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想創形造家

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究極の美

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究極の美

by CANBEESANTA

  • iコンセプト

     消毒用アルコールの臭いを嗅いだ。天使なのか、ピンクの制服をまとった姉ちゃんに腕をつかまれ、針をぶち刺された。

     年寄ばかりの目立つ中に僕はいる。
    『アタシャあ、どうも血圧がたかくてねえ』
    『あんた、知ってる?石屋のひとっちゃんが亡くなったって』
    『へえー、またどうして』
    『何でもお腹ん中が爆ぜたって、、、。40年馬鹿いろいろ悪いとこあったらしいよ』
    『あの人はいっつも難しい顔してたからねえ、アタシもいつ頭が爆ぜるかねえ、、、アハッハッハ、、、』

     僕はどうだい?最後に笑って死ねる?

  • iコメント

     55年4月12日、死の宣告。
    『僕は人生を楽しんだ。僕は望む時に旅立ちたいんだ。それを優雅に成し遂げたい』
     18日13時、2度大きく胸を膨らませ僕は死んだ。ありがとう。

     僕はどうやら失語症だ。上手く言葉が出てこないんだ。早口でまくしたてられると、とてもじゃないけどついていけない。イメージを組み立てることはとても簡単なんだけれど、それを人に喋るのは苦手だ。のろまと云われったて直せるもんじゃない。

    大脳皮質のブロードマン領域39の損傷だなって。僕以外、僕を認めてくれないなら僕は独りでいるしかない。
     創造すると脳内モルヒネが溢れて脳波がα波になって、直観が働くんだ。大脳新皮質でA10神経をコントロールしてやれば、βエンドルフィンで快感を得られる。気分がよくなるんだ。倫理的問題はいつも後になる。それで僕は独りになった方が楽なんだ。合理的説明も今の科学じゃ出来ない。

     君はどうだい?快感ホルモンをいっぱいだしてるかい。疲れを全く忘れることがあるかい。脳内モルヒネに打たれてしまえばくだらない意識は無意識とくっ付いて努力なんてどこかへいってしまう。頑張らなくていいよ。

     くだらない常識をため込んでふさぎこむくらいなら、僕のようにだぶだぶののセーターを着てぼさぼさの白髪で気楽にいこう。見た目ばかり気にしてると本質を見誤ることになるよ。他人なんてものは舌ベロでも見せてやればいい。

     僕は思いっきり偏屈だけれど、9歳でピタゴラスの定理を美しいと感じたんだ。ペンタグラスの黄金比を感じたのかもしれない。バイオリンの奏でる音色が僕をアマデウスの協奏曲を思い出させる。彼がどんな人だったかには興味がない。僕は彼の調べに乗るだけ。その時の成功より、価値のある何かを残せればいい。

     怠け者の犬とまで言われた時も、全然気にならなかった。実験室で知の海に漂い、マッハで脳の松果体にブルルンと振動数を掛け合わせればメラトニンが溺れだし、βと一緒にドーパミンニューロンが伝える感覚を探せると知っていたからね。無意識的にしていることを怠惰だと云う他人が居てもどうしようもないじゃないか。止められなくなってしまうんだ。

     寝ても覚めても考えていると幻覚やパラノイアみたいになって、言葉も出てこない。そこに嫌でも身に付いたくだらない偏見コレクションが僕の邪魔をする。だから僕はチャランポラン男の天邪鬼を演じて皆をけむに巻くんだ。どうして教科書に載っていることをわざわざ僕に聞いたりするんだ。鏡文字の”R”は僕の生涯の友達。自由。不変の哲学。

     コカインやアンフェタミンを常習するみたいに精神が均衡を破る瞬間、奇跡がやっと起こってくれた。僕はやっと気づいたんだ。
    『靴下が破れてる』ってね。その時僕はきっと恥ずかしい言葉も発していた。
    『○ン●!』 永遠を信じようとしてたことに気づいたんだ。ふたりでいる時間はすぐに僕の手から零れ落ちる。
     相対する僕ら二人の想いが光になって加速したら、ハンスが生まれた。幸せのエネルギーが一緒になって愛を腕に抱くことができた。

