開かずの踏切
2014/09/30
踏切の前で
遮断機が上がるのを待っていた。
踏切の向こう側には
幼稚園児らしい女の子がひとりいるだけ。
電車が1本通過した。
だが、遮断機は上がらない。
踏切の向こう側には
小学生らしい女の子がひとりだけ立っていた。
幼稚園児はどこかへ行ってしまったらしい。
さっきと反対方向の電車が1本通過した。
しかし、まだ遮断機は上がらない。
踏切の向こう側には
高校生らしい女子生徒がひとりいるだけだった。
さっきまでいた小学生の女の子に
様子がよく似てる気がする。
お姉さんかもしれない。
左右から1本ずつ電車が通過した。
それでも遮断機は上がる気配すらない。
踏切の向こう側には
見覚えある若い女性がたったひとりで待っていた。
思い詰めたような表情で
彼女はじっとこっちを睨んでいる。
遮断機が上がるのを待ち切れず
私は思わず線路に飛び出した。
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