Tome Bank

王子様が　やってきた　
お馬に乗って　やってきた　

悪い領主を　こらしめに　
きれいな姫様　略奪に　

お馬に乗って　やってきた　

お顔はキリリ　目はキラリ
お馬は白馬　ペンキ塗り立て

王子様も　楽じゃない

我が夢は
　ちぐはぐゆえに

　　　他の夢とは
　　　　ちと違う　


我が夢は
　前になく

　　　我が夢は
　　　　後になし　


我が夢は
　今ここに

　　　あるやなしや
　　　　夢のうち

どうしょもないこた
　どうしょもないから
　　どうしょもない　

どうして
　なんして
　　こうなった　

こうして
　ああして
　　こうなった　

ああ
　もっともだ
　　もっともだ

精霊は細部に宿り
　ときめきて　

見紛うばかりの
　御子の笑み　

たらちね母が手
　空しめす

あなたが犯人でしょ？　

とぼけたって無駄よ。
あたし、知ってるんだから。

一見普通の婦警みたいだけど　
これでもあたしね

ミステリーとか探偵ものとか捕り物帳とか　
いっぱい読んでるのよ。

驚いた？　

あら、平気そうね。
とぼけても無駄だって言ったばかりなのに。

しょうがないわね。
あまり見せたくなかったんだけど・・・・　

さあ、じっくり見るのよ。
これでもシラを切れるかしら、痴漢さん。

この太ももの桜吹雪が目にはいらねえか！　
ってね。

好き好んで　
とぼけた顔してる　

わけじゃなくて　


そんなことに　
関心持ってる顔に　

見せたくないだけ

「なんでもいい」
彼女の口癖　

「なんでもいい」
彼女の気持ち　

「なんでもいい」
彼女の未来　

「なんでもいい」
彼女のすべて　

「なんでもいい」
「よかないよ」

⇒

なんとかなるさ
　ならぬとも

なんとかするさ
　ならぬなら

なんともならねば
　なんとしよ

なんともしようが
　あるまいに

こんなこと　
いくらしたって　

どうにもならない　
やるせない　


こんなもの　
いくらあっても　

もらいてもいない　
やるせない

花火大会の夜に　
浴衣なら　

どうしたって　
打ち上げてみたくなる。


キャー！　
とか　

イヤー！　
とか　

言いながら　

高く　高く　
ものすごく高いところまで昇って　

ダメー！　
とか　

ダイスキー！　
とか　

無邪気な大声を　

夏の夜空に　
響かせるのだ。