手遅れ
2015/08/11
気が遠くなるほど昔
まだ豚に翼が生えていた頃のお話。
でなかったら
これから起こるかもしれないお話です。
海原と大地は天にあり
大空は眼下に深く
どこまでも底が抜けておりました。
それにもかかわらず
絶大な権力を持つ王の統治下
生きんとするものは殺され
死なんとするものは生かされ
満たされぬ日々の暮らしが
子々孫々と続いておるのでした。
そんなある日の昼上がり
女の子なのに男の子が言いました。
「天地が逆さまだよ」と。
しかしながら
そんなもっともらしいこと
今さら言われても
すでに手遅れなのでした。
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