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  • 違うんじゃない

    2016/09/08

    変な詩

    チリトリは 鳥じゃない 

    アヤトリも 鳥じゃない 

    セキトリも 鳥じゃない

     

    ウミネコは 猫じゃない 

    ネンネコも 猫じゃない 

    ネコイラズも 猫じゃない

     

    トラフグは 虎じゃない 

    トラウマは 虎でも馬でもない 

    ウルトラは 虎を売るわけじゃない 

     

    ゾウガメは 象じゃない 

    ゾウニは 象を煮るわけじゃない 

    ゾウサンは 象が三頭いるわけじゃない 

     

    パンダは パンじゃない 

    トノサマガエルは 殿様じゃない 

    セイタカアワダチソウは 背の高いシャンプーじゃない

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  • 闇の中で

    2016/09/07

    怖い話

    じつは私は目が見えない。

    若い頃に病気で失明したのだ。

     

    ある日、家の中で手探りしながら腰を下ろそうとしたら 

    そこに椅子はなくて、そのままストンと落ちてしまった。

     

    なのに、すぐに床に尻が着かない。

    落ち続けているのは風を切る感じでわかる。

     

    ひょっとして開け放たれた窓から落ちたのだろうか。

     

    いやいや、そんなはずはない。

    仮にそうだったとしても、家は平屋なのだから。

     

    ああ、これはもしかしたら 

    死んでゆく時の感覚なのかもしれない。

     

    そう思いついた途端、安心したのか 

    ちゃんと椅子に座っている自分に気づいた。

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  • 毛抜き強盗

    2016/09/06

    愉快な話

    「おい、カネを出せ。

     出さねば、わきの下の毛を抜くぞ」

     

    また変なやつが来店したものだ。

    受付を長年しているが、初めてのタイプである。

     

    「しっかり処理してるので、わき毛はありません。

     また仮にあるとしても、むしろ抜いてもらいたいくらいです」

     

    「そうか。それは相手が悪かったな。

     では、改めて出直すとしよう」

     

    とりあえず、その変な客は大人しく帰ってくれた。

     

    なんなんだろう。

    春先だからだろうか。

     

    「いやあ君、立派な接客態度だったね。

     私なんか、髪の毛を抜かれるとしたら、まず抵抗できないな」

     

    頭の薄い上司は、しきりに感心してるし。

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  • コピペ ソング

    2016/09/05

    変な詩

    コピペ ペコピパ ペコピパポ 

    コピペ ペコピパ ペコピパポ 

     

    コピー & ペースト

    コピー & ペースト 

     

    取って 貼って 簡単だ 

    取って 貼って 簡単だ 

     

    コントロール C コントロール V 

    コントロール C コントロール V 

     

    左クリック 右クリック 

    左クリック 右クリック 

     

    頭ん中 考えなしの マウスが走る 

    頭ん中 考えなしの マウスが走る 

     

    コピペ ペコピパ ペコピパポ 

    コピペ ペコピパ ペコピパポ

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  • めくる人

    2016/09/04

    変な話

    その人は男か女かわからない。

    とりあえず彼と呼んでおく。

     

    彼は珍しい技術を持っている。

     

    めくるのがうまいのである。

    めくらせたら彼の右に出る者はいない。

     

    本のページをめくるとか 

    婦人のスカートをめくるとか 

     

    そんなの誰でもできるけれど 

    彼のめくる真似はなかなかできない。

     

    眠っている人のまぶたとか 

    黙っている人のくちびるとか 

     

    本人に気づかれずにめくる。

     

    池の水面だってめくってしまう。

    夜の帳とばりだってめくってしまう。

     

    白日のもとにさらされる宇宙の神秘。

    心の覆いなんかわけもない。

     

    その透けるように白い指先が 

    見た目優雅に弧を描く。

     

    すると、この人は彼ではなく 

    彼女とでも呼ぶべきかもしれない。

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  • タイムスコープ

    2016/09/03

    愉快な話

    通販でタイムスコープなるものを買った。

     

    過去または未来の時刻を設定したまま覗くと 

    その場における設定時刻の景色が見える望遠鏡である。 

     

    Googleマップ並みのデータとGPS機能を使えば 

    過去の景観を静止画像として眺めることは可能だろう。

     

    また、データを基に仮想現実を構築すれば 

    仮想的な未来の景観を眺めることもできる理屈だ。

     

    ところが、これは違った。

     

    書斎でパソコンに向かっていた去年の私自身の背中とか 

    買い替えるらしい来年の新しいエアコンが見えたりするのだ。

     

    どうなっているのだ? 

    まるでドラえもんの道具ではないか。

     

    あり得ない。

    どうにも信じられない。

     

    あわてて競馬場へ出かける前に 

    タイムスコープを詳しく調べてみた。

     

    すると、設定項目は時刻だけではなかった。

    状況設定が「夢」になっていた。

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  • ホタテ貝の唄

    2016/09/02

    明るい詩

    帆を立てた 帆を立てた 

    ホタテ貝が 帆を立てた 

     

    表は茶色 裏は白 

    順風満帆じゅんぷうまんぱん 青い空 

     

    おいでよ おいで 

    ホタテ貝

     

    大海原が 呼んでいる 

    七つの海が 待っている 

     

    おろしちゃいけない 

    たたんじゃダメだ 

     

    海賊なんか 怖くない 

    貝柱は 丈夫だぜ 

     

    帆をあげよ 帆をあげよ 

    ホタテ貝よ 帆をあげよ

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  • クリーニング

    2016/09/01

    愉快な話

    亡くなった伯母の葬儀に着たので 

    Yシャツをクリーニングに出すことにした。

     

    洗濯機でもシワにならない素材らしいが 

    冠婚葬祭にしか着ないので、エリが黄ばむのは困る。

     

    近所にあるチェーン店に入る。

    そもそもクリーニング屋は久しぶり。

     

    それにしても、安くなったものだ。

    Yシャツ一枚が税込でも百円しない。

     

    仕上がりも翌日の夕方。

    しかも、朝出せば当日の夕方に受け取れる。

     

    システムの合理化が進んだのだろうな。

    人件費も抑えてあるに違いない。

     

    説明を受けて一緒に渡された価格表を見る。

    「衣類」の項目の他に「ペット」「人体」とある。

     

    「ペット」は「イヌ」「ネコ」と分類され、

    「イヌ」はさらに「大」「小」別価格になっている。

     

    「人体」には「女性」「男性」とあり、

    それぞれ「顔のみ」「全身」が別価格である。

     

    そうか。

    そうだったのか。

     

    隠居していて知らないうちに 

    そういう時代になっていたのか。

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