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2016/10/08
まずは 腕を胸の前で組んで
暗算の運動
1 たす 2 たす 3 ひく 4 は
手足の指は使わないでください
1 かける 2 かける 3 の 4乗 は
軽くしりとりをしてみましょう
いぬ 次 その次 さらに もっと まだまだ
あらためて しりとりの運動
いぼ 次 その次 さらに もっと まだまだ
続いて イメージの運動
女の子の裸を想像してみましょう
ハイ 全身 細部まで はっきりと
さらに お爺さんの裸も想像しましょう
ハイ 気が進まなくても しっかりと
次は なぞなぞの運動です
使わない時に使うものは?
もうひとつ なぞなぞです
出す時に入れるものは?
今度は 理解の運動です
聞きながら理解してください
差別と区別をしっかり区別しないと
無分別な差別になる
さらに 聞きながら理解してください
一般に哲学が分かりにくい理由は
あえて分かりにくい事柄を考えるからである
おしまいに 深呼吸しながら反省しましょう
こんな頭の使い方をしていて
本当に大丈夫だろうか
もっと 深く深く反省しましょう
余計なことを考えようとするから
まともに考えられなくなるのではないか
以上、頭の体操の時間でした
ボケないよう 今日一日を賢くお過ごしください
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2016/10/06
「悪魔の証明」とは、完全に否定または肯定することが
実際上ほとんど不可能に近い証明のこと。
たとえば、悪魔の不在を証明できたと確信した途端に
ひょいと悪魔が出現してしまう可能性、なきにしもあらず。
事実、そんなふうに悪魔が目の前に出現したのだ。
「わあ、悪魔だ」
悪魔が顔をしかめる。
「失礼な。普通の人間ですよ」
「ふん。そんなら、自分が悪魔でないことを証明しろ」
「無理おっしゃらないでください」
「で、なんの用だ?」
「貸した金を返してください」
「わあ、やっぱり悪魔だ」
「・・・・借りた時は神様仏様って言ってたくせに」
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2016/10/04
この部屋に絵を飾ると、必ず落ちる。
額装して壁の釘にヒモで引っかけておいても
フォトスタンド式に棚の上に置いても
いつの間にか床に落ちている。
釘が抜けたり、ヒモが切れたり、地震があったわけでもない。
誰かが故意に外したり落としたりした感じなのだ。
地縛霊のような見えない者の悪戯だろうか。
ひょっとすると、飾る絵が悪いのかもしれない。
立体交差する川とか、犬の町とか
私には変な絵を飾る趣味があるのだ。
しかし、まったく飾り気のない部屋はさびしい。
人がいると煩わしいが、絵は違う。
なので、近頃は最初から絵を床に落としておく。
そういうもんだと思って見下ろせば
なんとなく落ち着いた気分になれる、というもんだ。
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2016/09/28
膝小僧がいるのだから
やはり、肘小娘もいるのである。
実際、肘は小娘に限るな。
男はもちろん、おばさんもいかん。
しわが寄ってたり黒ずんでたりすると
思わず目を背けたくなる。
その点、小娘の肘はきれいだ。
ひざまずいて肘掛け椅子になりたいくらいだ。
それに、あの柔らかそうな折り目のところに
グッと挟まれるのも悪くないな。
おいおい。そんなこと言ってると
聞いてる奴から肘鉄砲くらいかねんぞ。
脇腹とか、みぞおちとかに。
または脳天にエルボードロップ、
別名「肘落とし」とか。
さすがに痛いだろうな。
ふん。しかしまあ、おじさんとしては
小娘の肘小娘なら、甘んじて受けようではないか。
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2016/09/13
僕はいつもの帰り道を通れない。
びっくりするくらい大きなカンガルーが
曲がり角のところで待ち伏せしてるはずだから。
おそらく野良ではなく、飼いカンガルーだろう。
なぜなら、両手にボクシングのグローブをはめている。
それでも、あんなに大きくなると、さすがに怖い。
しかも、必ずスパーリングを求めてくる。
僕の見た目が弱そうに見えるのか、強そうに見えるのか
なぜか僕をパートナーとして気に入ったようなのだ。
もちろん僕は、いかれたカンガルーの相手なんかしたくない。
