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2009/04/21
中国での内装工事・・・
施主の意向で工務店を介さない「直接施工方式」のような体制を取っているため、なかなか図面の意図が伝わらなかったり、段取りがうまく組めなかったりで、問題は多いが、一歩ずつ進行中。
あらゆる事柄にワイルドさが付きまとう中国の現場であるけれど、時々驚かされるのが職人の働きぶりと腕の良さだ。
具体的に言えば、左官職人と造作木工職人、塗装工の腕は一流だ。(日本の万能工のように、いくつか兼ねている場合もある)
左官職人は石膏プラスターを完璧に平滑に仕上げてくれるし、塗装も美しい。木工職人は化粧板のトメ加工など、素晴らしい出来栄えに関心した。
彼らは日本の10分の1以下の日当で、布団を持参し現場に泊り込み、現場の空きスペースで自炊をしながら仕事をする。当然風呂などは入れない。
日本の現場と違い、電動工具なども少なく、レーザ水準器などのハイテク機器もない。脚立でさえアルミの既製品でなく、角材を組み合わせた自製のものである。
本来高度な技術を持っていた日本の熟練職人が少なくなってきたのは、便利な工具や工法の発達、既成部材の多用による工事の簡素化、も原因に入るのではないか。漆喰やプラスターをキレイに均せる職人が少なくなってきたのも、乾式工法の普及によるものだろう。中国では乾式工法はあまり普及しておらず、また躯体工事の精度も高くないので、最終的な見栄えに大きく影響するプラスター仕上げが大活躍である。RC系の超高層マンションの内装もこれによる場合が多いと思われる。
写真の背面のアール壁も左官屋に仕上げてもらった。
このように、各職人の腕を引き出せる柔軟なデザイン力と、コミュニケーション力があれば、日本では出来ない面白い仕事が出来そうなのであるが、今の段階ではちょっと難しい。図面を中心とした従来の意思伝達も、考え直す必要がありそうだ。
デザインも工事も、不動産である建築である以上、土地の事情が大きく影響する。このことを痛感しているとともに、楽しんでもいる。
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