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Comment叫び声が、虹に変わる。
霧散した光が、空に散って粉々になる。
これから長い雨が降るのだろう。
悲しみは一切ない。眩しい光の雨だ。
それではその光が誰かの胸を突き刺して、殺してしまうよ。
重力が口を開くと、途端に身体が重くなった。
時間はその時間を待っているのだった。
皆が、雲のように集まる瞬間。
とても美しい瞬間。
この地点までおいで。
這い上がる雨が、宙を舞った。
重力が逆さまになる。
皆さま、ここでお待ちしております。
手紙のない手紙が、言葉のない言葉で綴られている。
執事が君を誘う。
ほら、この時間。
次の瞬間、光は見えなくなった。
大事な時間だった。
虹が色んな形をしているでしょう。
それは足あとだったり、空に浮かぶ雲の色だったり、目には映らないものだったりしたのでしょう。
ここで、皆が集まるよ。
もうすぐ。
ここで君と僕を待つ。
早く会いたいな。
時間が消えて、重力を失った。
真っ暗の世界の向こう側から、光達が生まれてくる。
ようやく会えた。
僕は言うと、君は笑顔で迎えてくれた。
三つ編みに麦わら帽子。可愛い女の子だった。
君は大人になったなぁ。本当に。
私も年齢を重ねたのだね。
女の子の隣にいる小さな女の子に話しかけた。
初めまして、だね。
無言でその子が横に首を振ると、真似をするように女の子も首を横に振った。
あぁそうか。
もう、想いを流し終えたんだね。一人でずっと、あの海と夕日の沈む風景を眺めていたのだね。
そうか…長かったね、本当に、長かったね。
誰も知らない大切な時間を教えてくれて、ありがとう。
男の子もいずれここへ来るのだろう。
君の想いを受け止め続けた、男の子…。もう、子ではないかもしれない。
見えない連鎖が、ようやく鎖ではなくなる。古い連鎖など、腐ってゆくさ。
連想として、繋がるよ。
…相思相愛とは、この事だったか。今更知った事と、こんな事を思った事に対して恥ずかしくなってしまった。
本当に、本当に、本当に、君達と会えるまで、長かった。いや、今となっては…。
瞼が重くなる。
まばたきを重ねる事が恐い。
こんな年になっても。死は恐い。
生が向こうから、迎えに来る。
さよならが近い。
この身体と共に、私はこの心にもお別れをしなければならない。
二度と会えない、とあの男の子は言っていたな。こういう意味だったか。
永遠がないから、美しい。
最後にこんな事を思った。
だが、こんな事を想った自分が恥ずかしくなって笑みが零れた。
遠くと近くで、一つの虹が消えていった。
これから、長い雨が降る。
もう、悲しくはなかった。
水彩絵の具、キャンバス、PhotoshopCS4
キャンバスに描いた作品は1サイズ40 × 40 mm モナリザのみ60 × 40 mmです。
2015 - 2016
この作品のタイトルはゲームのBGMのタイトルオマージュです。
時間を超えるゲームなのですが、子どもの頃から好きなゲームです。
ゲーム
SFC:クロノトリガー
遥かなる時の貴方へ
by kh
叫び声が、虹に変わる。
霧散した光が、空に散って粉々になる。
これから長い雨が降るのだろう。
悲しみは一切ない。眩しい光の雨だ。
それではその光が誰かの胸を突き刺して、殺してしまうよ。
重力が口を開くと、途端に身体が重くなった。
時間はその時間を待っているのだった。
皆が、雲のように集まる瞬間。
とても美しい瞬間。
この地点までおいで。
這い上がる雨が、宙を舞った。
重力が逆さまになる。
皆さま、ここでお待ちしております。
手紙のない手紙が、言葉のない言葉で綴られている。
執事が君を誘う。
ほら、この時間。
次の瞬間、光は見えなくなった。
大事な時間だった。
虹が色んな形をしているでしょう。
それは足あとだったり、空に浮かぶ雲の色だったり、目には映らないものだったりしたのでしょう。
ここで、皆が集まるよ。
もうすぐ。
ここで君と僕を待つ。
早く会いたいな。
時間が消えて、重力を失った。
真っ暗の世界の向こう側から、光達が生まれてくる。
ようやく会えた。
僕は言うと、君は笑顔で迎えてくれた。
三つ編みに麦わら帽子。可愛い女の子だった。
君は大人になったなぁ。本当に。
私も年齢を重ねたのだね。
女の子の隣にいる小さな女の子に話しかけた。
初めまして、だね。
無言でその子が横に首を振ると、真似をするように女の子も首を横に振った。
あぁそうか。
もう、想いを流し終えたんだね。一人でずっと、あの海と夕日の沈む風景を眺めていたのだね。
そうか…長かったね、本当に、長かったね。
誰も知らない大切な時間を教えてくれて、ありがとう。
男の子もいずれここへ来るのだろう。
君の想いを受け止め続けた、男の子…。もう、子ではないかもしれない。
見えない連鎖が、ようやく鎖ではなくなる。古い連鎖など、腐ってゆくさ。
連想として、繋がるよ。
…相思相愛とは、この事だったか。今更知った事と、こんな事を思った事に対して恥ずかしくなってしまった。
本当に、本当に、本当に、君達と会えるまで、長かった。いや、今となっては…。
瞼が重くなる。
まばたきを重ねる事が恐い。
こんな年になっても。死は恐い。
生が向こうから、迎えに来る。
さよならが近い。
この身体と共に、私はこの心にもお別れをしなければならない。
二度と会えない、とあの男の子は言っていたな。こういう意味だったか。
永遠がないから、美しい。
最後にこんな事を思った。
だが、こんな事を想った自分が恥ずかしくなって笑みが零れた。
遠くと近くで、一つの虹が消えていった。
これから、長い雨が降る。
もう、悲しくはなかった。
水彩絵の具、キャンバス、PhotoshopCS4
キャンバスに描いた作品は1サイズ40 × 40 mm モナリザのみ60 × 40 mmです。
2015 - 2016
この作品のタイトルはゲームのBGMのタイトルオマージュです。
時間を超えるゲームなのですが、子どもの頃から好きなゲームです。
ゲーム
SFC:クロノトリガー
published : 2016/03/05