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2022/06/25
個展「planet」お越しいただきありがとうございました!
2週間に渡り週末展示をさせていただき大変勉強になりました。
数年ぶりのしっかりした個展ということでとても緊張しましたが、
いろんな人の支えのおかげで楽しく過ごすことができました。
GALLERY IROさんとは私的にすごく不思議な縁があるなと勝手に感じていて、私の節目節目になにかとお世話になっています。そもそも、ギャラリー自体を知ったのも個展の会場を探していた時で、結局その時は予算や場所の都合で違うギャラリーさんにお世話になりましたが、その後、企画展に参加させてもらううちに、やっぱりいつか此処でやりたいなという気持ちは大きくなるばかりで、そんな目標だった個展をギャラリー企画としてやらせてもらえるなんて本当に嬉しかったです。
今回の個展を通して、ちゃんと応援してくれてる人がいることを改めて感じて、悩むこともまだまだあるけれど、自信を持って自分がよいと思う絵を描いていこう!ますます邁進していこう!と改めて自分の中で決意ができました。
少し前から、絵画だけで生きていくって具体的にどういう生活なんだろうと考えていました。今回、展示していた作品の半分ほどをご購入頂いて、見えたものがありました。本当にこれは私としては大きな出来事でした。これを、これ以上を、ずっとずっと続けていくという事なのだ、というのが現実として私の前に現れました。
クリエイティブな事柄は、まず売れる云々よりも創作を続けていくこと自体が難しいと言われますが、ただ続けていくことはきっと今の私にはできます。だってもう随分と続けてきたので。多少の形は変われど、作品を作り続けていくことはできるでしょう。
でも私、今回、かなりハイペースで制作をして。絞って捻って悩んで、いつもよりボツも沢山生成したし、検討したし、全力投球だった。どうやって息継ぎすればいいのかわからなくて、とりあえず走り続けたので今はグッタリしてます。わはは。だからこそ、これを、こんな生活を、私はずっと続けていけるのか?という初めての感情が生まれました。
絵でこの先もやっていけるのかもしれない、というステージにあがったからこそ生まれた感情。希望。本当に嬉しくて。やってみたい。挑戦してみたい。
今はそんな気持ちでいっぱいです。
DMなどのプロフィールにも書いていましたが、近ごろは豊かさとは何か、を考えています。
例えば道端の花を美しいと思えたり自分で収穫した野菜を食べたり。
そういった事に気づけること。それってとても素敵な事だなと改めて思っています。
今回の展示の前に《籠》を描くために温室に取材に行きました。
そこで私は温室の持つパワーに圧倒されて帰ってきました。
《籠》を描いてるのと同じぐらいのタイミングで、イロさんから今回の展示のお声をかけて頂き、イロさんの空間の持つ、陽を浴びた暖かみや、秘密基地っぽさ、そういう空間を活かして、私なりの温室を作ってみたいな!と思って今回の展示のふんわりとしたイメージも決まりました。
《籠》はコンペに出すために描いたのですが、そのコンペでなにかに引っかかることは叶わず、テーマ的にも地続きなのでそのままスライドして今回展示する事にしたのですが、結果的にイロさんで展示させてもらえて良かったなと思いました。
特に印象に残っているのが「こういう大きい絵を飾れる家に住むために私たちも頑張ります、だから描き続けてくださいね」と《籠》を見て話してくださった方々がいらっしゃったことです。将来の夢に私の絵も組み込んでもらえているんだ…と感激しました。他にも「いつかこういう大きな絵を飾りたい」と言ってくれる方は何組もいて、嬉しかったです。
《籠》は50号の大きめの絵で、日本の住宅事情では50号サイズの絵を飾るのが難しい場合が多いのは私たち作家自身も重々承知です。ですが、リモートワークが進んでいく中で、仕事の仕方や居住事情も多様化していっているのをこういう時に肌で感じます。歳を取って地方に移るだけでなく、若いうちから地方に住む、そういう選択肢が広がっていく中で、私の大作を家に飾る想像をしてもらえたことが嬉しく思いました。普段、自分が扱いやすいのと手に取ってもらいやすいという理由でF0号付近の小さめの絵を中心に描いていますが、大きい絵は自分も勉強になりますし、小さい絵とは違った気合いが入るので、これからも臆せず描き続けたいと思います。そういう勇気をもらえました。ありがとうございます。
冒頭にも書いたように、いま、作品やグッズを手に取ってくれる方、声をかけてくれる方がいるから私はこれからも続けていこうと思えるし、大きい絵にも挑戦しようと思えます。ただ続けていくことはできますが、希望を持って続けていけるのは本当に支えてくれるみなさんのおかげだと思います。
私の好きな本に「ぼくを探しに」(著・シェル・シルヴァスタイン)という本があります。
少しぐらい欠けている事、それを自分で認めて、許して、自覚する。
そうするとお花を愛でたり蝶とお話しする事ができる。
道ゆく誰かと出会うこともできる。
頑張るみんなが、日々の暮らしで少しでも余白を感じてもらえる瞬間、
私の絵も誰かにとってのそういうものであればいいなと願っています。
個展「planet」 【終了しました】
会期:2022年6月8日~12日、17日~19日
会場:GALLERY IRO