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  • 手遅れ

    2015/08/11

    変な話

    気が遠くなるほど昔 
    まだ豚に翼が生えていた頃のお話。

    でなかったら 
    これから起こるかもしれないお話です。


    海原と大地は天にあり 

    大空は眼下に深く 
    どこまでも底が抜けておりました。


    それにもかかわらず 
    絶大な権力を持つ王の統治下 

    生きんとするものは殺され 
    死なんとするものは生かされ 

    満たされぬ日々の暮らしが 
    子々孫々と続いておるのでした。


    そんなある日の昼上がり 
    女の子なのに男の子が言いました。

    「天地が逆さまだよ」と。

    しかしながら 
    そんなもっともらしいこと 

    今さら言われても 
    すでに手遅れなのでした。

     

     

     

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  • 時間がない

    2015/08/10

    暗い詩

    あなたは言う 

    「時間がない」
    「仕方がない」と 


    そのために省略された手間暇が 

    やがていつしか 
    あなたを責める 

    「ああせよ」
    「こうせよ」と


    すると再び
    あなたは言う

    「時間がない」
    「仕方がない」と 


    そうしてあなた 
    こうしてあなた 

    時間の無限アリジゴク 
    負のスパイラルに 

    転がるように 
    堕ちてゆく 

     

     

     

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  • 時の岸辺

    2015/08/09

    論 説

    何もない世界 

    何も変化しない世界に 
    時は流れない 


    流れない時は 
    時とは呼べない 


    流れない川が 
    川でなく 

    吹かない風が 
    風でないように 

     

     

     

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  • 泣くもんか

    2015/08/08

    暗い詩

     泣く子はきらいだ。


    泣けばいい と思ってる。
    泣けば済む と思ってる。

    文句言えば叶えられる 
    と思ってる。

    困らせれば相手にしてくれる 
    と思ってる。


     もっと大人になれよ。

     

     

     

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  • 気まぐれな運命

    2015/08/07

    変な話

    人生に絶望して 
    踏切に飛び込んだら 

    なぜか不意に 
    目の前で電車が脱線した。


    そのため 
    線路上の僕は助かり、

    遮断機の前で 
    律儀に待っていた人たちは 

    迫り来る車両を 
    避け切れずに 

    みんな
    亡くなってしまった。

     

     

     

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  • 割れてしまえ

    2015/08/06

    暗い詩

    割れるのが悪いのではなく 
    割れてしまうような枠組みが悪い。

    その悪い枠組みをそのままにしておく 
    我々が悪い。

    その悪い我々を良しとする 
    我々が悪い。


    だから 

    割れてしまえ 
    我々。

     

     

     

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  • 悔しいな

    どうして どうして 

    どうして 
    わかってもらえないんだろう 


    ほんのちょっと 
    立ち止まり 

    何気なく 
    振り返って 

    それから 少し 

    ほんの少し 
    手を伸ばすだけで 

    それは ちゃんと 
    ちゃんと そこに 

    あるというのに 

     

     

     

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  • 怪しい奴

    2015/08/04

    論 説

    それは、お前だ。
    お前が一番怪しい。

    なんだ、その格好は? 
    ほとんど裸ではないか。

    恥を知れ、恥を。

    目障りだ。
    見せる価値なきものは隠せ。


    ただし、服で勝負するなよ。
    メッキはすぐに剥がれるからな。

    安易に真似すんなよ。
    そんなの猿でもできるぞ。

    芸もなく繰り返すなよ。
    自分の真似してるだけだからな。

    とにかく
    もっと面白い事をしろ。


    そもそも 

    他人にウケようがウケまいが 
    自分が面白くなければ 

    まず続かんぞ。

     

     

     

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  • せせらぎ

    2015/07/14

    明るい詩

     ひとり 
    野山に入りて

     ふと 
    せせらぎを聞く 


    時折りに
     さえずる声や

       青き空

     

     

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  • お帰りなさい

    2015/07/12

    愉快な話

    留守宅かと思い、泥棒に入ったら 
    女がいた。

    「お帰りなさい」
    そのように挨拶されたら 

    やはり、こう返事せねばなるまい。
    「ただいま」


    そうして 

    なぜかそれから 
    流れるように 

    夫婦生活が始まってしまった。

     

     

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