空丸

画家

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空丸

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空丸

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    Works 53
  • インスタレーション・3

    「ブツ」と「空間」は、違う。

    「空間」は、カントがいうみたいに、人間の「直感の形式」だと思いますが、「ブツ」の方は、れっきとした「存在」です。

    空間は、そこに「在る」ものではない。

    これを、感じたことがありました。

    昔、私の住んでいた近くに、とてもいい雰囲気の喫茶店があった。

    重厚な木調。バロック音楽。異国の文字で書かれた画集……。
    壁に、さりげなく牧野邦夫の作品の写真がピンで留めてあったり。

    むろん、コーヒーはうまい。

    緑あふれる中庭。レンガの壁の小さな家……

    マスターが変わった人で、入口に

    「やくざとこどもお断り」

    と、書いてある。

    静か。落ち着いた、芳醇なときが流れる……

    ところが、ある日行ってみると「閉鎖」
    推測ですが、地上げにあったんじゃないか……(ちょうどそのころでした)

    ほどなく取り壊されて、空地になってしまった。

    その空地を見てビックリ!
    こんな狭い場所に、あれだけの空間が入っていたのか!

    とても、信じられませんでした。

    お店全体が、巨大なインスタレーション……

    そんな感じが、今でもしています。

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  • インスタレーション・3

    私は平面が多いのですが、画廊に作品をかけるとき、どうしても空間がすごく気になります。

    できるなら「空間のいい」ギャラリーでやりたいと思う。

    その「空間がいい」というのがどういうことなのか、うまくいえないのですが。

    作品配置をいろいろ考えているうちに……
    空間をつくるために、この作品をこう使おう、あれはああ使おう
    と考えている自分を発見して、「はっ」とします。

    作品が、空間づくりの道具になってしまっている……

    これは、「インスタレーション」という病気の、最初の兆候です。

    で、これがだんだん重症になってくると……
    今度は、空間づくりのために、作品を作るようになる。

    作品じゃなくてもいいです。モノをならべても……

    ということで、本格的なインスタレーションの世界に入っていく。

    だいたい、「病状」は、こんなふうに進行するんじゃないかと思います。

    私の場合は、作品配置の場面でインスタレーションがかかってきたところで
    「はっ」と気づいて、
    あっ、そうだったっ、メインは作品なのだ!
    ということで、まあ、結局平面をやる人のままです。

    空間の誘惑……

    この、甘い誘いが通じるのは、なぜか平面をやる人。

    彫刻の人にはあんまりききめがないように思える。

    なぜだろう……

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  • インスタレーション・2

    インスタレーションは、物語に、似ている。

    なんか順序があって、「読み出し」可能。

    でも、彫刻は、ごろっとしたカタマリ。
    そこに、そのままにあって、それ以上どうしようもない。

    平面作品の中には、時空が封印されている。
    凍結凝固されてしまっている……といってもいいかもしれない。

    平面作品に格納された物語は、ふつう、見る人が読み解いていくのだけれど……
    それを作者がやろうとする……そこで、インスタレーションになる。

    そんな気がします。

    作者によってひきずりだされた「物語」は、平面からはみ出し、空間に居場所を求める。
    空間は、物語に彩られて、特有のにおいを持ちはじめる。

    お、インスタレーション……

    そう思う、抱合体のできあがり、です。

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  • インスタレーション・1

    インスタレーションって、なんだろう?

    彫刻と、どうちがうの??

    この言葉がよく使われるようになったとき、そんな疑問を持った。

    でも、だんだんわかってきました。


    以前、ある彫刻家の個展に行った。

    会場に入ったとき、なんか違和感があった。

    この人、自分の作品のことしか考えてない。

    作品が空間に配置されてどうの……
    なんて全く眼中になく
    ただ、作品そのものにしか関心がない。

    このとき……
    彫刻とインスタレーションは、まったく違うものである!
    ということが、わかった。


    彫刻は、元から立体。3次元。

    インスタレーションは、平面。2次元の発展形。

    私にとっては、ちょっとした「発見」でした。

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