1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
2012/02/19
学生時代に、デッサンをしていて、「面で捉えろ」と盛んに言われたことがある。
その後日本画の歴史を大学で学んだとき、線の重要性について示唆され、
社会に出てからは余計に、流行りもあろうけれど、線ということがとりざたされるような気がする。
私はずっと、面と線、どっちに進むべきか悩んできた。
面を意識して描くようになって、ある一点を越えた時から、
私の中では面と線の境目がよくわからなくなった。
そう、それは言語であり、実際描くのは身体なのかもしれない。
当時シャープペンで描いた線のみによる面表現の自画像が、金字塔となるかどうか。
私の絵は時々退化したり、進んだりするけれど、それはたぶんその不安定さを克服するのが私の命題であるからだろう、絵についてだけじゃなくて、日常生活のさまざまなことすべてにおいて。コミュニケーションだって。
心のコントロールは、私の一生の課題なのかも知れない。
線と面を考えることが、だいぶ楽しくなってくるのがペンで描くことである。
私はそのどちらに進むかわからないギリギリのラインで、そのつど選択や試行錯誤を繰り返して、言語を超えた境地にたどり着こうとしているような気がする。
日常的にはたどり着けないから、毎度ノイローゼみたいな不安感を抱えながらもワクワクもして性懲りもなく練習に向かう。
そのうち、不安から解放されたら、大きな時間のかかるしごともできるだろうか。
わたしの線の独特のゆらぎは、そのどちらにも進めないでいる、
優柔不断で柔らかすぎる心そのものの反映のような気がする。
もしかしたら、それ自体も評価の対象となることがあるかもしれないけれど。