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  • やさしさ批判

    2016/01/28

    暗い詩

    そろそろ やっつけねばならない 

    と思っている 

     

    やさしさを 

    やさしさを無批判によしとする風潮を 

     

    やっつけねばならない 

    それこそテッテ的に やっつけねばならない 

     

    そう思っている 

     

     

    それはまた なぜ 

    と問うなら 

     

    甘えるな 頼るな 

    それこそ気づけ 自分で考えろ 

     

    と冷たく 冷たく 冷たく言い返したい 

     

     

    根本問題をさておき とりあえず 

    その場の雰囲気を取り繕うためだけみたいに 

     

    やさしくなりたくはない

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  • 異臭通り

    2016/01/27

    ひどい話

    だんだん臭いがひどくなってきた。

    鼻は鈍感な方だが、それでも耐え難い。

     

    歩道に寝転ぶ人々の姿が目につく。

    水を撒かれているのに平気で眠っている。

     

    ひとりの男の腕に大きな醜い傷があった。

    腐っているらしく蠅がたかっている。

    あるいは死体かもしれない。

     

    まさに異臭通りだ。

     

    しゃがんで通行人を見上げる老婆。

    あやしげなものを食べている子ども。

     

    汚れて破れた服の少女が不自然に笑っている。

    それとも、自然に泣けないのだろうか。

     

    なにか踏んでも怖くて確認できない。

     

    大便や小動物の死体ならまだしも 

    手首や胎児が落ちていることもあるそうだ。

     

    ますます臭いがひどくなってきた。

    臭気が目にしみて、通りが霞んで見える。

     

    めまいさえしてきた。

     

    しかし、立ち止まってはいけない。

    そのまま歩道にしゃがみそうになるから。

     

    この通りに飲み込まれてしまったら 

    もうおしまいだ。

     

     

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  • マットとブルマー

    2016/01/26

    思い出

    君は美人で 賢くて 

    クラスでも学年でも 一番モテて 

     

    上級生と付き合っている 

    という噂まであって 

     

    自信も勇気もない僕は 

    何もできず 

     

    ただ憧れているだけだった。

     

     

    ある時 

     

    陸上大会があるとかで 

    その練習だろうか 

     

    たまたま君と 

    体育館で二人きりになった。

     

     

    マットの上に寝転んでいる君を 

    僕が見下ろしている。

     

     

    君は 

    トレーニングパンツを脱ごうとしていた。

     

    その途中で 

    なんだか面倒臭くなったみたいに 

     

    君は寝転んだのだ。

     

     

    ブルマーの端から

    白いふとももが見えていた。

     

    不思議な瞬間だった。

     

    見てはいけないような 

    見なければいけないような。

     

     

    とにかく 何か言わなければ・・・・

     

    そんな気持ちになったのだけれど 

    それを君も望んでいるように思えたのだけれど 

     

    ウブで口下手で臆病な僕は 

     

    結局 

    なんにも言えなかった。

     

     

    そのうち 

     

    しばらくして 君は 

    諦めたみたいに起き上がって 

     

    それから・・・・ 

     

     

    その先に もう僕の思い出はない。

     

     

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  • Web演説

    2016/01/25

    論 説

    みなさん、我々は

    価値観が大きく変わる不安定な時代に生きております。

     

    技術の加速度的な発達と普及により 

    社会と生活は大きく様変わりしました。

     

    世界人口は半世紀で倍以上に増え 

    現在は70億人を超えておるそうです。

     

    修正しつつも古き良き時代の判断基準に従っているようでは 

    この危機的状況が悪化こそすれ改善される見込みはありません。

     

    みなさん、我々は今すぐ意識と行動を改めねばなりません。

     

    平等主義や博愛主義や平和主義 

    その他諸々の理想という名の空想主義の行使を 

    「それは結構なこと」と野放しのままにしておいてはなりません。

     

    まず、他人事に無闇やたら介入しないこと。

    余計なおせっかい、と言うものです。

     

    それによって相手に感謝され、多くの人々に敬愛され 

    その場の大いなる満足は得られるでしょう。 

     

    しかし、物事は一時的な「その場」だけでは終わりません。

    必ず続きがあるのです。

     

    「塞翁が馬」の故事もあります。

    「ノラ猫餌やり」の弊害もあります。

     

    よかれの行動が望まれる結末になるとは限らないのです。

     

    現実は夢や物語のように甘くありません。

    個人の思惑を超えた広大な展望が必要とされるのです。

     

    また、本人も余計な目標を持つべきではないでしょう。

     

    必ず結婚しなければならない、わけではないはずです。

    必ず裕福にならねばならない、わけでもないはずです。

     

    選択肢を自ら狭め、将来の可能性を限定する前に 

    今この瞬間、もっとやるべきことが他にあるはずです。

     

    いや。

    むしろ、もっとやるべきでないことが。

     

     

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  • 連鎖のすりきれ

    2016/01/24

    変な詩

    アメーバ アメンボ アメフラシ 

    ジメジメしてたら ミジメになって 

     

    熊笹 熊猫 熊ん蜂 

    刺されて 掻いたら 骨そげた 

     

    春雨 春巻 ハルマゲドン 

    食べられないのは どれでしょう? 

