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2024/05/21
ご来場いただいたみなさま、
遠くから応援いただいたみなさま、
4日間ありがとうございました。
毎年このように個展を開催できることは当たり前のことではないと思っています。
日頃から応援してくださるみなさまに感謝です。
よく、アーティストなどから「みんなのおかげ」という言葉が発せられると思いますが、これにはそのアーティストによって多様な意味が含まれると私は思っています。私の場合は、締切がないと焦らないし、作品が売れないと作品を描けないので、「みんなのおかげ」で描き続けられているのだと思います。
ずっと前の個展のあとがきで、見てくれる人がいなくても作品は生まれるが、見てくれる人がいるから意味が生まれるというようなことを書きましたが、ここまで、紆余曲折を経ながらこんなにも続けてこれたのは、やはり見てくれる人がいるからこそだと思うのです。駆け出しの頃は、「やめることのほうが難しい」と思っている時期もありました。今は続けることの難しさを感じます。それでも私は今のところ絵を描いていたいなと思っているので、どうにかこうにか、応援してくれる人たちと共に歩んでいける方法を模索しています。
今回の展示についてのお話を少し。
タイトルの「バランセ」はクラシックバレエの用語から。一見簡単に思えますが、ただゆらゆらしているだけでなく、たくさんの技術が隠れています。基本ができることで、派生した様々な動きができるようになるのです。また、チャコットの公式ホームページには「とにかく体全体を踊らせるように。自分のまわりの空気をより多くかき回せるように動いてみましょう。」と書いてあります。私の生き様もそのようであれば良いな、そのような軽やかな気持ちで生きていきたいという想いを込めてつけました。
メインビジュアルの黄色い花は「金蘭」という花です。
今回の展示はずっとメインビジュアルが決まらず、直近までDMが作れないという有様だったのですが、悩んだ末にこの絵がピンと来て良かったと思っています。
実家の近くの森に咲いているのですが絶滅危惧種に選定されてる花で、どこにあるのかは秘密です。そんな金蘭の花言葉は「眠れる才能」。
眠れる才能が秘密の花だなんて、なんだか少し皮肉を感じてしまいます。
こういった話を展示前にすればもっと興味を持ってもらえるのかなとも思うんですが、そもそもこういう話は展示場の中で生まれる会話から考えたりすることも多いです。そういう意味でも皆さんのおかげで、この文章が生まれています。
さて、今後の話ですが、しばらくは関東での個展はお休みしようかなと考えています。
お誘いいただいた企画展とかには参加しているかもしれませんが…
自主企画の個展はまた3年後ぐらいに開催できたらいいな〜という気持ちです。
というのも、作品をご購入いただく方は遠方の方が多く、箱を借りて展示するよりももっとECサイトの写真を増やしたり、SNSでの作品紹介を充実させていく方が、今の私には良いのではないかと考えているからです。
しかし私は締め切りがないと焦らない人間…なので、半年に一度ぐらい新作発表会のようなものをWEB上でして、新作を追加していけたらと考えています。
展示の度に現地に足を運んでくださる方もいます。
花と緑の空間に癒されると言ってくださる方、忙しい日々の羽休めに来てくださる方、貴重なお休みを使って私の展示に来てくださるということに、私は言葉を尽くしても感謝を伝え切る事ができません。何のために展示をやるのだろうと考えた時に、私はそういう人たちのためにやっているのかもしれないなあと思っています。なので、「もうやらない」ではなくて「またいつか」というのは絶対の約束です。パワーアップした私の空間にまたよければ遊びに来てください。
初めて絵画が売れてから5年、今年で6年目です。
ずっと"絵描き"ではありましたが私は絵が売れたことをきっかけに画家と名乗り、名乗る責任を持とうと決めました。
10年目、20年目、どんな景色が待っているのか、私がまだみなさんの前で画家と名乗っているのかは正直わかりません。
でも、どんな名前でも良くて、私はずっと私として存在しているのだと思います。
あと何かしらはきっとつくって発信し続けてるんだと思います。
たくさんの創作者がいるこの世の中で、私を見つけてくれてありがとう。
これからもよろしくお願いします。
個展「バランセ」【終了しました】
2024/05/03(金)〜2024/05/06(月)
Gallery IRO room3