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2014/02/02
今、NHKで火曜日の夜10時にやってる同名のドラマの原作小説を読みました。
本当に今読み終わってすぐで、本当に誰かと感想を言い合いたい気分なんだけど、叶わないので、ここにざっと書かせてね!
ジェットコースターに乗ると、始めはくちもとに笑顔を含ませてイヤーキャーギャー!なんて大声出していられるけれど、余りにアップダウンや回転が多くなってくると、必死に声を出して恐怖に負けまいとしてやがて、だんだん声すら出なくなってくるやん? この本を読むということは、私にとってそういう読書でした。
子供を産まないまま40歳前後に来て、自分が愛を注げる人も、自分を一番大事に考えてくれる人もいない自分に気付いて、そのことで心の中に抱えてしまった深くて大きくて果てしない孤独は、とりあえず幾らお金があっても救済されないのだということです。かといって、あのとき子供を産んでいれば、など過去にさかのぼっていろんな選択を変えていたとしても、結局はその孤独と出会ってしまうのだろう、とも。
ただ、もう声も出ない読書の中で、私がひとりごととして口にでるのは、趣味とか、ライフワークとか、お金で得られるもの以外の何かがあれば、登場人物たちはこうはならなかったのではということ。もうそれくらいしか救済の道はないのだろうか。
ただ、著者は救済の道筋はほとんど示さずに物語を終えているんですよねー。ジェットコースターはやがて止まり、私たちは安心な盤石な地面に帰っていけるのに、この本はそんな地面に私を帰してはくれなかったです。
私もこの孤独と出会って、飲み込まれないようにもがいている最中だけど、お金さえあれば、という考えは違うということをこの本は教えてくれたかも。
では、自分にとって救済の道はどんな道なのか、それは自分で考えて行動して見つけていくしかないんだね。
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2013/05/10
『ちょうちんそで』江國香織著を読みました。これは主人公雛子とその妹の飴子。
人の心の深いところには暗い激流のような記憶があって、でもそれも時間がたつと本当にあったことか架空のものなのかもよくわからなっていく、らしい。平穏に見える人にもそういう暗い激流があるってことを描き出すところが、コワーって思うんだけど、でも脅迫されるような、追い込まれるような、迫害されるような怖さではなくて、おにごっこでおにから逃げるときの「キャー」って感じの怖さ。だから嫌な気持ちにはならない。
読みながらケリー・クラークソンのTHANKFULというアルバムをかけてみたら、いい感じで合いました。アメリカで暮らす日本人少女とその友達のアメリカ人の少女の章があるからかな。
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2013/04/12
さっそく書店で買ってきました!地方なので予約とかしなくても余裕でお店で買えます!本は書店で買うのが好きです。
表紙の絵が、県立美術館の常設展の片隅にひっそり展示されてる日本の現代美術の絵っぽい。誰の絵なのかまだよく見てないのですが。上に垂れた絵の具のように見える部分があるので、描いてから上下さかさまにしたのかな。
(このブログでネタバレは絶対にしないので安心してね)
(5月4日再掲)よろこびいさんで買って読んだものの、読後かなり鬱になり、もうこの人の本は買わない!という感想になり、この絵も非公開にしてました。(なんでこんな本の絵を描いたのか・・・と自己嫌悪)
作中、ある女性がとても残酷に殺され、かわいそうでたまらないのですが、厚かましいかもですが、自分はこの女性に似ていると思ったんです。作者に「おまえみたいなおぼこい人間はそのうち死ぬ、せいぜい強い人間の「いい思い出」にでもなっとけ」と呪いをかけられたように感じました。
今は、こんな小説ごときに負けないように、心も身体も強くなりたいと思う。
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2013/01/10
湊かなえ『告白』を読みました。
三角牛乳が鍵となるモチーフとして出てきたので、そのイラスト。
私は小学校の給食の牛乳がだいきらいで、よく残してたし、飲むときは冷たいうちに口の中に味が広がらないように一気に流し込んでました。小学校卒業してから牛乳は飲んでないと思う。
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2013/01/06
ことしの1冊目は湊かなえ『少女』。まじめに感想を書こうとすると自分の性格のイヤなところをつまびらかにせずには済まない感じなので、書くのはやめて、登場人物のゆるい相関図をイラストにしてみました。ネタバレのない図なので、もしこの本を読むことがあればこの絵を見ながら読んでみて下さい。
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2012/10/20
講談社英語文庫『ぼくが電話をかけている場所』(where i''m calling from)レイモンド・カーヴァー著
二十歳ぐらいのときに買って、途中で読むのを挫折していたこの本を、このたび読破しました。イエー。
村上春樹さんが多数翻訳して日本に紹介されたので、まず翻訳されたものを読んで、大体こんなストーリーというのを知ってから読むと辞書と首っ引きということにならずに楽しく読めると思います。文章も割と簡単なので、英語で小説を、というときおすすめ。
知らない単語に当たったときいちいち辞書を引くよりも、それを飛ばしてわかるところをどんどん読んでいって、後でどうしてもわからないところは調べる、ぐらいのてきとうさで進むのが読破の近道。
2012/07/23
「やれたけどやらなかったというのは、僕は思うんだけど、いうなれば可能性の貯金みたいなものだ。(中略。ここにもいいこと書いてる)とにかくやればいい、というものではない」
という文章に出会えただけでも、私はこの本に払ったお金のもとをとった!と思いました。何を「やらない」のかは、わかるよねー。
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2012/07/21
大坪ケムタさんの表題の本を読んだ。高校時代の先輩(男)が「キミはこうゆうのスキだろう」と言って下さったのです!
