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2010/06/16
http://www.miwakazuki.jp/neo_vintage/
小学生の時、僕はエレキギターにすごい憧れを抱いていました。
高校に入り実際にギターを買いに行き、
そこで初めてエレキギターに触れアンプから出る歪んだ音色に心酔しました。
バンドを組みライブをし、楽しい日々だったと思います。
それからギターの製作技術を得るために専門学校に行き、リペアマンになりました。
エレキギターの内部構造をはじめて知った時、僕は愕然としました。
あんなすごい音が鳴るんだから、きっとすごいメカが入っているに違いない…。
現実を知った時は裏切られた気分でした。
そんな小学生時代に想像していたギターをもとに製作したこの作品は、
レリック加工(ビンテージギターのような使い込まれた感じをだす加工)ように、
単に過去を再現したカスタムではなく、
これは果てしなく未来のものを表現しなければならないんだと感じました。
はじめてエレキギターを見たときの感覚は、
今どんなギターを手にとってみても感じることはできないのだと思います。
あの時大人に教えてもらった「絶対に手にすることはできない高価なギター。」
それは中途半端な知識を得てからのヴィンテージギターへの憧れであって、
この作品をつくるにあたって何の意味も成しませんでした。
「なんだかわかんないけどすごい音がでそう。」という簡単なテーマを導き出すのに、
今まで得てきた知識が邪魔をしてすごく時間がかかりました。
昔、想像していたギターを今、持ちうる出来る限りの専門知識とカスタム技術で
具現化することで出た答えの1つがこの作品「neo vintage」です。