     君はとてもせっかちになり、僕達は時間を共有することが難しくなった。僕はあくまで素足のままでいたいんだ。君の短すぎる時間を僕が伸ばすことは出来ないんだ。君がそんなに望むならノーベルのくれたものは君に上げよう。

     僕のIDを否定する輩には僕は知で戦いを挑む。僕に関係のない人たちを巻き込むつもりはなかった。ウランの話をトルーマンに送った時だって僕は平和裏に解決することを望んでいたからね。オッペンハイマーのマンハッタン計画に誘われたって鼻からおことわり。僕に秘密はいらない。僕がユダヤの民だからって原爆が残した罪過は僕の心から消えてなくなる事はない。

     日本人が好きだからね。お辞儀は神様だ。
    礼節には感動する。長い船旅の後の歓迎にも感謝したい。ドクター湯川に会ったとき僕は自分に悔しくて涙を流した。エノラの落したリトルボーイに僕が関係してるなんて人生最大の過ち。大統領の椅子もいらない。

     人間の飽くなき饒舌と過信が世界を終焉に駆り立てる。僕は平和を愛してる。家族をもっと愛したかった。ラッセルの文書に署名をした後、14日に僕は腹が痛くなった。オペはしなくていい。僕は十分に生きた。怖くなんてないんだ。僕の個体が形質を替えるだけの事だから。僕は僕でなくなるけれどハンスもいるしね。死が生を作り、生まれるから死ぬ。

     76歳。僕は死んだ。ドイツ語で最後の言葉を残して、、、。
    『O weh!』

    追伸 バッハのカンタータ106番は美しい。全ての人に第2曲dのソプラノソロが届きます様に、、、。
             天界から

            輝くひとつ星より

  • iライセンス

    表示-非営利

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究極の美

by CANBEESANTA

  • iコンセプト

     消毒用アルコールの臭いを嗅いだ。天使なのか、ピンクの制服をまとった姉ちゃんに腕をつかまれ、針をぶち刺された。

     年寄ばかりの目立つ中に僕はいる。
    『アタシャあ、どうも血圧がたかくてねえ』
    『あんた、知ってる?石屋のひとっちゃんが亡くなったって』
    『へえー、またどうして』
    『何でもお腹ん中が爆ぜたって、、、。40年馬鹿いろいろ悪いとこあったらしいよ』
    『あの人はいっつも難しい顔してたからねえ、アタシもいつ頭が爆ぜるかねえ、、、アハッハッハ、、、』

     僕はどうだい?最後に笑って死ねる?

  • iコメント

     55年4月12日、死の宣告。
    『僕は人生を楽しんだ。僕は望む時に旅立ちたいんだ。それを優雅に成し遂げたい』
     18日13時、2度大きく胸を膨らませ僕は死んだ。ありがとう。

     僕はどうやら失語症だ。上手く言葉が出てこないんだ。早口でまくしたてられると、とてもじゃないけどついていけない。イメージを組み立てることはとても簡単なんだけれど、それを人に喋るのは苦手だ。のろまと云われったて直せるもんじゃない。

    大脳皮質のブロードマン領域39の損傷だなって。僕以外、僕を認めてくれないなら僕は独りでいるしかない。
     創造すると脳内モルヒネが溢れて脳波がα波になって、直観が働くんだ。大脳新皮質でA10神経をコントロールしてやれば、βエンドルフィンで快感を得られる。気分がよくなるんだ。倫理的問題はいつも後になる。それで僕は独りになった方が楽なんだ。合理的説明も今の科学じゃ出来ない。

     君はどうだい?快感ホルモンをいっぱいだしてるかい。疲れを全く忘れることがあるかい。脳内モルヒネに打たれてしまえばくだらない意識は無意識とくっ付いて努力なんてどこかへいってしまう。頑張らなくていいよ。

