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  • 小さな妖精

    2016/06/10

    変な詩

    妖精がいます。

    とても小さな妖精です。

     

    肉眼では見えません。

    虫めがねでも見えません。

     

    顕微鏡だって 

    電子顕微鏡だって見えません。

     

    たとえ目に見えずとも 

    そこにいるという確かな感触。

     

    それがつまり 

    妖精です。

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  • あえがせたくて

    ここをこうして こうやって 

     

    それから おっと 

    こんなことまでやらかして 

     

    さらには 

     

    あれ それはいくらなんでもごむたいな 

    みたいなことまでやってしまって 

     

    いやいや まだまだ 

    このていどではすむまいぞ 

     

    とかいいながら 

     

    あんなところを あんなふうにして 

    あまつさえ あんなものまでもちだして 

     

    とんでもない 

    あきれはてたるしょぎょうのかずかず 

     

    なになに まだまだ これからよ 

    ほれ そのしょうこに 

     

    みよ これでもしらをきるか 

    どうじゃ どうじゃ かんねんせよ 

     

    なりませぬ なりませぬ 

    ごしょうでございます ひどすぎます 

     

    いくらがたらこでも あんまりで 

    もはや にんげんのすることではあるまじろ 

     

    やけのやんぱち ばんちゃもでばな 

    しじゅはっても えいけいびい 

     

    さきがしれる たかがしれる

    おさともしれる しりわれる

     

    これこれ なにをなさっておられまするか 

    あなた ごぞんじでござりまするか 

     

    なんと するめがいかでした 

     

    むくつけきこと せんもなし 

    これまでか

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  • 待っているだけ

    2016/06/08

    変な話

    駅前広場で待っている。

    「誰を待っているの?」

     

    約束したはずなのに 

    なかなか待ち人は現れない。

     

    この場所ではなかったのだろうか。

    「思い出せないの?」

     

    列車がホームに滑り込むのが見える。

    誰も降りず、誰も乗らない。

     

    どうやら無人駅のようだ。 

    車内にも人影は見えなかった。

     

    今、何時なのだろう。

    「時計を持ってないの?」

     

    花壇に日時計はあるが 

    空が曇っていて使えない。

     

    突風が吹き、新聞紙が舞い上がる。

    寒くて鳥肌が立ってきた。

     

    「どうして裸なの?」

    話しかけないで欲しい。

     

    ただ待っているだけなのだから。

    ここでこうしていつまでも。

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  • 白き爪

    2016/06/07

    暗い詩

    君がその 腕の先の 

    手の肌の白さより 白き爪 

     

    伸びて 伸びて 伸びきって 

    我が黒き 曲がった背に突き刺さり 

     

    潜るがごとく どこまでも 

    深く 鋭く 喰い込みて 

     

    その傷口の 赤き血の 

    にじみ したたり とめどなく 

     

    君があえぎ すさまじく

    また悩ましくも ありぬれば 

     

    今宵 命 尽くるとも 

    まこと本望にて ござります 

     

    南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

    以下同文

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  • 怒れる女王

    2016/06/06

    ひどい話

    女王様は怒っておられます。

    それはもう大変な剣幕でございます。

     

    すでに大臣の首が三つも飛びました。

    まったくもって情け容赦ございません。

     

    先ほど、女王様の激しい怒りのために 

    城の南の胸壁が崩れ落ちました。

     

    もう誰にも女王様を止められません。

    このままでは王国の壊滅です。

     

    何を怒っていらっしゃるのか 

    お心当たりはございませんか? 

     

    聞こえていらっしゃいますよね、王様? 

    まさか寝たふりとかしてませんよね? 

