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文学・文芸 > 詩
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Comment別れます
宮尾節子
「別れます」と書かせたという詩を
読んでいて、至る事情は知らないが。
「別れます」と書かされた心を思う
お習字のきらいな子どもがお習字を
叱られながら、泣き泣き書くように
して書いたんだろうな「別れます」。
食べてはいけないものがある。
子どもの頃に、学ぶこと
生きるために
なってはいけない好きがある。
おとなになって、学ぶこと
誰かのために
生きづらいのは、人ではなくて
人のこころ、なんだなあ。
そらの小鳥やみずの魚が「別れます」が
さっぱりわからないように、むねの心も
きっと「わかれません。別れられません」。
だから、こどもに、お習字を教えるように
「別れます」と、手に書かせている。
「いやです」と書きたいこころに逆らって
一生懸命手が書きました「別れます」。