金谷ゆうき

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千葉県
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  • 3、僕の夢 〈最終話〉

    夜の8時。

    僕らは学校帰りにラーメン屋へ向かった。

    その途中、友達のハイヒールがマンホールの小さな穴にはまった。

    ハイヒールはすぐに抜け、それはほんの一瞬の出来事だったけど、僕はそれに対してものすごい素晴らしさを感じた。

    僕の目の前でこんなことをしてくれるなんて・・・

    僕はとても嬉しかった。

    久しぶりに女というものをみせてもらったような気がした。




    「普通の大学生活が送りたい・・・」
    ラーメン屋で彼女が言った。

    僕は一応、彼女の言葉にそれなりの返答をした。

    だけど、その言葉は簡単に消え去ることなく、いつまでも僕に取り憑く形となった。

    僕らが送っている大学生活は普通ではないのか?

    普通の大学生活とは?

    普通の大学生活というものは楽しいものなのか?


    彼女の思う普通の大学生活の定義を聞いた。
    僕の生活は彼女の言う“普通の大学生活”には当てはまらなかった。
    確かに、彼女の言う“普通の大学生活”は楽しそうだった。


    だけどね、今の現状に僕はとても満足しているんだ。
    生きていることの素晴らしさを感じているんだよ。

    今日だってプールサイドを歩きながら、「俺って生きてるんだ・・・」って、急に思って、涙したくらいなんだ。
    生きることに素晴らしさを感じている自身を再確認したよ。

    現状において、多少の不満はあるよ。
    だけど、僕の中では不満よりも満足感の方がものすごく大きいんだ。
    そして、それは僕のくだらない不満をすべて呑み込んでくれるんだよ。



    現代の世の中は、夢の無い人間が多すぎる。
    特に若者はね。

    ただ、みんなにはそんな人間にはならないでほしいんだ。

    夢を持ってほしいんだよ。

    ちいさなことでもいいから夢をもってほしいんだ。

    ものすごくくだらないことでもいいから、とにかく夢をもってほしいんだ。

    どんな時も常にね。

    『最近の若者は・・・』に当てはまるような人間にはならないでほしいんだよ。

    そして、将来的に素晴らしい人間になってほしいんだ。

    僕をとりまくすべての人全員が成功者になってもらいたいんだ。

    全員、幸せになってもらいたいんだよ。


    夢を持ち、そして、それへの実現。
    それが僕の思う成功者の像でもあり幸福者の像でもあるんだ。

    みんながこのような人になってくれること。
    それが僕の夢なんだ。

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