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2009/03/22
ひとりぼっち
昼休みの校庭のすみっこで
なまいきな男の子たち
かわいい女の子たちがつくる
にぎやかな色の
おもしろそうな形の
遊びの輪を
校舎の壁にもたれて
ポツンと眺めてた。
楽しそうだった。
なにが楽しいのか
よくわからなかったけど
楽しそうだった。
ぼくが近づくと
あの遊びの輪が
はずかしそうに
ほんのすこし切れて
その隙間にするりと
なんの迷いもなく
みんなと同じように
入り込めたら
きっと
きっと素敵だろう。
そう思ってた。
なのに
遊びの輪ときたら
ぼくが近づいたくらいじゃ
なかなか切れなくて
うまく入り込めなくて
ちっとも楽しくなくて
そのうち
午後の始業チャイムが鳴ると
ちょっと悲しくなるくらい
ホッとするのだった。
2009/02/20
砂浜の波打ち際
朽ちた流木のすぐ近く
陸に寄せる波に
押し上げられたり
海に戻る波に
引き下げられたり
それが気持ちよくて
やめられず
他人の視線など
気にする余裕もなく
笑ったり叫んだりしながら
繰り返し繰り返し繰り返し
心ない人に捨てられた
空き缶みたいに
いつまでもいつまでもいつまでも
転がり続けているのは
まだ少年だった頃の
私です。