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2011/08/02
懺悔します。
私は人殺しです。
この手を直接くだしてはおりません。
けれど結果として、同じことです。
ひとり私が生きるため、
多くの命を奪わねばなりませんでした。
飢えず、苦しまず、快適に過ごすため、
これまで多くの犠牲が捧げられたはずです。
それらは、ひとり私のためだけではないでしょう。
多くの私と同様な人々のためでありましょう。
おそらく、それは仕方ないこと。
いくら探しても、他の選択肢はなかったのでしょう。
しかし、事実は事実です。
数の多少、濃度の差異ではありません。
いくら着飾っても、罪人は罪人です。
後ろめたくて当然です。
それだけです。
私の懺悔は以上です。
お城の中の汚れを知らないお姫様、
そんな役を続ける気には、とてもなれません。
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2011/06/18
とても意地悪な継母が
とても大きな鎌を研ぎながら
とても落ち着かない僕の枕元で
とても奇妙な子守唄を
とても嬉しそうに 歌っています。
とても眠れそうにありません。
2011/05/13
なんにもなれなかった。
棋士にもなれなかった。
画家にもなれなかった。
なんにもなれなかった。
科学者にもなれなかった。
漫画家にもなれなかった。
なんにもなれなかった。
詩人にもなれなかったし、
作家にもなれなかった。
なんにもなれなかった。
天才にもなれなかったし、
秀才にすらなれなかった。
サラリーマンにはなれたけど、
嬉しくもなかった。
そのうちサラリーマンもやめてしまった。
やめてしばらくして
またサラリーマンになったりしたけど、
やっぱりやめてしまった。
なんにもなれなかった。
作曲家にもなれなかったし、
作詞家にもなれなかった。
なんにもなれなかった。
哲人にもなれなかった。
仙人にもなれなかった。
このまま
なんにもなれないまま
死体になって
お骨になって
でも仏にはなれなくて
きっと幽霊になったりするんだろな。
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2011/05/12
ポタッ ポタッ ポタッ ・・・・・・
冷たい水の雫が
私の額に落ちてくる。
いつまでもいつまでも
限りなく・・・・・・
縛られて動けなくて
目も見えない。
耳さえ聞こえない。
眠りたいのに眠れない。
眠れないから眠りたい。
眠りたいけど眠れない。
おんなじことの繰り返し。
そういう類の拷問があるということ
昔、本で読んだことがある。
こんなふうに苛める方法
いったい誰が考えたんだろう。
あるいは
私かもしれないけど・・・・・・
ポタッ ポタッ ポタッ ・・・・・・
2011/05/03
目に見えず
音もなく
地下に流るる
水脈は
地上の日照りに
かかわらず
世間の風に
波立たず
地中深く
井戸掘る者にぞ
得させてん
2011/03/23
生きる為に殺すやら
殺す為に生きるやら
戦火の村を逃れても
飢えと乾きは憑いて来る
生きる為に悩むやら
悩む為に生きるやら
戦火の村に戻れども
父も母も戻らない
2011/02/22
私は貴方を殺し
貴方は私に殺されました。
でも、私が貴方なら
私はこう言うでしょう。
貴方は私を殺し
私は貴方に殺されました、と。
所詮、言葉はたとえです。
そこに真実はありません。
死が死体のどこにもないように
悲しみもまたありません。
これら言葉を発する私の中
これを受ける貴方の中に
ただあるばかりです。
2011/02/20
非常ベルが鳴っている
それはもう疑いようもない
生まれるべきでなかった子ら
弱く貧しく飢えた子らを
守ってる場合じゃない
死ぬべき人々
老い病み犯された人々に
救いの手を差し伸べてる状況じゃない
ただひとつ生きるだけのため
多くの命を奪う定めの者たちよ
あの音が聞こえないか
聞こえないのか
2009/03/17
ぽたぽたぽたと しずくが落ちる
なみだにしては ちと赤い
2009/03/11
ねえ、あんた。ねえったら。
あんた、どうしたの?
あたしを置いてきぼりにしてさ。
もう、いやんなっちゃうな。
せっかく、ふたりっきりなのに
あたしも一緒に連れてってよ。
ねえ、もしかして、あんたったら
あたしのこと忘れちゃったわけ?
ポンポンって肩を叩いてやらないと
思い出してもくれないわけ?
こんなに近くにいるのに、
こんなに触れ合ってるのに。
それとも、ひとりで行きたいわけ?
ひとりで勝手に行って
残されたあたしなんか、どうでもいいの?
あたしのこと、なんだと思ってるの?
だめだめ、そんなのだめ。
全然信じられないよ。
あんた、ちょっとおかしいよ。
ううん、すごくおかしいよ。