Tome Bank

main visual

Tome館長

m
r

Tome館長

CREATOR

  • 3

    Fav 1,206
  • 9

    View 6,102,201
  • p

    Works 3,356
  • 狐の嫁入り雨

    光のどけき春の日に

      雨が降ります
       雨が降る


    涙の雨ではあるまいか

      いえいえ あれは
       狐の嫁入り


    人に見せてはなりませぬ

      見せてはならぬ
       花嫁御陵


          ほれ 虹が
     

    Comment (2)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
    • Tome館長

      2013/05/31 16:15

      「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2012/11/26 22:40

      「こえ部」で朗読していただきました!

  • タカシくん

    あのね、タカシくん」
    「なーに? 先生」

    「タカシくん、この問題とける?」
    「えーと、ちょっと待って」

    「待つわよ、タカシくん」
    「うーん。難しいな」

    「がんばってね、タカシくん」

    「もしかして、反転するのかな」
    「タカシくん、いけないわ」

    「だって、ここが交点だもん」
    「でもね、タカシくん。そこは」

    「わかった! 角をニ等分するんだ」
    「タカシくん、すごいわ」

    「それから、この分母を求めて」
    「そうよ。そこよ、タカシくん」

    「エックスに代入すればいいんだ」
    「すてき。すてきよ、タカシくん」

    「どう? 先生」
    「すごい、すごいわ。タカシくん」

    「先生」
    「タカシくん」

    「先生!」

    「あら、どうしたの? タカシくん」
    「先生こそ、どうしたの?」

    「なんでもなくてよ、タカシくん」

    「先生、いつも僕の名を呼ぶんだね」
    「いけないかしら、タカシくん」

    「ううん。僕、うれしいけど」
    「先生もよ、タカシくん」
     

    Comment (1)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
  • 聴かないで

    2011/06/07

    愛しい詩

    お願い。
    聴かないで。

    私の声を聴かないで。

    ああ、やめて。
    そんなに耳をそばだてないで。

    とっても恥ずかしいの。
    とってもとっても、恥ずかしいの。

    でも・・・・・・


    私、本当は聴いてもらいたい。

    私の声、恥ずかしいけど、
    あなたに聴いてもらいたい。

    でも、聴かれたくない。
    なのに、こんなに聴かせたい。

    声って、いったいなんなの?


    ああ、ダメだったら。
    そんなに真剣に聴かないで。

    なんにも言えなくなっちゃう。
    なんにも・・・・・・


    でも、違うの。
    なにか違う。

    そうよ。

    私が伝えたいのは
    声なんかじゃない。

    聴こえない声。
    声にならない声。


    ねえ、あなた。
    やっぱり聴いて。

    お願いだから、聴いて。
    私の心の声を、聴いて。
     

    Comment (1)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
    • Tome館長

      2011/06/07 12:12

      声優ごっこができるサイトこえ部の「お題」として考案しました。

  • 最後の審判

    2011/06/05

    ひどい話

    おれは偽りのクリスチャン。

    ここはパイプオルガン鳴り響く教会。

    おれは深く頭を垂れ、
    神に祈りを捧げるふりをしていた。

    やがて沈黙が訪れ、
    続いて声がした。

    「不信心者よ。わたしを見よ」

    見ると、それは神であった。
    その姿の他はすべて闇であった。

    「時の流れを止めた。ここには音も光も届かぬ」
    「はあ」

    「わたしはこれより最後の審判を下す」
    「さようですか」

    「しかし、おまえたちに最後のチャンスも与えよう」
    「それは結構なことです」

    「おまえ、最後の審判を下しなさい」
    「意味がわからないのですが」

    「おまえたちのひとりであるおまえに
     おまえたちをまかせたのだ」

    「なぜまたそんなことを」

    「わたしが審判を下せばおまえたちは消える。
     だから、せめてもの最後のチャンスなのだ」

    「そういうことでしたら・・・・・・」

    おれはつぶやいた。

    「神はいない」

    すると、世界はステンドグラスの光と
    パイプオルガンの音で満たされた。


    おれは深く頭を垂れ、

    神に祈りを捧げるふりを
    いつまでも続けた。
     

    Comment (1)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
  • 夏の雪

    もしも夏に
     雪が降ったなら

       それはきっと
        涼しかろ


    だけど雪は
     夏に降っても

       きっとすぐに
        消えるだろ


    夏に降る雪
     きのふれた雪
     

    Comment (1)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
  • 雨やどり

    降る雨に

    あわてて逃げ込む
    軒下あれど


    ふられる恋に

    あたたかく迎える
    胸はなし
     

    Comment (2)

    • ログインするとコメントを投稿できます。

      投稿
    • Tome館長

      2013/02/03 10:09

      「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださいました!

    • Tome館長

      2012/11/23 01:09

      「こえ部」で朗読していただきました!

RSS
k
k