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  • 古都の秋

    2014/12/13

    変な話

    紅葉の季節に古都の街並み歩めば 
    観光地らしう雅な琴の音聞こゆ 

    「ひさしぶりどす」
    「おいでやす」


    なにはとまれ馴染の老舗旅館に泊り 
    芸者太鼓持ちなんぞ呼んで騒ぐぞかし 

    「ここはどこどす?」
    「ここは古都どす」


    きっぱり散らば潔いに散らぬゆえ 
    公家神官陰陽師琵琶法師やら徘徊す 

    「ほなさいなら」
    「おおきに」

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  • 元気な子

    元気な子が元気に歩いていると 
    元気ない子を見つけました。

    元気な子は元気ない子を元気にいじめました。

    そのため 
    元気ない子は元気なく泣きました。


    元気な子がどこかへ行ってしまうと 
    元気ない子は思うのでした。

    もっと元気になりたいな、と。


    その願い、神様が叶えてくれました。

    元気ない子はとても元気になったのでした。


    とても元気な子は元気な子を見つけると 
    とても元気にいじめました。

    そのため 
    元気な子は元気に泣きました。


    とても元気な子がどこかへ行ってしまうと 
    元気な子は思うのでした。

    もっともっと元気になりたいな、と。


    その願い、神様が叶えてくれました。

    元気な子はすごく元気になったのでした。


    すごく元気な子はとても元気な子を見つけると・・・・

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  • なるようになるだけ

    2014/12/06

    空しい詩

    眠れぬままに考える。


    なにをやっても 
    なにもやんなくても 

    結局、なるようになるだけ。


    その時に良いことが
    いつまでも良いとは限らない。

    悪いことにしたって 
    まるっきり悪いばかりでもない。


    だったら 

    なにをやっても 
    おんなじ。

    なにもやんなくても 
    おんなじ。


    それなら、そんなの
    考えるのよしましょう。

    さっさと眠ろう。
    眠りましょう。

    ああ、そうしましょう。
    そうしましょう。


    だけど、ああ・・・・

    やっぱり 
    ますます目がさえる。

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  • 手招き

    2014/12/04

    怖い話

    手招きされると僕たちは 

    その手の持ち主がどんな人物であるか知りもせず 
    そちらへそちらへと吸い寄せられてしまう。

    いろいろ批判はあろうけれども 

    ともかく 
    そういう習性なのだから仕方ない。


    僕たちの目の前には 
    とんでもなく大きな扉が立ちふさがっている。

    それはとても僕たちに開けられそうもないけれど 

    その大きな扉の右下あたりに 
    とても小さな扉があって 

    その扉はすでに開かれている。


    そこからこちらにのびた手だけが見えていて 

    おいでおいでと 
    さきほどから僕たちを手招きしている。


    ともかく今は 
    そういう状況なのだ。


    僕たちは小さな扉に近づき 

    勇気があるのか無謀なのか 
    好奇心が強いのか軽薄なのか 

    よくわからないまま 
    よくわからない経験を重ねる。


    不意に先頭の一匹が 
    手招きされた手に捕まったみたいになり 

    扉の奥に引き込まれて扉が閉まる。


    それっきり。

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  • 存在の奇妙な裂け目

    2014/12/02

    空しい詩

    存在の奇妙な裂け目に沿って僕は歩む。

    しかしながら 
    この僕という存在も微妙に裂けている。

    ゆえに僕の歩みはおぼつかない。


    むろん、走ることなどできない。
    動かず、この場に留まるべきかもしれない。

    しかしながら、やはりしかしながら 
    この場の存在すら僕にはあやうい気がする。


    留まることも動くこともできぬとすれば 
    どこに救いがあるというのか。

    そもそも救いなど用意されているのか。


    ・・・・あやしい。

    じつに・・・・あやしい。


    すると、やはり僕は 
    この存在の奇妙な裂け目に落ちるしかないのであろうか。

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  • 崩れゆくもの

    2014/11/30

    変な話

    世界は急速に秩序を失いつつあるように思えます。

    環境は破壊され、人口は増え、経済は不安定となり 
    マナーはすたれ、情報は錯乱と混迷を深めています。

    犯罪も芸術も娯楽も学問も宗教も政治も 

    それが適切であろうがなかろうが関係なく 
    なんでもありの様相を呈しております。

    まるでセミが鳴く真夏の森林公園のようですね。

    さらに彼は彼女となり、石油は衣類や薬や電気になり 
    地震が津波と液状化現象から原発反対してありおりはべります。

    スイカもトマトも飲み過ぎて自爆しましょう。
    遺伝子は知恵のない駐輪場だそうだでな。 

    携帯端末が歩き出せば、集積回路に蛆が湧き 
    LED液晶画面からはリンパ液がしたたり落つるのや。

    祈ろうにも、神が多すぎて多数決もままならね。

    拡大する宇宙は相対的でほうか? 
    それとも相補的なのれありませうか? 