     

    カプリコ カピリナ カピプペポ 

    ポップコーンは バナナじゃないよ

     

    モケナ コマイソ ブクゲネ ベコゾ 

    すき身と 抜き身と マグロの叩き 

     

    すけらま びっちょれ くんずれ どべじ 

    切った貼ったは 美容整形 秋の空 

     

    まかな ほいそご もけして だぼそ 

    黙して 合掌 南無阿弥陀仏

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  • 通せんぼ

    2016/01/23

    変な話

    いや、だめだね。

    あんたは、ここを通すわけにいかないよ。

     

    うん、だめ。

    まったくだめ。

     

    あんた、全然なってないもん。

    通せるはずないよ。

     

    そりゃ、もっと変な奴はいるよ。

    逆に、もっと立派な方とかね。

     

    でも、そんなの関係ないんだな、これが。

    ハハ、笑っちゃうね。

     

    つまり、この私が許さないんだよ。

    あんたを通したくないんだ、この私がさ。

     

    いや、冗談じゃないよ。

    そう、ちっとも冗談じゃない。

     

    私が絶対に通さない。

     

    なんというか、もう決まってるんだな。

    これっぽちも可能性ないよ。

     

    いやいや。

    無理だって。

     

    どうしたって、なれないんだよ。

    あんたを通したい、という気持ちにね。

     

    ああ、そうだよ。

    そういうわけだから、諦めるんだね。

     

    もう。
    しつこいね、あんた。

    そういうの、往生際が悪いって言うんだ。
    なおさら通したくなくなるね。

    さっさと、あっちへ行きな。

     

    うん、それがいいよ。

    見込みないから。

     

    まあ、でもね、どうせ無理だろうな。 

    だいたい、あんたじゃね。

     

    あんたじゃ、どこへ行っても同じだと思うよ。

     

     

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  • 甘い刑罰

    2016/01/22

    論 説

    犯罪者の処遇において 

    懲役刑とか禁固刑とかあるが 

     

    たとえ強制労働あるとしても 

    衣食住まで税金で賄うのはいかがなものか。

     

    不景気な娑婆の従順な納税者と比べても 

    明らかに犯罪者に甘いのではなかろうか。

     

    衣食住が保証される刑務所に入りたいがため 

    通り魔殺人をしようとする輩が出る始末だ。

     

    本末転倒であろう。

     

    昔の百叩き刑のような体罰も、洗練させ 

    選択肢として復活させたい気もする。

     

    それに死刑を認めるなら、たとえば 

    寿命を縮める薬を飲む刑だって許可したいものだ。

     

    または、治療を受けさせない刑とか。

     

    ともかく、凶悪犯罪が減らない理由がそこあるなら 

    ことなかれに放置しておきたくはないな。

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  • 台風の夜

    2016/01/21

    暗い詩

    台風が上陸するという 
    この夜に 

    市内全域に避難勧告が発令された 
    この時に 

    わたくしは 出かけなければなりません。


    狭くとも安らかで 
    生ぬるき棲み家を抜け出し 

    暴風雨を突っ切って ぬばたまの闇を 
    ひとり黙々と 歩んでゆかねばなりません。


    まったく本当に そら恐ろしいのは 
    暴風雨による家屋の被害などではありません。

    精神を甘やかせ 封じ込め 
    怠惰と腐敗を誘う 天国の安寧なのであります。

     

     

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  • 巨乳の惑星

    進化と呼ぶべきか、あるいは退化なのか 

    珍しいヒト型知的生命体が生息する惑星がある。

     

    女性ばかりか男性まで乳房が大きく、つまり 

    いわゆる巨乳の、しかも巨乳ばかりの惑星なのである。

     

    もしもこの星へ、胸部発育不全な、つまり 

    いわゆる貧乳の、ごく普通の地球人が訪れてご覧なさい。

     

    身軽で動きやすい。

    肩がこらない。安眠できる。

     

    羨ましがられること請け合いである。

     

    さらに、希少で珍しがられるため、性的な興味、つまり 

    おおいにモテることも確実である。

     

    さて、諸君。

    こんな巨乳の惑星は、いかがかな。

     

    しかしながら、諸君。

    こんな妄想で胸をふくらませてどうする。

     

     

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  • 君はいない

    2016/01/19

    怖い話

    ふと 

    目覚めて 

     

    ぼんやりして 

     

    君を抱こうとして 

    君がいないことに気づく。

     

     

    そうか。

    もう君はいないのか。

     

    そうだ。

    もう君はいないのだ。

     

     

    君はいない。

    君を抱けない。

     

    僕は君を抱けない。

    もう僕は君を抱けない。

     

     

    そうさ。

    僕が君を殺してしまったから。

     

     

     

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