大坪さんが一般の男性から童貞でなくなった時前後のおハナシをインタビューして、15人分が掲載されています。(このインタビューはメンズナウというサイトで現在も連載されています)
大坪さんの話の引き出し方がうまくて、いたずらに美談にもせず、かといってちゃかしもせず、そういうのがよかったです。
私は人が話している音声を文章に起こす仕事をしているのですが、このようなインタビューも起こしてみたいですね!!すごく楽しそう。もっとうまく起こす自信あるなあ。
人生におけるただの通過点でもあるし、大切な思い出でもあるし、というその両方の感じがすごく体感できました。
(みうらじゅんさんの『DT』という本はこれの逆ですね。童貞の状態をいかにながびかせるか、それが大事だ!キープ・オン・DT(童貞)という内容です)
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2012/07/21
標題の本を読んで。三木さんと奥さまのKさん、お嬢さんの3人。全くの空想でご本人とは似てないことでしょう。
全く逆とも言える家庭環境で育った男女がともに24歳の時に出会い、以後47年にわたって続いた結婚生活を夫(三木さん、現在77歳)の側から綴った本。
奥さまは5年前に亡くなられ、改めて三木さんが奥さまとはどういう人だったのか、この人との結婚とは何だったのかを明らかにしたくて書いたという感じです。
まず思ったのが、この本はきれいごと一切ナシです!おのろけ一切ナシ!すがすがしいです。
三木さん自身のことも客観的に飾らず卑下もせず、奥さまのことも冷静に書いています。
2人の結婚は最初12年ほどは同居し、あとの30年余りは別居。
いつ離婚となってもおかしくなかったけれど、結局そうならなかった。
でもそれは愛していたからとかではなかったように思う。
1人の人間を「この人はどういう人なのか」と知りたいと思うことが愛情なのかどうかはわからない。だけれども、知りたいと思う気持ちを持ち続け、奥さまがどんな人だったのかを一生懸命知ろうとする三木さん。
知りたいと思うのに、奥さまが重い病気にかかっていることにも気付かない。
私は、この2人のことはこの本に書かれている事しか知らないですけど、後半、奥さまがちょっとボケてきてるんじゃ?と思ったの。そしたら、案の定、脳に病気ができててその結果認知症みたくなってしまうんだよね。
でも、三木さんはその病気が致命的になるまで気付けない。
奥さまの手術が終わって、合間にレストランで娘さんとハンバーグを食べながら大泣きするシーンも、私には奥さまのことを愛しているから泣いたのではなくて、奥さまを憐れんで泣いたのだと思った。なんて不憫な人間なのだ、と。そして、この闘病生活から逃げ出したいと自分のために泣いたのだと思った。
「憐れむ」と「愛する」は結構遠い感情のように思う。
三木さんが冷たい人のように書いてしまったかもしれないけれど、好きになった1人の人を長い長い時間をかけて全部知りたいと思い、実行する事の尊さが書かれた本でした。「こういう関係もあるんだぜ」って三木さんがやさしく語りかけてくれます。
理解し合えないと思っている夫婦にとって福音となる本、なんてなことが帯には書いてありますけど、そんな甘いもんかねえ。でも、「うちはここの夫婦よりマシだ」とか思って留飲を下げるのも、まあいいかもしれません。
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2012/02/25
ちょっとカーネーションから離れて。『青春の蹉跌』石川達三著 という本を読んでいます。
1970年前後のお話。司法試験を一発で合格したけんいちろう君が、カキタレ(すみません下品で)を妊娠させてしまい、このままいくと自分の約束された栄光の人生が実現できないと決めつけ、この女の子とみこを殺害しようと企てる・・・というところまで読みました。
「死んでくれ・・・たのむ!」とか「人間関係は地獄だ。」とかマジで書いてあるので、なかなかパンキッシュでおもろいです。
とにかく、出てくる人間人間がみな打算でしか生きてなく、日本が経済成長いちじるしい時代、何とか裕福になってやる!ということで頭がいっぱいのようです。
カーネーションも今、ちょうど1966年あたりのお話しなので、あの時代のまた別の面が見られて楽しいです。
けんいちろうくん、あんたが人生の敗北者と決めつけている従兄弟の小野くんは実はとっても幸せに暮らしてるんだよ!と教えてやりたい。(小野君は同じく司法試験受験中に彼女を妊娠させてしまい、結婚、2児の父。バイトしながら受験を3回続け、不合格。あきらめて田舎へ帰り、高校教師として平凡に生きています。)
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