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  • 【後記】個展「夜明け前のメメント」

    2019/05/20

    活動記録

     

    ご来場いただいたみなさま!ありがとうございました!

     

     

    2015年の個展は展示というか個展という名のワンマンライブペイントだったので、

    それを除くと実に2014年のギャラリーY西荻から、約5年ぶりの個展でした。

     

    入り口に掲示していた<ご挨拶>にも書いたのですが、

    平成が終わると決まり、私の中で確実にひとつの章が終わりへ向かっていった感覚があります。

    終わったというより完結した。というほうが近いかな。第1部、完。

    そんな年末、いろいろな展示が少しずつ決まり、「あ、進めるぞ」と感じた。

    今までの自分と別れるわけではない。生まれ変わるような変化があったわけでもない。

    でもこれからと今までに明確な線引きが必要だと思ったときに、

    ふと個展をやろうと思いつきました。

     

    作品としては大学受験~搬入当日(!?)までの約10年分から。

    来場してくださった知人も高校の友人や恩師から先週知り合った方まで。
     

    結果として、やってよかったなと純粋に思います。

    私のこれまでが積み重なって出来た3日間でした。

    ああ、積み重ねてこれたんだ。良かったな。と。

    ちゃんとここまで歩いてきて、そしてこの瞬間が「今」の私なのだと。

     

    私なりに、もがいて苦しんできた時間がこうやって返ってくるなら

    やっぱりこの先もずっと絵を描いていきたいなと思いました。

     

    そのために、また一歩を積み重ねていきます。

     

    この瞬間を目撃してくれてありがとうございます。

    これからも応援よろしくお願いいたします。

     

     

    おおばさくら

     

     

     

     

     

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    ここから下はコラムという名の蛇足。

     

     

     

     

    そういえばずっと前に友達と  絵画は何も救わない  って話をしたときに、じゃあなんで現代にも存在するんだろう、写真だってあるのにって考えてたんだけど、絵画って芸術だけど現代もなお"記録"かなって…  考えたり感じたり見たり聞いたりした「五感の記憶の記録」。展示を思いついた時、そんな事を考えていました。

     

    「夜明け前のメメント」ってね。そのままなんですが。つまりここから先は夜明けなんですよね、自分で宣言しちゃってるんで。がんばりまっす!って感じです。でもなんか言霊っていうか、夜があけた感じはあります。本当に去年はずっと暗闇だったから。うん、夜明け前がいつだって一番暗い。油断はしたくはないですが。太陽を受け止めていく覚悟だって必要。

     


    個展、空間を大事につくりたくて、いつも「瞬間」とか「場」について考えているから、個展も配置とか照明とか適当なようでずっと考えてたので、結果的に「居心地がいい」って多くの方に言ってもらえて良かった。前に「美術館に行き始めたのは最近」ってTwitterで呟いたんですけど、結局私もアートは敷居が高いと思ってる1人だったんですよね。お前がやってるのはなんだ?って感じですけど。
    あ、そうそう。それで、私がやってるのは何か、って考えた時、やっぱ大義ではアートだと思ったわけです。なら、全然大丈夫じゃん、って思ったら前より美術館に気軽に行けるようになった、笑。それで、もし私の個展がそんなハードルで開かれてたら嫌だなと思って。でもたまにあるじゃないですか、入り辛いギャラリー…笑。そういうのは嫌だなって。だって私と私の作品がある空間なだけで。私は自分のことをそんな格式高い人間だとは思ってないので。あ、プライドはあります!笑  だから、出来るだけ私の作品を体感して欲しいし、私って意外とオープンだよ、まあわかりづらいってよく言われるけどね。入り口は簡単だよ、みたいな。よく言われることをそのまま空間に出来たらなって思ってたので、居心地いいと言ってもらえるのは、私としては嬉しかったです。作品は私の鏡なので。

     

    作品は鏡という話で、「色んな作風を持ってる」とよく言われるのですが、それは おおばは沢山いる 事だと解釈しています。よく知れば知るほどつかめないっていわれますが、本当にそうだと思いますね(自分で言うな)。でも、結局仲のいい友達ほど「それを含めて全ておおば」だという感想になるんですけど、絵も「根底にはひとつの流れを感じる」といって頂けることが多くて、まあ、そういうことです。逆に知り合ったばかりの人にはわかりやすいといわれることが多いし、絵もそうですね。っていうか目の前にいる人間のこと、全てを理解するなんて不可能じゃないですか?分かり合いたいという理想を否定する気はないですが、私は不可能だと思っています。そういう体で目の前の友人や身近な人々と会話していますし、きっと私の周りにいる近しい人間はそういう人たちが多いような気がします。
    それらは全部前述どおりわたしが望んでいるとおりなので、まさに「計画通り」ってやつです。半分計算だし、半分はそうなってしまったところもある。人生って「そうなってしまった」みたいな要素、多すぎませんか?だから、結局そうなってしまったんですよね、たぶん。自分でも良くわかってない部分が多くて、でもずっと言ってますが、それを探すのが私の人生の旅の目的だと思っています。自分は何者なのか。あなたは誰なのか。

