衆議院予算委員会
2025/02/02
我が国の衆議院予算委員会の審議において「これまで30年以上に渡り、予算案が修正されたことは1度もない。」と聞いてとても驚いてしまいました。
予算って、向こう1年間の国の仕事の全てです。だから与党が原案を出して、聞くべき意見は汲み、修正をし、最終的に国会全体で拍手決定していたものと、普通考えますよね。ところが「いや実は今まで1度も修正されたことはない」と。
じゃ一体先生方は仕事は何をやっていたんだろう。思い返せば「まずはこの度被災された方々に対する深い哀悼の意をささげるとともに・・・」とか「森友学園は・・・」とか「バイデン政権のこうした姿勢は我が国に対する・・・」とか、「総理!」とか。どうもこの・・・予算とは全く関係ない話題を長回しでやりとりしていた記憶だけはある。やはり・・・パフォーマンスを見せるだけで中身はスルーパスと。衆議院予算委員会は、内容をチエックするというよりも、先生方の花形の舞台だったわけですね。
因みに2002年、民主党の石井絋基さんという国会議員が、出勤しようと自宅を出たとき刺殺されました。実行犯は逮捕されていますが、黒幕は分かりません。当時は一般会計は80兆円、特別会計は350兆円規模でしたが、この350兆円の特別会計は全くブラックボックス化していて誰も中身を知らない。これに対して石井先生が初めて国会でこの問題を取り上げてメスを入れようとした、その矢先のこと。国会に出す資料は奪われて行方不明。その後は特別会計の中身がどうなっているのか、誰も追及しようとしないという時代が延々と続きました。
想像してみるのですが、おそらく石井先生の時代の特別会計のイメージって、我が国の蟻がびっしりと張り付いた利権のイメージだったと思います。ですがその後今日では、外国のヘラクレスカブトムシがびっしりと張り付いているような利権のイメージに変わっているのだと思います。そしてまた長年に渡って着々と増やしてきた、官僚の天下り先や基金、それから諸外国、に対し底抜けバケツのように日本人のお金が流れていく構造が確立されてしまった。あと予備費ですね。「〇〇〇予備費」と名付ければ幾らでも予算が出てくる。なにそれ一体?と、考え込んでしまいます。
今日2025年、一般会計は115兆円、特別会計は400兆円の時代を迎えました。衆議院予算委員会は始まったばかり。今日もNHKの日曜討論で各党の立場表明がありましたが、みんな顔がこわばっていました。これまでとは違う。野党が多数派、予算委員会委員長も野党です。小委員会を組織して各省庁ごとの予算内容も審議することになった(これ、いままでやってなかったというのが凄い)。それからあの気持ち悪い特別会計の話は、ここ1年ほどでSNSのお陰で誰でも知っているくらいポピュラーな話題になりました。ただ、この構造を変えるのは容易ではない。まずは一般会計から。
もと役所勤めの私としては、天王山の戦いになりそうな今国会の情勢を前に、野党の本気の動きにますます目が離せない日々になりそうです。
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