1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
2009/08/21
夜道を歩く薄い陰 その先には きみがいて
振り返って 見渡してみると 星は身を呈して
ぼくを空へ 近付ける
誰かが船に乗って 本を読む
うつろな瞳で うとうとしながら 本を閉じる
きみはぼくよりも 先に歩いた
たまに振り返ったけど でもそれはきっと
きみが きみ自身の陰を 見るためで
ぼくは 気が付けば きみの陰さえ 見失っている
一日が終わり たまった埃を払うように
静かな鼾がひとつ またひとつ
寝室に 漂うものは 夢箒の音色
丘の上で 立ち止まる ぼくはきみを 追いかけて
きみはきみに 追いかけられて ぼくはきみを 見失う
ぼくはきみに 逢いたくて ぼくはぼくを 見失う