胸騒ぎ
2015/02/05
わたくしは水玉模様の日傘を差して砂漠におります。
時折りに移り変わる蜃気楼の景色を眺めながら
どうしようもないくらいに今、胸騒ぎがしております。
巨大な砂時計の底に置き去りにされたみたいな
こんな己の他に誰もいない世界の果てにいると
それほど悪いこともしていないはずなのに
いえ、悪いとか良いとかの問題ではなくて
慣れ親しんだ人々の営みから隔絶しているというこの状況が
ありもしない幻の監獄に囚われ
ありもしない幻の罪業に責め苛まれる病人のように
根本的に見当違いなあり方ではないか
という気がしてくるのです。
「もう諦めて、帰ってきなさい」
そのような幻聴すら
やはり時折りに聞こえてくるのです。
なんの根拠もない
ただの胸騒ぎであれば良いのですが・・・・
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