山本 薫(やまもと・かおり)

イラストレーター

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長野県上田市

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山本 薫(やまもと・かおり)

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  • 塊茎(とほしのはな)

    2012/01/27

    イラスト

    ジャガイモの季節は、たぶん冬でなく初夏なのだと思う。

    理由は花が見られて、美味しい子ジャガイモがたくさんとれるから。

    だけど、じゃがいもの絵を描こうと思うと、どうしても、土の中の塊茎のことに思いを馳せてしまう。

    土の中のいもはやがて冬の保存食となる。いもの姿は、春を待つ信州の長い冬をじっと耐える気持ちと重なるものがあって、わたしが描くと新ジャガでもなんでも鉱物のようになってしまう。
    むかし石のシリーズを熱心に描いていた時期があるが、そこと繋がる何かがあるのかもしれない。


    初夏に、五角形の造形的な花を咲かせるジャガイモの姿を畑でぼおっと眺めていたら、
    宇宙に星がきらめくのと同じようなものだなあ、と思った。
    限りない時空を見上げて、孤独で、寒くて、夢のように輝く、それは妄想か幻想か想像かわからないけれど、果てしない浪漫のような、哲学のような、すうっと吸い込まれるようなイメージを感じた。
    そのとき土の中のいもは、星の中心というか、地球の底、いや宇宙の底のような場所で、根源的な営みをしているのではないかと思った。

    言葉で多く語れない不器用な私は、絵でものを言うのが常套手段で。そうしてできたのが、2008年の制作である「塊茎」です。

    本当は、「塊茎とほしのはな」と名付けようと思ったのですが、
    どうしてもひらがながいいとおもっていたのにひらがなにするとなんだかさいきん流行りのつまらないタイトルみたいな気がしてしまって、縮めたのです。副題か何かだと思っていただければ幸いです。


    ここには、そのもと絵となるドローイングを掲載しました。
    本作品はもうなんども展示したりして、知っている方も持っていてくださる方も多いのですが、ご興味のかたはHPを探してみてください。

  • 100年というもの

    2012/01/20

    活動記録

    先日、パッケージイラストのコンぺがあったので、
    ボタニカルアート風の仕上がりのゆずの絵を描いていました。

    ボタニカルアートって、日本でも広がりを見せているけれど、
    私の知っているのはアンティーク市なんかで売ってる版画に彩色したものだったりするので、近年の日本の、わりとゆるやかな描写の植物画のイメージとはちょっと違うかもしれません。
    でもそういうのが好きなんです。古いもの、というのではなくて、単純にいいもの。
    私の思う「いいもの」、が、現代の作家よりも100年ほど前の時代に多いというだけですけれど。

    だから、時々、自分の美意識に孤独を感じたりもします。
    現代を反映させたいクライアントの要望に応えられなかったりするし・・・

    でも、100年後にも残っているほどのものを作ろうと思ったのがそもそもこの道を志した始まりに思った目標だから、
    理解されなくて苦しんでても、なんとかやって行こうと思います。

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