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遥かなる空

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遥かなる空

by Tome館長

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    私は囚人。
    今、独房の中にいる。

    昔から囚人で、これからも囚人だろう。
    どんな罪を犯したのか、もう忘れてしまった。


    独房は殺風景な部屋。
    便器があり寝台があるばかり。

    唯一の扉には監視窓と受け渡し口がある。
    定期的に監視され、飲食物を手渡される。


    扉の向かい側の壁には
    鉄格子の嵌った小さな窓がある。

    そこから切り分けられた小さな空が見える。


    あの空を飛ぶことはもうできそうもない。

    けれども、目を閉じて見える空なら飛ぶことができる。

    飛行機を操縦するか、鳥になればいい。

    どんなに高く飛んでも平気だ。
    滑空も急旋回も自由自在。


    たとえ旅客機に乗って空を飛んでいても
    座席で眠っていたら

    飛んでないのと同じ。

    たとえ独房に囚われ、寝台の上で目を閉じていても
    鳥になって空を飛ぶ気分になれたら

    飛んでるのと同じ。


    ああ。
    だが、そうなのだけれど・・・・・・

    あまりにも遠く、遥かなる空。
     

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遥かなる空

by Tome館長

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    私は囚人。
    今、独房の中にいる。

    昔から囚人で、これからも囚人だろう。
    どんな罪を犯したのか、もう忘れてしまった。


    独房は殺風景な部屋。
    便器があり寝台があるばかり。

    唯一の扉には監視窓と受け渡し口がある。
    定期的に監視され、飲食物を手渡される。


    扉の向かい側の壁には
    鉄格子の嵌った小さな窓がある。

    そこから切り分けられた小さな空が見える。


    あの空を飛ぶことはもうできそうもない。

    けれども、目を閉じて見える空なら飛ぶことができる。

    飛行機を操縦するか、鳥になればいい。

    どんなに高く飛んでも平気だ。
    滑空も急旋回も自由自在。


    たとえ旅客機に乗って空を飛んでいても
    座席で眠っていたら

    飛んでないのと同じ。

    たとえ独房に囚われ、寝台の上で目を閉じていても
    鳥になって空を飛ぶ気分になれたら

    飛んでるのと同じ。


    ああ。
    だが、そうなのだけれど・・・・・・

    あまりにも遠く、遥かなる空。
     

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published : 2012/12/06

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