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2009/05/12
なんのかんので、プレゼンにしても、スタディにしろCGを使うことが多く、そのため特にモデラーにはこだわってしまう。
しかし、「これ」という決定打がないということは、以前にも書いたかも知れない。
form・Z・・・こいつの最初のバージョンがMac版で登場したのはもう20年も前かも知れない。これが発表された時は、本当に狂喜したものだ。ろくなCADソフトさえないMacの環境で、自由自在に形状を、しかも数値的な正確性を持って作れるというのだから、はるか先を行っていたソフトだった。
しかし、今となっては、作りが古くなってしまい、最新版(6.x)を試用した限りでは、進化の限界に来てしまったようだ。
まずがっかりさせられたのは、「ランダマイズ」などの面白い変形機能がなくなってしまったこと。めったに使わないが、価格と反比例して機能が削られていくのは納得できない。
いや、これはどうでもいい。
問題は、描画コアの設計が古く、現代のCADでは有り得ないくらいレスポンスが遅く、スムーズな操作性が得られないということ。同じマシン上であっても、他の3D、CADソフトと比較しても、忍耐の限界を超えるほど描画が遅い。
さらに、極めて機能的なオペレーション方式を取っているが故、ひとつの操作につき何箇所もマウスをクリックし、キー入力もしなければいけない。結果、「簡単なことが難しい」ソフトになってしまい、モデリングをしていてもソフトの操作に足を引っ張られている感覚がいまだぬぐえない。
これは高機能ソフトの宿命とも言えるかも知れないが、少なくとも他のモデラーを試用していてもこの種のストレスは感じない。
やはりもう行き詰まりを感じてかどうかは不明だが、なんと"Bonzai3D"という、FormZのサブセット版の開発が進められているようで、これはかなり期待が持てる。
ベータ版を試用してみた印象では、インタフェースはかなり「SketchUp」を意識している?ように見受けられた(が、まだまだ至っていない)しかしSketchupには不可能なNURBS曲面、ブーリアン演算も出来るとくれば、造形の自由度は高く、強力なライバルになることは間違いない。
現在のベータ版は不安定で、とてもこのままでは仕事に使えるものではないが、今後の発展が非常に楽しみなソフトではある。
あるいはSketchupがもう少し造形的になってくれればそれでもいいのだが・・・
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2009/04/27
最近見かけた建築プロジェクト。イギリスのどこかのコンペ入賞作品らしい。
詳細はこちら
これはちょっと面白いと思った。
内と外を隔てる1枚の「皮」の再解釈なのか、ハリネズミのような外皮を
まとった建築。「皮」そのものをより曖昧なものに考え直していくとこのようになるのであろうか。
ハリネズミの外皮はクサビ型のアルミ板の集合らしい。その内側に本当の「皮」であるサッシがある。ということはこのハリネズミの外皮は不必要か、あるいは普通のルーバーとかlow-eガラスで代用できるのではないかと穿ったことを考えるのは下衆だろうか。
しかし、この連続質の「皮」というのは、より厳しい環境において、外部との隔壁を作らなければいけない状況下では大変有用なメソッドではないかと思える。
より厳しい環境というのは、例えば宇宙空間とか月面上などの場所である。地球上と違い、段違いな気密性に加え、有害な宇宙線や電磁波、高速に飛来してくるデブリなどの浮遊物・・・と、守るべき要素が多く、どれもが致命傷になってしまう過酷な環境。このような環境では、複数のバリヤの組み合わせ、あるいは緩衝帯のようなものに覆われる建築なり工作物などが容易に想像できる。ちょうど地球が大気層というバリヤで暖かく守られているように。
まあ現時点で宇宙建築物などは飛躍しすぎた想像かも知れないが、少なくともこれからの現代建築ではこれまで頑として「1枚皮」であった外壁が多様に解釈され、より柔らかくであいまいにして機能的な試みがたくさん出てくるだろうと見ている。
毛皮をまとったような建築も出てくるだろう。
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