
今回のブログは
前回からの続きです
もし読まれる方は前記事からご覧いただけると幸いです
第二節 「人と人との差のこと」
アートに関わっている人、いない人で
結果や成功の形が違うという話しで前回は終わりましたが
たったそれだけの話しではなく
単純に個々人の人間同士が集まって
ひとつのことを作ろうということは
当たり前ですが、大なり小なり「差」が生まれるのは必然です
純粋な個人と個人の違いは除くとして
やましろアートマーケットを例に
冷静に、分かり易くなるよう分解して考えた時
個人的には以下のような差が発生していると分析します
①アートに関わる人と、そうでない人との差
②主催者と参加者との差
③作る側とお客様との差
④地域新参者と古株との差
⑤個人利益と地域利益の差
ざっとあげるとこんな感じでしょうか・・・
「合わない」「何かが違う」「ちぐはぐだ」
「労力や意識差が存在する」
そう感じてはいても、きっとそう感じる原因は
複雑にからみあっています
上記のような差をごちゃまぜにして悩み
ひとつの方法で解決しようとしても
私はとても無理だと思うのです
それに「あるべき差」として
飲み込み昇華するほうがよい場合もあると
私は考えます
またもやひとつずつ、私なりに感じた事や
展望があればそれも踏まえ記述します
①アートに関わる人と、そうでない人との差
これは前節の末尾の通り
簡単に言うと「目指す着地点が全く違う」
ということです
アートに関わらず、
純粋に生活や商売を大切にする人たち(以下仮に地域派と呼びます)にとっては
イベントによって生じた
来客数、利益、活気、催しを行ったという実績等
どちらかといえば数値的で
目にみえた、そして即効性を感じる結果を求める場合が
多いのではないでしょうか
地域派だけの意見で言えば
もっとお祭りらしい、縁日やテキ屋さんが
たくさん並ぶような、盆踊りや太鼓があったりとか
そういうごく普通の、どこにでもあるお祭りを開催すれば
少なからず望んでいる結果の半分くらいは
まずまず得られるのではないでしょうか
これももちろんイベントを成功とさせるための
非常に大切な結論の一つです
こういう冷静な判断こそが
暴走を抑制し、最低限のエネルギーで
地道な地域継続へと繋げる
重要な指針でもあります
しかし新しい人たちを筆頭として行われた
「やましろアートマーケット」に関しては
地域派だけの内容ではなく
「アート」と名をつけ、他の屋台イベントなどとは
一線を引いた個性が存在しています
アートに関わる人間側(以下仮に文化派と呼びます)からすれば
地域派が重要視する結果以上に
必要なことが存在しています
それはアートという名でありますが
もっと砕いて言えば1節でも言った様に
「心を自由に表現できる文化の種」を蒔くということです
地域に文化を育て、根付かせる
こんな言い方をしては
そのへんに転がっている会社のよくあるスローガンのようで
非常にぼんやりとしていて
夢見がちなものに聞こえてしまいます
それでは具体的にはどのようなことが
その文化の種になるのか?
ほんの一例を上げるとすれば
・子どもの持つ自由な創造物を
社会の目の届く場所にお披露目する
・より創作や創造、表現に興味が持ってもらえるような
参加型のイベントを増やす(ワークショップ)
なんかが一番手近にできることではないでしょうか
きっと実行できるアイディアもたくさんあって
企画の内容の緻密さもいくらかあると思いますが
とにかくこのような小さな具体案をこつこつと積み上げることで
イベントによって文化の芽が根付き
いずれはここから豊かな創造を生んで行く
ひいてはそれが単純な観光地というだけでなく
山代全体の豊かで健全なイメージの肉付けになっていく
それが前言したぼんやりとした
「心を自由に表現できる文化の種」であり
非常に長い目が必要な着地点でもあります
結果が出るまでうんざりするほどの
時間がかかってしまうこともあるでしょう
費用対効果が望めない企画も発生したり
資金的な損失を生んでしまうこともあるかもしれません
どこにでもある縁日とは違って
そうういうリスクもはらむ一方
改革としては非常に重要な一点です
個人的に非常に羨ましいと思うのは
山代が温泉であったり
観光であるという資源が既に存在して
今まで続いているということです
そこへの肉付けを行っても
根底からは決して揺るがない資源と
歴史が存在している
上手く行くとすれば、良くなって行く一方なのです
個人的見解としては
地域派の保守的で冷静な視点も、文化派の挑戦的で柔軟な視点も
「地域型イベント」という大きなものにおいては
どちらも必要な観点だと考えます
しかし、先述の通り「着地点の違い」
このお互いが必要とする「着地点」の擦り合わせを
イベントの実行内容や実際の運営以上に
時間をかけて丁寧に行い相互理解、
譲歩する必要があるのではと思うのです
きっと、それはすごく時間と手間のかかることだと思います
