
そんなところが妥協点であろう。
内部調整せぬまま実体のない所有権を外部に主張するのは
どうも自然のマナーに反するような気がしてならない。
グローバル化も然り。
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2016/03/01
相手を信用できないが
あいにく他に相手がいない。
不完全ではあるが
どうせ完全にはできない。
ためらいつつも
妥協と諦めの頃合いを計る。
近頃、そんなのばっか。
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2016/02/29
いわゆる「作曲したいけど作曲できない人」向けの解説です。
作曲に必要な道具は
音符を入力すれば演奏してくれる作曲ソフトと音程確認用の楽器。
とりあえずフリーウェアの作曲ソフトをダウンロードし
安物の電子ピアノを用意すれば十分です。
およそ名前は便宜的なものなので
作曲のためのメモに使う音名は
♪ ドレミファソラシド ♪
とは少々異なり
半音(ピアノの黒鍵)の[♯]や[♭]も加えて
♪ ドトレリミフヒソサラルシド ♪
これなら、すべて音名で歌えます。
(例:|ラーシドレードシ|ラーシラサーミー|~)
低い音なら下線を引き、高い音なら上に付点。
伸ばす音には直後に[ー][ー・][=][≡]などを加え
短い音には三連符のような記号を使う。
その他、作曲する本人さえわかればOKなので
表記は各自で工夫してください。
まず、あまり考えず適当に楽器を演奏してみます。
つまらないメロディや既存のメロディなら
使えないのでパス。
オリジナルな感じのする面白い音のつながりが聞こえたら
メモするか、そのまま作曲ソフトに入力。
それを作曲ソフトに演奏させ、試聴して確認。
問題なさそうなら、試聴したイメージから連想されるような
その音のつながりにつながりそうな新たな音のつながりを探ります。
楽器で直前の演奏を繰り返して探るも良し。
とりあえず、それらしく音符を打ち込んでみるも良し。
それを作曲ソフトに演奏させ、試聴し、変な気がしたら修正。
好ましければ続けて、つながる音を探る。
これら一連の作業の繰り返しにより
まとまったメロディのつながり、ひとつの曲ができ上がります。
これだけです。
伴奏を加えたりするつもりでもなければ
コード(和音)進行とか、もっともらしい知識は要りません。
作曲ソフトによっては半自動の編曲機能もあったりしますが
ありきたりな感じになるので、私は薦めません。
できないと決めつけず、尻込みせず
とにかく一度試して、少しずつ慣れる。
案外、やればできるもんです。
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2016/02/28
宝の山にいながら
その価値を知らなければ
ゴミの山に埋もれているのと同じ。
どんなことでも
意識できるのに
そんなことしか
意識しようとしないのは
まさに
宝の山の持ち腐れ
ではあるまいか。
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