     くだらない常識をため込んでふさぎこむくらいなら、僕のようにだぶだぶののセーターを着てぼさぼさの白髪で気楽にいこう。見た目ばかり気にしてると本質を見誤ることになるよ。他人なんてものは舌ベロでも見せてやればいい。

     僕は思いっきり偏屈だけれど、9歳でピタゴラスの定理を美しいと感じたんだ。ペンタグラスの黄金比を感じたのかもしれない。バイオリンの奏でる音色が僕をアマデウスの協奏曲を思い出させる。彼がどんな人だったかには興味がない。僕は彼の調べに乗るだけ。その時の成功より、価値のある何かを残せればいい。

     怠け者の犬とまで言われた時も、全然気にならなかった。実験室で知の海に漂い、マッハで脳の松果体にブルルンと振動数を掛け合わせればメラトニンが溺れだし、βと一緒にドーパミンニューロンが伝える感覚を探せると知っていたからね。無意識的にしていることを怠惰だと云う他人が居てもどうしようもないじゃないか。止められなくなってしまうんだ。

     寝ても覚めても考えていると幻覚やパラノイアみたいになって、言葉も出てこない。そこに嫌でも身に付いたくだらない偏見コレクションが僕の邪魔をする。だから僕はチャランポラン男の天邪鬼を演じて皆をけむに巻くんだ。どうして教科書に載っていることをわざわざ僕に聞いたりするんだ。鏡文字の”R”は僕の生涯の友達。自由。不変の哲学。

     コカインやアンフェタミンを常習するみたいに精神が均衡を破る瞬間、奇跡がやっと起こってくれた。僕はやっと気づいたんだ。
    『靴下が破れてる』ってね。その時僕はきっと恥ずかしい言葉も発していた。
    『○ン●!』 永遠を信じようとしてたことに気づいたんだ。ふたりでいる時間はすぐに僕の手から零れ落ちる。
     相対する僕ら二人の想いが光になって加速したら、ハンスが生まれた。幸せのエネルギーが一緒になって愛を腕に抱くことができた。

     君はとてもせっかちになり、僕達は時間を共有することが難しくなった。僕はあくまで素足のままでいたいんだ。君の短すぎる時間を僕が伸ばすことは出来ないんだ。君がそんなに望むならノーベルのくれたものは君に上げよう。

     僕のIDを否定する輩には僕は知で戦いを挑む。僕に関係のない人たちを巻き込むつもりはなかった。ウランの話をトルーマンに送った時だって僕は平和裏に解決することを望んでいたからね。オッペンハイマーのマンハッタン計画に誘われたって鼻からおことわり。僕に秘密はいらない。僕がユダヤの民だからって原爆が残した罪過は僕の心から消えてなくなる事はない。

     日本人が好きだからね。お辞儀は神様だ。
    礼節には感動する。長い船旅の後の歓迎にも感謝したい。ドクター湯川に会ったとき僕は自分に悔しくて涙を流した。エノラの落したリトルボーイに僕が関係してるなんて人生最大の過ち。大統領の椅子もいらない。

     人間の飽くなき饒舌と過信が世界を終焉に駆り立てる。僕は平和を愛してる。家族をもっと愛したかった。ラッセルの文書に署名をした後、14日に僕は腹が痛くなった。オペはしなくていい。僕は十分に生きた。怖くなんてないんだ。僕の個体が形質を替えるだけの事だから。僕は僕でなくなるけれどハンスもいるしね。死が生を作り、生まれるから死ぬ。

     76歳。僕は死んだ。ドイツ語で最後の言葉を残して、、、。
    『O weh!』

    追伸 バッハのカンタータ106番は美しい。全ての人に第2曲dのソプラノソロが届きます様に、、、。
             天界から

            輝くひとつ星より

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published : 2012/11/16

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