きこり
2012/11/01
森のはずれ、
切り株に腰をかけ、
きこりが休んでいました。
そこへ
木の実を抱えて
リスがやってきました。
「きこりさん、お食事はすみましたか?」
「いいえ、リスさん。まだですが」
「それでは、木の実を食べてくださいな」
いくつか木の実を地面に置くと
そのままリスは走り去りました。
「いやはや。妙なことがあるものだ」
首をかしげながら
きこりは木の実を食べます。
やがて
さっきのリスが
戻ってきました。
「きこりさん、お食事はすみましたか?」
返事はありません。
きこりは消えていました。
帰ってしまったのでしょうか。
不思議そうに
リスは首をかしげます。
きこりが座っていた切り株から
新しい芽が出ていました。
まるで首をかしげたような
その小さな木の芽。
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