ただ、地域で個性のあることをやる以上、
それは避けては通れない道で
そこが上手くいけばいくほど、
他には真似できない素晴らしいイベントになることは
間違いないと思います
②主催者と参加者との差
私も小さいながらイベントを主催させていただいたこともあり
また様々なイベンターさんにもお会いしてきました
そして参加者になったこともたくさんあります
どの主催者さんも大概気質を持った方がやられますので
情熱を持ってイベントを動かして
各々いろんなことを犠牲にしたり
消耗しながら行っていました
だからこそイベントへの思いや思考は
誰よりも深く、強いものです
そして参加者というのは
どちらかといえば主催の作りだした
恩恵を享受する側です
もちろん出展料などもあり、
ある種お客さんという立場でもありますが
純粋なお客様とはまた違い
一緒にイベントを作る重要なパーツとなります
私の参加してきたイベントも
出展料さえ支払えば出展できるものや
審査が必要なものやコンペ形式のもの
様々なものがあります
やましろアートマーケットの難しい特徴として
「マーケット」という部分にもあります
マーケットである時点で
やはり一般大衆に向け販売するというのが基盤にあり
「受け入れられ易いもの」や
「クラフト」に寄っていくのも頷けます
しかしながら一節でも述べた様に、アートの根幹は
必ずしも金銭とは接した場所にあるとは限らず
金銭利益を取っ払った部分にこそ、
文化派の着地点が存在し、その先に利益がついてくる
ただ、このマーケットという部分が
主催者と参加者、商店街をつなぐ重要な関節部でもあって
決して利益を無視することはできない
そんなジレンマの中で私達は
文化の発掘、種まき、発芽を目指しています
「商品として売れれば良い」それも正しいひとつの答えです
もちろん出展者や参加者にも各々の考えや生活や
制作スタイルがあって
山代独特の伝統工芸もある
様々な人たちが同じ思いだけで集うことはできないでしょう
主催には良いイベントにし続けるという思いがあり
参加者には自分の範囲を成功させたいという思いがあり
どちらも押しつけは難しい
これがいたるところで存在するイベントで
多くが抱える差の問題なのではないでしょうか
主催者は
どうしたら参加者も一体になって
イベント自体を押し上げようとしてもらえるだろう?
と考えます
それが結果的に参加者一人ひとりの満足度に繋がることを
知っているからです
しかし数多の参加者に対してそれを訴え
ディスカッションすることは不可能です
私もこれを考えるのに必死です
全くの他人が集まり、同じ方向をみるには?
無理なく参加できる具体的な企画はないか?
少しでも印象的に伝えられる方法はないか?
心が届かないだろうか?
なんとなく「マーケット」を「フェスタ」みたいな感じに
変えてみるのもありなのかなぁとも思います・・
それはそれで名を変えるだけで安直なような気もしますが
コンセプトが伴えば変化が生まれるやもしれません
また出展者としても単純に恩恵を授かるだけでなく
あらゆるイベントが血の通ったものであることを理解し
自分たちの利益のためにでも、全体を盛り上げるという
意識の高い心持ちでいたいものです
この差の問題に関しては
アイディアだけで解決するかもしれませんし
真摯に回数を重ねることで
徐々に好転していくことなのかもしれません
③作る側とお客様との差
これは明快であり、大きな差でもあり、ある種の光明でもあります
作る側は様々なことを考えます
しかし初見のお客さんであればあるほど
作る側の込み入った意図とは逆に
「純粋に楽しむだけ」
恐ろしくシンプルです
楽しそうなら人がくるし、楽しくなければ去って行く
この純粋な計器は、情や恒例感ではなく
観光という一時的なお客様だからこそ
純度が高く測れる部分でもあるかと思います
お客さんがたくさん来て、満足していれば
作る側の意図通にいっていてもいなくても
とりあえずの「成功」として成り立つ
それを支えにしたり、課題にしたりできるということです
お客さんの出入り、出展者の増減に関しては
どんなときも常に冷静な計器として
作る側は捉えるべきかと思います
④地域新参者と古株との差
これに関しては①にも共通する部分がありますが
実際に地域活性であったり、地域活動の中には
原住の長い人たちと、
外から来たIターン、Uターンと言われる人たちの力が作用します
これに関してはコネコネと書くのは辞めますが
分かり易い差だと思います
元から居た方からすれば
勝手にしてくれるなという部分
外から入ってきたものからすれば
なんとかしたいと思っても動けない部分
それがどこの地域も見事に喧嘩するわけです
山代のような伝統と観光産業のある所なんかは
特にそうだと思います
ただ、山代温泉商店街は決して観光特化ではないと
私は町並みを見た感じで思っています
床屋さんがあったり、金物屋さんがあったり
地域の人たちが暮らすのに必要なお店も