    最奥の空間にあとがきのような感じで掲示してたものにも書きましたが、私の絵に対してどう感じるか解釈は人それぞれでいいと思うし、自由に楽しんで欲しい。あなたが作品の前に立ってそれと向き合った時=私の代わりに作品が君の前に立っている状態だと思っています。そこでどんな会話をするかはその人次第でいいと思うな。
    普段の会話でもあると思うんですけど、Aと言ってもBと受け取られることってあって、でもまあCじゃないならいいや、みたいな(A≒BでA≠C的な?)。絵って伝わる時は言葉よりもうるさいって私は思ってて、なら任せちゃおって最近思ってるんですよね。それで分かり合えなくても、仕方のないことだし、わかろうとしてくれてもいいし、そこでわからんなの結論でもいい。それに、ひとりの作家の中に「好きな絵」「好きじゃない絵」ってあっていいと思う。人間にもこいつのここは好きだけど、ここは好きじゃないなって部分、あるでしょう。何かがきっかけで全てを嫌いになったり、もっと好きになったりすることもある。それって自然なことだと思うから。

     

     

    今回、人がいる時間と閑散とした時間の差が激しくて、ゆっくり話せたひととそうでない方の差が激しくて、それは申し訳なかったんですが、ゆっくり話せた人たちでおもしろいなと思う出来事があって。
    昔働いてたバイト先の子が現在働いてるところの同期の子達を連れてきてくれたんですが(ありがとうね)、3人でひとつの絵に対してずっと話し合ってるんですよね。違う人と話しながら横目で見てて面白くて、あとで話を聞こうって思ってました。話を聞いたら、全員少しずつその絵についての解釈が違うんですね。それで「どれが合ってますか」と聞いてくるわけです。その心理はとてもわかるし、ライブペイントをしててもよく言われる。前にも記事にしたけど。
    鑑賞者の解釈について、正解を持ってるかどうかっていうのは作家によると私は思っていて、私の絵についての「解答」は上述のとおりなので、その場でももう少し簡単にそういうことを話した(つまり、正解はなくてその人に任せてる、たくさんの正解から自分の正解を探すこと自体が私のしたいことという旨)。それでも3つからどれが近いと求められ、私は「どれも少しずつ正解だし、どれも少しずつ私の考えとは違う」と答えたんですが、それに対して「やさしいですね」って言われたのが意外だった。
    私にとって生きてて「答えをはぐらかされること」は優しさではなく少しの厳しさを感じることだから、本当は素直に「答え」みたいなものを彼らに渡したくて、しかも答えを渡すこと自体は簡単なことなんですよね。でも絵に向き合って感じたことが私は正解と思って欲しい。いつでもそう思ってて。だからはぐらかしたんだけど、「やさしい」っていわれて、やっぱり「優しさ」すらひとぞれそれだなと感じた(笑)。
    でもね、「どれも少しずつ正解だし、どれも少しずつ私の考えとは違う」というのは本当に本当だということは信じて欲しい。優しさというか、この空間が「正解!」と思ったんだよ。そう、この会話のやり取り全てが、私の普段からしてる思考実験で、確かめたいことで、伝えたいことで、大切にしたいことで、真実だったから、ここに記しました。文章が下手でうまく伝わらなかったかもしれないけど、こういうこと。なんです。笑


    そのほかにも沢山面白いことはあって、ああこの空間が本当にみんなによって「夜明け前のメメント」になったなあと思って3日間過ごしていました。記憶であり、記録だった。3日間はもちろんだけど、その前の準備や告知、搬出、家で梱包しなおして、絵をいったん収納して、この文章をちゃんと記事として書き上げて。当日関わった人、ずっと手伝ってくれた人、来れなかったけど連絡くれた人、告知をたくさんRTしてくれた人、準備の相談乗ってくれた人、ずっと不安を見届けてくれた人、その事象ひとつひとつ全てが私にとってこの展示の作品の一部でした。

     

     

     

    全てが正しくて全てが間違っているこの世界で、
    私の、私たちの、キミだけの、「 」を抱えて、
    いつか交差点がぶつかったときにまた会いましょう。

     

     

     


    2019年5月24日追記 おおばさくら


     


     

     

    おおばさくら個展「夜明け前のメメント」【終了】

     

    □会期:2019年5月17日~19日

    □会場:Gallery NIW [HP]

    □告知ページ:http://creatorsbank.com/prnmgmg/diary/39085

     

    ♪Thanks Image music list.

    アッシュ - 神様になった日 - The Way I Am (Slushii Remix) - Losing It Over You (feat.Ayme) - コバルトブルー - 月に負け犬 - オンリー ロンリー グローリー - All You Need to Know (feat. Calle Lehmann) - Christ Person, Woman God - SOS (feat.Aloe Blacc) - ラストシーン - デカダントタウン - first song(at the terminal) - アン・イノセンス - 深夜高速 - 命にふさわしい - 多数決 - 怪盗・窪園チヨコは絶対ミスらない - ツキナミ - Growing Pains (Justin Caruso Remix) - 心呼吸 - アンノウン・マザーグース - リリリピート - A Walk - Outro - TODAY - 鐘泣く命 - drama - シンフォニア - Fighter - 林檎もぎれビーム! - メテオ - ハイドアユートピア - ウタカタ永焔鳥 - 心と体 - 忘レモノ - 夕暮れちゃちゃちゃ

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