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2010/02/19
「ブツ」と「空間」は、違う。
「空間」は、カントがいうみたいに、人間の「直感の形式」だと思いますが、「ブツ」の方は、れっきとした「存在」です。
空間は、そこに「在る」ものではない。
これを、感じたことがありました。
昔、私の住んでいた近くに、とてもいい雰囲気の喫茶店があった。
重厚な木調。バロック音楽。異国の文字で書かれた画集……。
壁に、さりげなく牧野邦夫の作品の写真がピンで留めてあったり。
むろん、コーヒーはうまい。
緑あふれる中庭。レンガの壁の小さな家……
マスターが変わった人で、入口に
「やくざとこどもお断り」
と、書いてある。
静か。落ち着いた、芳醇なときが流れる……
ところが、ある日行ってみると「閉鎖」
推測ですが、地上げにあったんじゃないか……(ちょうどそのころでした)
ほどなく取り壊されて、空地になってしまった。
その空地を見てビックリ!
こんな狭い場所に、あれだけの空間が入っていたのか!
とても、信じられませんでした。
お店全体が、巨大なインスタレーション……
そんな感じが、今でもしています。
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2010/02/18
私は平面が多いのですが、画廊に作品をかけるとき、どうしても空間がすごく気になります。
できるなら「空間のいい」ギャラリーでやりたいと思う。
その「空間がいい」というのがどういうことなのか、うまくいえないのですが。
作品配置をいろいろ考えているうちに……
空間をつくるために、この作品をこう使おう、あれはああ使おう
と考えている自分を発見して、「はっ」とします。
作品が、空間づくりの道具になってしまっている……
これは、「インスタレーション」という病気の、最初の兆候です。
で、これがだんだん重症になってくると……
今度は、空間づくりのために、作品を作るようになる。
作品じゃなくてもいいです。モノをならべても……
ということで、本格的なインスタレーションの世界に入っていく。
だいたい、「病状」は、こんなふうに進行するんじゃないかと思います。
私の場合は、作品配置の場面でインスタレーションがかかってきたところで
「はっ」と気づいて、
あっ、そうだったっ、メインは作品なのだ!
ということで、まあ、結局平面をやる人のままです。
空間の誘惑……
この、甘い誘いが通じるのは、なぜか平面をやる人。
彫刻の人にはあんまりききめがないように思える。
なぜだろう……
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2010/02/17
インスタレーションは、物語に、似ている。
なんか順序があって、「読み出し」可能。
でも、彫刻は、ごろっとしたカタマリ。
そこに、そのままにあって、それ以上どうしようもない。
平面作品の中には、時空が封印されている。
凍結凝固されてしまっている……といってもいいかもしれない。
平面作品に格納された物語は、ふつう、見る人が読み解いていくのだけれど……
それを作者がやろうとする……そこで、インスタレーションになる。
そんな気がします。
作者によってひきずりだされた「物語」は、平面からはみ出し、空間に居場所を求める。
空間は、物語に彩られて、特有のにおいを持ちはじめる。
お、インスタレーション……
そう思う、抱合体のできあがり、です。
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2010/02/16
インスタレーションって、なんだろう?
彫刻と、どうちがうの??
この言葉がよく使われるようになったとき、そんな疑問を持った。
でも、だんだんわかってきました。
以前、ある彫刻家の個展に行った。
会場に入ったとき、なんか違和感があった。
この人、自分の作品のことしか考えてない。
作品が空間に配置されてどうの……
なんて全く眼中になく
ただ、作品そのものにしか関心がない。
このとき……
彫刻とインスタレーションは、まったく違うものである!
ということが、わかった。
彫刻は、元から立体。3次元。
インスタレーションは、平面。2次元の発展形。
私にとっては、ちょっとした「発見」でした。
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