危機管理室
2015/12/20
「指導教官殿、下半身が自白しそうであります」
何を口走っておるのだ、おれは。
そもそも、目の前で悩ましく美脚を組み替えるミニスカ美女に
心を奪われている場合ではないのだ。
「あら、とても苦しそうね。我慢はカラダに毒よ」
うう、その通り。早く楽になりたい。
敵国からの見えざる侵略の手が政財界の中枢にまで届いている
という話、まんざら噂だけではなさそうだ。
「失礼いたします」
沈黙を破るように人型ロボットの等身大メイドが入室してきた。
「コーヒーもお茶も召し上がらないそうなので
お水をお持ちしました」
どうせ自白剤が入っているに違いない。
いやいや。催淫剤かもしれないぞ。
「今年の夏は雨が多く、日照時間が少ないそうですね」
とりあえず天気の話でもして誤魔化すしかあるまい。
「・・・・そのようね」
データを確認したかのように、美女は再び美脚を組み替える。
案外、この女も人型ロボットかもしれないぞ。
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