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2013/05/21
その家は狭い坂道の途中にある。
木立に隠れそうな小さな家。
屋根も壁も草に覆われている。
玄関の扉は施錠もされず、
かつて住んでいた家族の靴が残る。
二階の窓は暗く閉ざされ、
そこに幼い姉妹の姿は見えない。
うつむいて泣いていた妹、
立ちつくしていた姉。
どこへ行ってしまったのだろう。
軒下に吊るされた風鈴が
ただ寂しく鳴るばかり。
2013/05/18
空は高く
海ひろく
大地は緑
人の影なし
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2013/05/01
大空を飛べる翼が
欲しい
と、君は言う。
そりゃ
僕だって
欲しくなる時はあるよ。
もっと自由になりたくてさ。
でもね、
それが
逃げるための翼なら
僕はいらない。
辛くなったり、
苦しくなったり、
もうどうにも
やり切れなくなったら
さすがに僕だって
欲しくなるだろうけど、
それでも
やっぱり僕はいらない。
だって
たとえ
どんなに空が広かろうと
また
どんなに空が明るかろうと、
このどっしりとした地面
この緑豊かな大地
こんな大切なものを
見限ってまで
生きていたくはないもの。
2012/11/29
雪が降って
降って 降って
雪が降り積もって
雪が降って 降って
降って 降って 降って
いつまでも
雪が降り積もって
雪が降って 降って 降って
降って 降って 降って 降って
どこまでも
雪が降り積もって
あの頃の僕と
あの頃の僕の思い出を
屋根より高い積雪の下に
深く 深く
埋めてしまうのです
2012/11/09
カワイイなら底浅く
カッコイイのは上っ面
無闇な元気は疲れるし
意味ない明るさ
白けちゃう
酸いも甘いも噛み分けた
大人の魅力
今いずこ
2012/11/07
水たまりは
昨夜の雨の
心残り
流せぬ想い
映します
2012/09/27
印象のない街角で待っていた
通り過ぎてゆく顔のない人々
誰もかれもさびしそうに見える
手首にすがるように立ち去る
針をなくした腕時計たち
嬉しくも哀しくもない思い出
話しかけたりしないで欲しい
待っているだけなのだから
いつまでもいつまでも
ずっとこうして
こうやって
2012/07/10
波に乗る猿ではない。
虎に従う狐でもない。
ひとりぼっちの渚で
誰も聴いてくれない
下手なギターを爪弾いたり
誰も眺めてくれない
砂の城をこしらえたり
誰も読んでくれない
手紙入りボトルを流したり
そんな事をするだけの
なんだかよくわからない
変な
こいつ。
2012/06/19
ハア・・・・
ため息ばかり・・・・
しあわせが
逃げてゆくかもしれないけど
逃げたくなるような
しあわせなら
そっと
逃がしてやろう。
2012/06/05
春告げ鳥が
逃げてゆく
追いかけて
なにをしようと云うのでせう
なにをしたいと云うのでせう
とって喰えるわけじゃなし
啼いて甘えるはずもなし