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Tome館長

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  • 不死鳥

    2013/09/30

    暗い詩

    その身は爛れ腐り

    壊死し 焼かれ 
    灰となれども

    その空蝉が残せし種々

    わずかなりとも
    代々の巷に残りせば

    金色の両翼
    炎の如く持て上げ

    意識と呼べる無限の虚空に

    虹を流しつ
    飛翔せん

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    • Tome館長

      2014/05/27 10:42

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2013/10/07 00:09

      「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださいました!

  • お花見

    2013/09/28

    変な詩

    うららかな 春の日差し

    満開の桜の木の下
    浴衣姿の若い女 昼寝中


    浴衣の裾 めくれてる
    胸もと はだけてる

    帯さえ ほどけてる
    昼寝にしては いとおかし


    酔っぱらい 指さし笑う

    唇から 紅が垂れ
    腹から 日本刀生え


    酔っばらい 地面に吐く
    女の悲鳴 澄んだ空を裂く

    風に舞う 桜の花びら

    散ってなお まだ見頃
     

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    • Tome館長

      2014/11/03 16:18

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2014/05/26 21:36

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • すすり泣き

    2013/09/26

    暗い詩

    うそ泣きの
     すすり泣きなど
      してみるに

       相手にされず
      ほんに泣き
     

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    • Tome館長

      2014/12/22 09:09

      「しゃべりたいむ・・」かおりさんが朗読してくださいました!

    • Tome館長

      2014/05/26 02:21

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • 水面をめくる方法

    2013/09/25

    愉快な話

    水面をめくるにはコツがいるんだ。

    まず、いかにもめくるような態度で
    水面に近づいてはいけない。

    察しのいい水面に
    用心されてしまうから。


    「ちょっと手を洗おうかな」

    そんな独り言をつぶやきながら
    しかし静かに水面に近寄る。

    両手を水に半分ほど入れて
    親指は濡らさず空中に残し、

    人差し指は水中に潜らせる。

    そして、波紋が立たぬよう注意しながら
    両手同時に親指と人差し指で水面をはさむ。

    そのまま間髪をいれず

    ただし破れぬよう手首をしならせながら
    優雅に水面をめくってしまう。


    どんな世界が垣間見れるか

    それは
    めくってからのお楽しみ。

    水面十色、
    同じ景色はふたつとない。


    なお、この方法は
    同じ水面に一度しか使えない。

    めくりに失敗してしまったら
    もう仕方ない。

    そこは諦めて
    別の水面に挑戦してみるんだね。
     

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    • Tome館長

      2014/05/24 16:09

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2013/09/25 17:29

      「しゃべりたいむ・・」かおりさんが朗読してくださいました!

  • 水の底

    2013/09/24

    愛しい詩

    ゆれる影絵は
     湖に

       浮かぶ小舟の
        男と女


    そろいの浴衣
     はだけては

       ほどけて逃げる
        蛇の帯


    舟べり ゆれて
     櫂 はずれ

       ぬらら ぬるらら
        沈みゆく


    どこまでも
     ああ どこまでも

       深い 深い
        水の底
     

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    • Tome館長

      2014/05/24 02:51

      「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2014/05/24 02:49

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • なげやり

    2013/09/22

    愉快な話

    ぼんやりしてたら
    投げ槍が頭に刺さっちまった。

    ふん、
    どうでもいいや。


    こんなの引き抜いて
    あっちに向かって投げてやれ。


    あっ!
    いけね。

    頭の方を投げちまった。
     

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  • な ぜ

    2013/09/20

    空しい詩

    みんな、どうしたの? 
    なぜ そんなことするの? 

    こんなことや あんなことまで
    するなんて。

    ああ、ひどい! 


    なぜ そんなことするの? 

    なにもしなくていいのなら
    なにもしなければいいのに。
     

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  • 風まかせ

    2013/09/19

    愛しい詩

    彼女は女の子で

    僕の恋人でもなんでもなくて
    もちろん片想いの相手でもなくて

    そのへんにごく普通にいるような
    ただの薄っぺらい女の子に過ぎないんだけど、

    それでも
    あんまりにも薄っぺらいもんだから

    もう
    ちょっとでも風が吹こうものなら

    あっちへフラフラ
    こっちへヒラヒラ

    頼りなげになびいたり
    あてもなく飛ばされたりして

    水たまりに落ちて濡れるんじゃないか

    空に舞い上がって
    遠くへ行っちゃうんじゃないかって

    ちょっとハラハラしたり
    ドキドキさせられたりすることも

    ないこともないというか
    あるにはあるんだ。


    もっとも

    そんな薄っぺらい彼女がどこでどうなろうと
    そんなの

    まったく恋人でも
    片想いの相手でもない僕には

    ちっとも関係ないことではあるんだけどね。
     

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  • 変な顔の少女

    2013/09/18

    愛しい詩

    図書館で偶然見つけた素敵な少女は
    とても魅力ある変な顔の持ち主だった。

    どうしてこんなに変な顔なんだろう。
    きっと異民族の血が流れているに違いない。

    イスに腰かけて生意気に細い足を組み、
    絵本を下敷きにして何か書いていた。

    こんな時、有名人だったらなぁ、と思う。
    彼女が気づいて声をかけてくれるだろう。

    家が近所だったら、行ったり来たりして
    変な顔の少女と友だちになれるのに。
     

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  • 欲しい

    2013/09/17

    愛しい詩

    欲しい。

    今すぐ
    この子が欲しい。


    拾った雑誌の
    グラビア写真を見て

    そう思った。
     

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