軒を連ねている
その中に、観光用の旅館やお店が点在している状態
つまり観光で儲けたい人と、
静かにいつも通り暮らすことができればいい人が
同じ商店街の中に存在して
しかも各々の関係もある
それを纏めようとするのは至難の業だと思います
私なんかは若輩の人間ですので
どこに長く居住していたとしても
ご年配の方の鶴の一声には敵わないものです
しかし、逆にそこに救われることも沢山あります
新参の人たちを
余所者として迎えるのか
自分たちが育てて来た場所の魅力を感じ取り
そこを選んで生まれて来てくれた
子どものように迎えるのか
そして新参の人間も
自分たちが選んだ土地を
自分たちの思うままに変えようとするか
そこにあるものを大切にしながら
一緒に育とうとするのか
これらは他地域の私には関知できない地元の領域です
心の通わせ方のようなナイーブな問題でもあるのです
差は確実に存在する
どちらにせよ
それが今後の良き結果が生まれる兆しへの
枷にならないことを
私は静かに願います
(もちろん私の根ざす土地でも)
⑤個人利益と地域利益の差
これは①〜④を総合したような内容でもあるのですが
地域としての活動を行う以上
金銭的利益だけでなく、やり甲斐や、結果等
充足感につながる利益も含め、
またひとつの店舗としての売り上げや利点など
そういう個人利益と
その個人が存在する地域全体の利益との差を理解し
バランスをとるということは非常に重要な課題であると感じます
例えば個人が企画して
箱を借りて、出展料を集めたり
もしくは自腹をきったりしてするイベントであれば
そこに地域という集合体が関わってくることは
まずほとんどありません
大きくなってこれば地域や場所を代表するものに
なってくるのかもしれませんが
個人で勝手に行ううちは
個人的な満足、イベントに参加した人たちの満足を
利益として追い求めれば済みます
しかし、地域を名前に冠した
地域のイベントは、こうはなりません
ましてや前述のように商店街という
ひとつひとつが「店舗・商売」という社会を
既に持っている場所の場合
イベント自体がいろいろな生き物を巻き込んだ
大きなひとつの難解な生き物のような形になってきます
まず各々の生活、基準、価値観があり
築き上げて来たものがあり
その集合体の中でさらにひとつの方向を向いたイベントを作る
しかもそれは、団体が動かすのでなく
あくまで動かしているのは一人の発案から始まったものを
賛同し、そこに利益を感じたりした
一人一人の人間です
一人一人の労働対価と(小の利益)
地域全体の労働対価は(大の利益)
絶対に釣り合うことはありません
これだけは私が今まで何度も痛切に感じて来たことです
下世話な言い方をすれば
「生け贄」と「享受する者」が必ず存在してしまうのです
成功の影には、必ず誰かに負担が行ってしまう
「均等でない」と思うこと自体が
負担を負う者のストレスになってしまう
そしてだいたい外部から観察し、観測している人ほど
内側にいる人の努力が見えず
利益だけが先立って見えてしまうものです
だからこそ、成功させたければ
数が少なくとも
必ず賛同者と少しでも支えをくれる人を側に置く事
そして対価を払ってでも、忠実に動いてくれる人を集めること
これは非常に重要なことです
1回や2回だけで終わりなら
自分だけでやっても恐らくなんとかなってしまうでしょう
でも本当に続けたい、着地点を目指したいと思うのであれば
そこはそれ以上の傷を負ったり負わせたりする覚悟が必要になる
これは素晴らしいイベントを主催してきた人たちに
何度も思って来たことです
その灯火を消さないためにも
どうか「余力」が出来るイベントにしてほしいと
願うことが多いです
そして、私は理解者でありたい
そう思っています
総合してこれらの「差」を
「溝」と捉えるか「視野の広がり」と捉えるかは
最終的には集まった個人の各々の判断でもあるし
それを声をあげ意見をなめして行けるのが
代表や主催、もしくは古い力をの持つ人の
「実行力」のひとつなのではないかと考えます
とにもかくにも、違和感の起因はひとつではなく
夫々を焦らず丁寧に紐解いて行く必要があると思われます
次は「地域という生き物」について書きます
****:*†゜私たちの出番です .*†゜:今後の予定****クリック募金→http://www.dff.jp/
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岐阜県可児市下恵土5505 レストランものがたり内
OPEN 11:00〜18:00/不定休 (HP営業スケジュールご確認ください)
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しばらく展示はお休みです。
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