     

    どうか、あの恐ろしい女王様を 

    なんとかしてくださいませ。

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  • 竜巻の爪痕

    2016/06/05

    ひどい話

    ある時、ある地点で、竜巻が生まれた。

    はじめ、ほんの小さなつむじ風だった。

     

    それがだんだん大きくなり 

    とうとう竜巻と呼べるほどになった。

     

    竜巻は、もう夢中でぐるぐるまわった。

    まわることが楽しくてしかたがない。

     

    どんなことでもできるような気がして 

    独楽こまのようにまわりながら旅に出た。

     

     

    もう誰にも竜巻を止められない。

    途中、なんでもかんでも飲み込んだ。

     

    枯れ葉、棒切れ、石ころ、子犬、

    芝刈り機も自転車もオートバイも 

     

    人もクルマも家さえも 

    みんなみんな巻き上げた。

     

    それこそ情け容赦なく

    墓石も棺桶も骸骨も空に舞うのだった。

     

    竜巻は、ビー玉と宝石を区別しなかった。

    性別や年齢や美醜で人間を区別しなかった。

     

    恋愛中でも食事中でも遠慮なし。

    結婚式だろうが葬式だろうが関係なし。

     

    道徳や宗教や法律なんか知りもしない。

    ただもう気まぐれに暴れまわるだけ。

     

    悲鳴も叫びも祈りも聞こえず 

    聞こえていたって気にするもんか。

     

     

    さすがに暴れ疲れたか、満足したか 

    やがて竜巻は、天に昇って消えてしまった。

     

    その深く鋭い爪痕を 

    大地と人の心にくっきり残して。

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  • いらない商売

    2016/06/04

    論 説

    いらない商売が増えているような気がするのだが 

    セールスぎらいな私の気のせいだろうか? 

     

    もしそれが必要とされる商売なら 

    わざわざ売り込まれなくてもこっちから探す。

     

    もし必要でないとしても便利な商売なら 

    余裕あれば使ってみるかもしれない。

     

    もし必要でも便利でもない商売なら 

    たとえ売り込まれてもいらない。

     

    時代にそぐわなくなった商売もあるだろう。

    時代を追い越している商売もあるだろう。

     

    しかし、一番ありそうな理由は 

    とにかく商売しないことには自分が喰えないから。

     

    限られた市場におけるパイの奪い合いなんか 

    なんだかんだ言い訳したところで、まさにそれ。

     

    その商売の社会における必要性や利便性は二の次。

    最悪、詐欺でも暴力でも博打でもかまわないわけだ。

     

    表現として身も蓋もないが、これはつまり 

    いらない人間が増えているせいではなかろうか?

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  • 余計な親切

    2016/06/03

    空しい詩

    いかにも良さそなことやろうとして 

    ろくでもないことする人いるけど 

     

    あれ、やめて欲しいな。

     

    迷惑さえかけなきゃ 

    それで十分だよ。

     

    高望みは愚の骨頂。

    余計な親切、お節介。

     

    放っときゃいいのさ、おっかさん。

     

    なるよになるって 

    世の中は。

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  • 難問

    2016/06/02

    論 説

    ここに輪になった数珠があります。

    それぞれの珠は、1から始まる自然数のどれか一つを意味します。

     

    3個の珠による数珠の場合、[-1-2-4-]という配置なら 

    単独または一連の珠の組み合わせにより 

    [1][2][1+2][4][1+4][2+4][1+2+4]と1~7までの数が表せます。

     

        1

     4

        2

     

    このようにつながった珠の組み合わせにより

    1から順番に最大数まで表せる数珠の配置を

    4個の場合、5個の場合、6個の場合・・・・と考えてみてください。

     

     

    ※ 詳しくはこちら

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  • 珍しい生き物

    2016/06/01

    切ない話

    珍しい生き物を見たくないかい? 

     

    その変な鳴き声とか 

    その特有の匂いとか 

     

     

    えっ? 

    興味ないの? 

     

     

    ふーん 

    そうなんだ 

     

    よく知っているものにしか 

    心が動かないんだ 

     

     

    ううん 

    ちょっと意外だっただけ 

     

    それに

     

    その生き物が 

    ちょっとかわいそうな気がするだけ

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