    女がよろめくキノコれす 
    誰がんなことへ主張するのら? 

    ふけてしやまん 不完全燃焼定理の そこもとに 
    円筒ろぴーの増殖 しゃくなげ 数珠つなぎ 

    ほげそけた むかたびぴやも そのもこつ 


    どっと ぶくつく

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  • 改良の余地

    2014/11/23

    愉快な話

    「僕は君が好きで、どうして僕が君を好きなのか
     君にうまく説明することができないにもかかわらず

     君にとって僕が大切であるかどうか無関係としても

     僕にとって君が大切であるということは
     ぜひとも君に伝えておかなければならない」


    「あなたの言葉の意味するところは、私にとって
     喜んでしかるべき内容を多分に含んでいます。

     ただし、現時点における私の正直な心情を吐露するなら

     あなたは私にとって大切でもなんでもなく
     これから大切になるかどうかというところです」


    「今ひとつ、僕が疑う要素が発生した気配がある。

     この提供された異文化間の意識の翻訳の装置は
     その機能を正しく果たしているのであろうか?」


    「その疑問は、おそらく根本的な問題に相当します。

     まだ細やかなニュアンスを使える段階ではなく
     多分に改良の余地があるものと思われます」

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    • Tome館長

      2014/11/23 21:34

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2014/11/23 21:32

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

  • やらなくちゃ

    2014/11/21

    変な詩

    なんだろう? 


    やらなくちゃいけないこと 
    あったはずなのに 

    思い出せない。


    こんなことじゃない。
    あんなことじゃない。

    そんなことしてる場合じゃない。


    さて、困った。

    なんだっけ? 


    なんだか思い出せないけど 

    なにか大事な 
    とても大切な 

    なにか・・・・ 


    どうしてもやらなくちゃ。
    必ずやらなくちゃ。


    もしやらなかったら 
    大変なことになってしまう。

    そんな気がする。
    そんな記憶がある。

    でも、思い出せない。


    ああ、どうしよう。

    もし手遅れになったら・・・・ 


    いけない。
    いけない。

    なんとかしなくちゃ。


    だけど 
    それなのに 

    わかんない。



    なんにもならない。
    どうにもならない。

    時間ばかり過ぎてゆく。


    ああ。


    どうしても 
    どうしても 
    どうしても 

    思い出せない!

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    • Tome館長

      2014/11/21 19:42

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2014/11/21 19:41

      「さとる文庫 2号館」もぐらさんが朗読してくださいました!

  • 見えない恐怖

    2014/11/18

    怖い話

    ここは大きな橋の上。
    大きな川が下に流れる。

    私はその橋の片側の歩道を歩いていた。

    そう、確かに歩いていた。
    なのに、なぜか今はバスに乗っている。

    どうやらこのバス、その気になれば 
    簡単に乗り降りできるシステムらしい。

    そして私は立ったまま、バスの窓から 
    あたりをキョロキョロと眺める。

    クルマの列が前後に延びている。
    ただし、渋滞しているのでピクリとも動かない。

    たくさんの歩行者の姿も見える。
    彼らは車道さえ歩行者天国のように歩いている。

    なんだか落ち着かない気分。
    バスに乗ったのは失敗だったかもしれない。

    その時である。

    ふと、歩行者の一人が倒れた。
    白いワイシャツの背中。

    その情景が視界に入り、確認のため視線を戻すと 
    倒れているのは二人だった。

    寄り添うような二枚の白いワイシャツ。

    どうしたのだろう。
    わけがわからない。

    いや、二人だけではない。
    いぶかしんでいるうちに次々と歩行者が倒れてゆく。

    日射病などではない。

    変な感じ。
    まるで、まるでそう、毒ガスのような・・・・ 

    私はパニックに襲われる。

    こんな橋の上にいてはいけない。
    逃げなければ、確実に死ぬ。

    私はバスを降り、走り出す。

    橋を渡り終えると、商店街が続く。
    やがて地下鉄の入り口が見えてきた。

    地下が安全とは限らない。

    が、ともかく 
    ここから逃げるにはそこしかない。

    私は地下鉄へと続く階段を必死に駆け下りた。

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  • 心得違い

    2014/11/15

    楽しい詩

    江戸時代の武士の心得
    「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」


    バブル全盛期のサラリーマンの心得
    「サラリーマンと云ふは、酔う事と見付けたり」


    就職氷河期の学生の心得
    「学生と云ふは、就活する事と見付けたり」

     

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