Ray Sanada

グラフィックデザイナー

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東京都豊島区

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  • テレビの現場から学ぶ♯10〜責任〜

    テレビの現場から学ぶ10は、
    「責任」についてです。

    なぜ、責任について書こうと思った
    かというと…。

    テレビ制作では、責任の所在を
    押し付けあうということが、
    一般の業界と異なり、劣悪…だからです。


    以前バラエティーやドキュメンタリー
    以外でも通販番組を担当させていただいたときが
    あって、そのときの責任の押し付け合いといえば
    まるで「カイジ」の世界のように
    泥沼であがいているような感覚でした。

    その時の状況といえば、

    予算は低予算、編集は長引く(予算ウン百万OVER)
    番組立ち上げ、幽霊プロデューサー、デザイナー(フリップなどの)への
    発注予算無し、
    中心メンバーたったの4人。

    →AD(僕)、営業兼AP、初老のじい、ディレクター二人(一人は途中で挫折)

    二人いたディレクターは、
    一人は、激務と責任の重さに血尿で辞退(無給)、
    もう一人のディレクターは、
    二人分の仕事量を背負い込むことに。。

    その時、僕はというと、ADでは、ありましたが、
    なぜか、ディレクターに指示する立場(普通はおかしいですが。。)
    プロデューサーに「お前が教えろ!」と
    頭ごなしに言われたからでした。なんか変です。

    最初は、一人のこったディレクターさんに
    がんばってもらおうと前向きでしたが、
    教えているうちになぜか違和感を感じてきました。

    なぜか話を理解されない。。。

    なんと、プロデューサーが雇ったディレクター
    はCMディレクターで、TVのディレクターでは
    なかったのでした。

    映像だから一緒だろうと思うかも
    しれませんが、TVとCMではまったく異なります。

    まず忍耐力がTVについていかないし、
    スピードにもついてゆけない。。

    TVのディレクターでさえ
    一人で二人分こなすの
    は不可能な量(一ヶ月でVP12本文カンパケ相当の仕事量!)


    しかも、代理店の部長クラスの方が
    絡む仕事で、会社の命運もかかっています。


    プロデューサーに相談したくても
    幽霊プロデューサーなので、
    制作の最後の最後の段階でしか現れません。

    どうにか
    僕とDと営業とじいの四人で仕事をまわすしか
    なかったのです。

    不可能を可能にしようとみんな
    がんばりました。

    しかし13日間連続の徹夜(仮眠はとっています)
    さらに追い討ちをかけて低予算のせいで
    僕がデザインまでしなければいけない状況。

    とうとう僕は、過労で救急車で運ばれてしまいました。

    それでも「鬼」なのがTV。。
    僕は、点滴をうけ一日の休養のみで、
    現場へ。。。もうぼろぼろでした。

    風呂にも入らず
    みんなホームレス状態。
    そして、責任の押し付け合い。

    「お前があそこでミスをしたから」
     
     闇金口調でディレクターに
     「いつ出来るんですか?○時間でできるっていいましたよね?
     言ったらやってもらわないと困りますよ」
     
     Pが出現する会議の場では、ディレクターは、失敗を
     僕のせいに。
     
    など様々。

    最終的に映像の責任はディレクターにあるため、
    僕と営業とじいは、三人でディレクターを
    攻め立てました。一人で出来る量では、無いのに
    「出来る」という言葉を出させて、
    のちのちまで「出来るって言ったよね?」
    と攻め立てるのです。

    今考えてみると、僕の性格上普段そんなに
    感情を抑えられなくなることは無いのですが、
    そのときは、特殊でした。

    結局のところ、責任を押し付けたディレクターは、
    責任の重さゆえに
    涙をながしながら「僕には出来ません。すいませんでした」
    とみんなに告げて逃げ出してしまいました。
    その時のディレクターの涙は、今でも忘れることは
    できません。
    ディレクターは、今考えると「死」に直面していたのではないか
    と思います。
    体中ができものだらけになっていましたから。


    そのあとが、もっとひどい。
    のこった編集は、
    僕と営業がやることに(じいは半逃げ状態)

    すべての責任がぼくと営業二人に
    かかってきたのでした。

    編集は長引き、
    怒り狂ったプロデューサーが登場。
    怒号飛び交う中で編集。
    プロデューサーは
    「知らんぞこんなの!」と怒号。
    「仕事やぞ!はよやれやコラ!」と怒号。
    「お前らの責任じゃ」と怒号。
    とにかく叫びまくっていた。

    …と。
    でも、最後はみなぼろ雑巾のようになり、
    生死の境でなんとか映像は完成しました。


    この仕事がおわり感じたのは、

    仕事は、時として
    責任という名目で
    命を落とさせかねない
    ものへと変化するもの
    だと。

    もっと言えば仕事は人を殺すのかと。


    そんなことでした。






    今回少し重くなりました。









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  • テレビの現場から学ぶ♯9〜コミュニケーション〜

    お久しぶりです。CB。
    今回は、大きくコミュニケーション
    についてです。


    ロケ→撮影→編集
    というながれで映像制作は
    進んでいきますが、
    制作を進めていく段階段階で
    いろいろな人と会い
    コミュニケーションをとっていく機会が
    一般の仕事に比べて
    多いのがテレビの現場である
    と思います。

    そのような環境下では、
    いろんな柵もありますし、
    勘違いや、トラブルも多々起こります。

    そんなこんなで、制作が進んでいない
    ということも多々ありました。

    それらの点で
    僕がテレビ業界に入って
    一番、
    他業界と違和感を感じたのは、

    ▽「お客なのにどうして、へりくだらなければならないの???」

    という点でした。

    というのも、
    例えば、編集では、
    オペレーターさんに口頭で伝えながら
    リアルタイムに映像を作っていくの
    ですが、その際
    オペレーターのレベルによって
    こちらの対応も変えていかなければ
    ならない。

    簡単に言えば、
    オペレーターのご機嫌を
    損ねないようにしなければならない
    ということです。

    「制作会社は、編集所に
    多額のお金をはらって
    編集に望むのだから、
    当たり前のように
    オペレーターは最大限の
    センスとスピードで
    作業していかなければ
    ならないだろう」
    と入りたての頃は、
    うわ手に出るようにしていました。

    「だってこっちは客だろ」

    と。

    しかし、それではうまくいかない。
    オペレータの機嫌を損ねるばかり
    か、作業にまで支障をきたします。

    自分のやり方の間違いを感じて、
    少しした手にでるように、
    しました。
    失礼な言葉ではありますが
    アメとムチを利用するようにして
    進めるように変えました。

    すると、
    今までより
    制作がスムーズにいく。
    より良いものをつくってくれる。


    そう、「こっちは客だから」
    とう考えは、
    なにも良いものを生み出さないんだと
    気付かされたのでした。

    みんなでこの番組を作っている
    という感覚を持つことが大切
    なんだと、再認識しました。

    しかも、
    した手にでてお得なことは、
    相手が引き出しを出してくれる点です。
    その引き出し(知識)を
    吸収することで、
    自らも経験を積み重ねてゆける
    という良い循環もうまれます。

    テレビに限らず、
    他の業界でも
    たとえこちらがクライアント
    だったとしても
    「こっちは客なんだ!」
    なんて考えちゃだめなんだろうなって
    気付かされたのでした。



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