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  • 燃えるライオン

    2016/09/09

    暗い詩

    たてがみが燃えるのではない 

     

    燃えあがる炎が 

    ライオンのたてがみなのだ 

     

    駆け抜ける草原さえ 燃えている 

     

    灼熱の太陽から降り注ぐ 火の雨 

    雨宿りできる安息の木陰は どこにもない 

     

    黒煙を噴きあげ 

    燃えながら流れる 油の川 

     

    涙の川なら 

    手足縛ってでも 溺れてみたい 

     

    赤き血の川なら 

    裸になって 泳いでやる 

     

    ああ 喉が焦げる 

    心臓が焼けただれる 

     

    燃えに燃え 

    すべてが灰になってしまう 

     

    なにも残らない 

    一本の骨 ひとつの言葉すら 

     

    ああ 限界だ

    もう我慢できない  

     

    あの燃えるライオンに今 喰われたい

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  • ガツンと

    2016/08/31

    暗い詩

    あいつらを 

    やっつけられないものか。

     

     

    自分の都合だけで勝手なことをぬかす 

    あいつら、

     

    こっちの迷惑など気にもかけない 

    あいつら、

     

    あのろくでもない 

    どうしようもないやつらを 

     

    テッテー的に 

    それこそ完膚なきまでに 

     

    ガツンと 

    やっつけられないものか。

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  • 重いもの

    2016/07/17

    暗い詩

     重い 重い 

     頭が重い 

     

    眠ればいいのに 

    考える

     

     

     重い 重い 

     義理が重い 

     

    やりたくないのに 

    せにゃならん 

     

     

     重い 重い 

     愛が重い 

     

    ほっときゃいいのに 

    気にかかる

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  • こけし母子

    2016/07/08

    暗い詩

    こけし 

    ここけし 

    こここけし 

     

    こけしに似てるね 

    こけし母子 

     

    きでこ 

    でころこ 

    でくのぼう 

     

    こぼこ 

    こげす 

    きでほうこ 

     

    けしにんぎょう 

    とか申します 

     

    こけし 

    けし

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  • 白き爪

    2016/06/07

    暗い詩

    君がその 腕の先の 

    手の肌の白さより 白き爪 

     

    伸びて 伸びて 伸びきって 

    我が黒き 曲がった背に突き刺さり 

     

    潜るがごとく どこまでも 

    深く 鋭く 喰い込みて 

     

    その傷口の 赤き血の 

    にじみ したたり とめどなく 

     

    君があえぎ すさまじく

    また悩ましくも ありぬれば 

     

    今宵 命 尽くるとも 

    まこと本望にて ござります 

     

    南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

    以下同文

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  • 堕天使

    2016/05/28

    暗い詩

    あの灰色の濁った空から 

    この腐った大地に 

     

    たくさんの 

    たくさんの天使たちが 

     

    乱れ 汚れ くたびれはてて 

     

    ボタボタ ボタボタ 

    堕ちてくる。 

     

     

    かつての純白の衣や 

    張りのある翼 清き肌も 

     

    今はもう 面影さえなく 

     

    その虚ろなる眼まなこは 

    死魚にも似たり。

     

     

    ああ 主よ 

    天にまします 我らが父よ 

     

    我らが行いの 

    何がいけなかったのか 

     

    または 

     

    恐れながら 

    まことに恐れながら 

     

    そのように我らをあらしめた 

    あなた様が定めの 

     

    何がいけなかったのか 

     

    願わくは 

    知らしめたまえ。

     

     

    アーメン

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  • 笑っちゃう

    2016/05/21

    暗い詩

    それはそれは 

    まことに悲惨な事件なのであって 

     

    決して笑い事ではない 

    とは 思うものの 

     

    なんだか とっても おかしくて 

    つい 笑ってしまった。

     

     

    すると それを

    「不謹慎だ」と 怒る人がいて 

     

    それもまた なんだか おかしくて 

    ついつい 笑ってしまった。

     

     

    なぜだろう。

    おかしいな。

     

    笑ってる場合じゃないのにね。

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  • 落ちながら

    2016/05/17

    暗い詩

    これっぽっちの前触れもなく 

    不意に突き落とされて 

     

    ぼくは下へ下へと 

    まっさかさまに落ちてゆく 

     

     

    なにか悪いことしたのかな 

    思い浮かばないよ 

     

    なにも良いことしなかったせいかな 

    そう言えばそうかもね 

     

    良いも悪いも 

    よくわかんないけど 

     

     

    ああ そろそろかな 

     

    ドサッ かな 

    グシャッ かな 

    ボキボキッ かな

     

    きっと痛いだろうな 

    覚悟なんかできないよ 

     

     

    いっそ このまま すうっと 

    消えちゃえばいいのに 

     

    信じられないくらい首の長い 

    とんでもなく大きな大きな恐竜に 

     

    パックリ食べられて 

    ゴクリと飲み込まれたみたいな感じで 

     

    胃袋に落ちる前に すうっと

    とけちゃえばいいのに

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  • 火の玉の

    2016/05/09

    暗い詩

    新月の 宵闇に 

    火の玉の ふたつ三つ 
    飛び交いて 

    怨みはらさで おくべきか 

    いや おくまいぞ 
    おくまいぞ 


    嗚呼 されど 

    成就のあてなく 声もなく 
    芸もなきに さまよいて 

    末代までも 成仏できぬは 

    飛んで 火の玉
    あわれなり

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  • 総員に告ぐ

    2016/04/19

    暗い詩

    総員に告ぐ。

    撤退せよ。
    すみやかに撤退せよ。

    繰り返し、総員に告ぐ。

    撤退せよ。
    すみやかに撤退せよ。


    何人たりとも 
    この地に留まってはならぬ。

    何人たりとも 
    この地を振り返ってはならぬ。


    総員に告ぐ。
    あえて総員に告ぐ。

    勇気は不要、見栄は邪魔。
    過去に頼らず、しがらみを断て。

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