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2006/08/13
夜の8時。
僕らは学校帰りにラーメン屋へ向かった。
その途中、友達のハイヒールがマンホールの小さな穴にはまった。
ハイヒールはすぐに抜け、それはほんの一瞬の出来事だったけど、僕はそれに対してものすごい素晴らしさを感じた。
僕の目の前でこんなことをしてくれるなんて・・・
僕はとても嬉しかった。
久しぶりに女というものをみせてもらったような気がした。
「普通の大学生活が送りたい・・・」
ラーメン屋で彼女が言った。
僕は一応、彼女の言葉にそれなりの返答をした。
だけど、その言葉は簡単に消え去ることなく、いつまでも僕に取り憑く形となった。
僕らが送っている大学生活は普通ではないのか?
普通の大学生活とは?
普通の大学生活というものは楽しいものなのか?
彼女の思う普通の大学生活の定義を聞いた。
僕の生活は彼女の言う“普通の大学生活”には当てはまらなかった。
確かに、彼女の言う“普通の大学生活”は楽しそうだった。
だけどね、今の現状に僕はとても満足しているんだ。
生きていることの素晴らしさを感じているんだよ。
今日だってプールサイドを歩きながら、「俺って生きてるんだ・・・」って、急に思って、涙したくらいなんだ。
生きることに素晴らしさを感じている自身を再確認したよ。
現状において、多少の不満はあるよ。
だけど、僕の中では不満よりも満足感の方がものすごく大きいんだ。
そして、それは僕のくだらない不満をすべて呑み込んでくれるんだよ。
現代の世の中は、夢の無い人間が多すぎる。
特に若者はね。
ただ、みんなにはそんな人間にはならないでほしいんだ。
夢を持ってほしいんだよ。
ちいさなことでもいいから夢をもってほしいんだ。
ものすごくくだらないことでもいいから、とにかく夢をもってほしいんだ。
どんな時も常にね。
『最近の若者は・・・』に当てはまるような人間にはならないでほしいんだよ。
そして、将来的に素晴らしい人間になってほしいんだ。
僕をとりまくすべての人全員が成功者になってもらいたいんだ。
全員、幸せになってもらいたいんだよ。
夢を持ち、そして、それへの実現。
それが僕の思う成功者の像でもあり幸福者の像でもあるんだ。
みんながこのような人になってくれること。
それが僕の夢なんだ。
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