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文学・文芸 > 詩
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Commentさあ、白鳥
宮尾節子
ああ、なんて好きだろう
この詩という形が
このことばの
はねのしたにとぶ
しらとりが
ああ、なんて好きだろう
わたしがこうして
文字を連ねると
そのしたに
よしきたと
いうように白鳥が
たちまち
白い羽をあげさげして
飛びはじめる
そのうれしさ、ただの余白だなんて
言わせない
ただの言葉だ、なんて言わせない
言わせない
せなかに
わたしをのせて
しをのせて
さあ、いこう
どこへ、どこへでも
しあわせに、なれるかな
なるまで飛ぼう、白鳥
たたかいが、なくなるかな
なくなるまで飛ぼう、ああ白鳥