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いらっしゃい

2009/03/19

空しい詩

ようこそ。
 いらっしゃい。

   ここなら
    なんでもできる。

      あなたの望むまま。
       望まないまま。


欲しければ
 なんでもある。

   いらなければ
    なんにもない。

      なにもかも
       あなた次第。


なにをしたって
 かまわない。

   どんなことだって
    許される。

      許せないなら
       それもよし。


さあ、どうぞ。
 いらっしゃい。

   もちろん
    あなたの勝手だから

      来なくたって
       いいんだけどさ。
 

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せぬように

2009/03/18

愛しい詩

うぶ毛の生えた地平線

  誰かの指が

    散歩する



くれぐれも

  髪の川に流されたり

    せぬように
 

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しずく

2009/03/17

暗い詩

ぽたぽたぽたと しずくが落ちる

 なみだにしては ちと赤い
 

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もしも幽霊

2009/03/16

空しい詩

 もしも蚊が幽霊なら

 気になって気になって
 眠れない。


潰しても潰しても潰しても

遠く近く聞える
あの羽音。

疲れ果て
灯りをつける。

どこにも蚊はいない。

背筋に寒気が走る。

なにしろ
季節は冬なのだ。


 もしも星が幽霊なら

 ほとんど誰も
 気にしない。


さまよえる幽霊星。

青白き火の玉
見たように

天文学者が悲鳴をあげる。

それから
宇宙飛行士もあわてそう。


 もしも宇宙が幽霊なら

 きっと誰も
 気づかない。


だって
みんな幽霊なのだから。
 

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砂漠の狐

2009/03/16

明るい詩

昔、砂漠に戦争があった。

砂漠には狐が棲んでいたが
彼らは砂漠に残った。


戦争は長く続いた。

狐は砂を掘り、
昼間は砂の中に隠れて過ごした。

争いは避けなければならない。
争いに巻き込まれてはならない。

かすかな音さえ聞き逃してはならない。


耳だけが
彼らの頼りだった。


だから

時は流れ
戦争は絶えて久しいけれど

それら砂の中に隠れし者の
子孫の末裔の

砂漠の狐の
耳は長い。
 

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人形の舞踏会

2009/03/14

楽しい詩

華やかな衣装を身にまとい
端正な顔に美しく化粧をほどこして

世界中から集まった人形たち


  麗しき人形
  美しき人形

  きれいな人形
  かわいい人形

  愉快な人形
  良い人形


とても愛らしい
小さな貴婦人たち

もっとも
等身大のマネキンだっているけど


人形たちの素敵な舞踏会

もっとも
誰も踊ったりしないけど
 

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鳴き猫の扉

2009/03/13

怖い話

この家の玄関の扉を開ける時、
軋んだ音がする。

その音が
猫の鳴き声そっくりなのだ。

知らない客は驚いて
キョロキョロする。

いくら探しても
どこにも猫の姿はない。


その昔、
扉に挟まって猫が死んだのだろうか。



この扉を閉める時にも
軋んだ音がする。

なぜだろう。
女の泣き声そっくりなのだ。

知らない客は驚いて
キョロキョロする。

いくら探しても
どこにも女の姿など・・・・・・


おやおや。
この家の奥さんが扉に挟まっていた。
 

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ロレロ霊歌

2009/03/12

楽しい詩

 
キドラ辺境惑星における伝統音楽は
いたるところに存在するにもかかわらず
同時に見つけるのが困難とされている。

ロレロと呼ばれる宗教的な期間に
年配者が若者に伝説を語る風習があり、
そこで歌われるのがロレロ霊歌である。

現在では霊的なものは失われてしまったが
これはタヌヌ戦争直前に録音されたもの。

液体楽器ビハデを奏でるのは
村の古老ダグエラとその娘エダの親子。

ベキ音唱法を駆使して即興で歌うのは
タンニとウフニの双子の姉妹である。

録音に成功した辺境調査家エデレーは
自著において次のように解説している。

「ベキ音唱法が時空の認識を変化させ
 時を越えて打ち寄せるビハデの波紋により
 宇宙の意識が聴者の意識と重なると、
 自他および因果の区別は意味を失う」 

なお、ここで語り継がれる伝説については
サッササ叙事詩のキドラ辺境型変形、
またはそのピケ亜流と分類される。
 

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あんた

2009/03/11

暗い詩

ねえ、あんた。ねえったら。

あんた、どうしたの?

あたしを置いてきぼりにしてさ。
もう、いやんなっちゃうな。

せっかく、ふたりっきりなのに
あたしも一緒に連れてってよ。

ねえ、もしかして、あんたったら
あたしのこと忘れちゃったわけ?

ポンポンって肩を叩いてやらないと
思い出してもくれないわけ?

こんなに近くにいるのに、
こんなに触れ合ってるのに。

それとも、ひとりで行きたいわけ?

ひとりで勝手に行って
残されたあたしなんか、どうでもいいの?

あたしのこと、なんだと思ってるの?

だめだめ、そんなのだめ。
全然信じられないよ。

あんた、ちょっとおかしいよ。

ううん、すごくおかしいよ。
 

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失 恋

2009/03/10

さびしい詩

あっ

そうか


なるほど

そういうことね


なんだ

ばかみたい


ほんと

ばかみたいだ
 

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