ボクシングは見るものであって、するもんじゃない。
それで僕は、越えなくてもいい線路を越えたりして
わざわざ遠まわりして帰宅することになる。
カンガルーの語源は「わからない」という意味ではないそうだが
あいつらの考えていること、ホントわからない。
(画像:Robert Hoge)
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2016/09/11
往来を歩いていると
刀の鞘を足蹴にされた。
「無礼者!」と斬り捨てようとしたら
武士の魂たる刀がなかった。
鞘の中身は竹光である。
魂なき入れ物だけ飾っておれば
侮辱されるは武士として当然の報い。
そもそも斬り捨てようがない。
食うに困って質に入れ
そのまま流してしまったのだな。
これでは武士とも呼べないか。
武士は食わねど高楊枝。
武士が食ったら豚になる。
ブーブー
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2016/09/10
ひょいとサルが顔を出す。
「わあ、なんだなんだ。あっちへ行け。
おれはサルなんぞに用はない」
「ウキキキキ」
さすがサル。恥ずかしげもなく、定型的な笑いを笑う。
「黙れ。歯ぐきをむき出して笑うな。
とぼけて頭に手を置くな。猿真似すんな」
しかし所詮、サルはサル。
なにを言っても無駄なのだ。
「ウッキ ウッキ ウキウキ ウッキ」
どこかで聞いた節で、どこかで見た踊りを踊る。
やれやれ。やっぱ、サルだ。
去らぬなら、無視するしかあるまい。
「ウッキッキ」
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2016/09/06
「おい、カネを出せ。
出さねば、わきの下の毛を抜くぞ」
また変なやつが来店したものだ。
受付を長年しているが、初めてのタイプである。
「しっかり処理してるので、わき毛はありません。
また仮にあるとしても、むしろ抜いてもらいたいくらいです」
「そうか。それは相手が悪かったな。
では、改めて出直すとしよう」
とりあえず、その変な客は大人しく帰ってくれた。
なんなんだろう。
春先だからだろうか。
「いやあ君、立派な接客態度だったね。
私なんか、髪の毛を抜かれるとしたら、まず抵抗できないな」
頭の薄い上司は、しきりに感心してるし。
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2016/09/03
通販でタイムスコープなるものを買った。
過去または未来の時刻を設定したまま覗くと
その場における設定時刻の景色が見える望遠鏡である。
Googleマップ並みのデータとGPS機能を使えば
過去の景観を静止画像として眺めることは可能だろう。
また、データを基に仮想現実を構築すれば
仮想的な未来の景観を眺めることもできる理屈だ。
ところが、これは違った。
書斎でパソコンに向かっていた去年の私自身の背中とか
買い替えるらしい来年の新しいエアコンが見えたりするのだ。
どうなっているのだ?
まるでドラえもんの道具ではないか。
あり得ない。
どうにも信じられない。
あわてて競馬場へ出かける前に
タイムスコープを詳しく調べてみた。
すると、設定項目は時刻だけではなかった。
状況設定が「夢」になっていた。
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2016/09/01
亡くなった伯母の葬儀に着たので
Yシャツをクリーニングに出すことにした。
洗濯機でもシワにならない素材らしいが
冠婚葬祭にしか着ないので、エリが黄ばむのは困る。
近所にあるチェーン店に入る。
そもそもクリーニング屋は久しぶり。
それにしても、安くなったものだ。
Yシャツ一枚が税込でも百円しない。
仕上がりも翌日の夕方。
しかも、朝出せば当日の夕方に受け取れる。
システムの合理化が進んだのだろうな。
人件費も抑えてあるに違いない。
説明を受けて一緒に渡された価格表を見る。
「衣類」の項目の他に「ペット」「人体」とある。
「ペット」は「イヌ」「ネコ」と分類され、
「イヌ」はさらに「大」「小」別価格になっている。
「人体」には「女性」「男性」とあり、
それぞれ「顔のみ」「全身」が別価格である。
そうか。
そうだったのか。
隠居していて知らないうちに
そういう時代になっていたのか。
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