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駆け落ち

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駆け落ち

by Tome館長

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    koebu.com/topic/%E3%80%90SS%E3...

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    やっぱり先生は理科室にいた。

    「先生」
    「あら、トオル君。なあに?」

    「僕と駆け落ちしませんか」


    先生がむせた。

    「先生、大丈夫ですか」
    僕は先生の背中をさする。

    「・・・・あ、あのね、トオル君」
    「はい。先生」

    「駆け落ちの意味、知ってるの?」
    先生の潤んだ瞳。

    「もちろん知ってます。
     ちゃんとパソコンで検索しました」

    「そう・・・・それは困ったわね」
    「どうして困るんですか」

    「私はね、結婚して旦那さんがいるの」
    「はい。僕、存じてます」

    「トオル君は、まだ小学五年生よ」
    「そうですね」

    「だったら、おかしいじゃないの」
    「きっと世間は許しませんよね」

    先生が溜め息を吐く。

    「あのね、世間が許すとか許さないじゃなくて、
     世間の常識としておかしいわよ」

    僕は哀しくなる。
    「先生は僕がきらいなんですか」

    「好きよ。私はトオル君が好きよ」
    「いつも先生は、そう言ってくれますよね」

    「でもね、それとこれとは・・・・」
    「先生のバカ!」


    僕は走って理科室を飛び出す。

    その直前、僕は一枚の写真を落とす。
    先生の「旦那さん」が写ってる合成写真。

    こんなのパソコンで簡単に作れる。


    僕が教室で待っていると、先生が入ってきた。

    「トオル君」
    「はい。先生」

    「駆け落ちするわよ」


    (やった!)
     

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駆け落ち

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    やっぱり先生は理科室にいた。

    「先生」
    「あら、トオル君。なあに?」

    「僕と駆け落ちしませんか」


    先生がむせた。

    「先生、大丈夫ですか」
    僕は先生の背中をさする。

    「・・・・あ、あのね、トオル君」
    「はい。先生」

    「駆け落ちの意味、知ってるの?」
    先生の潤んだ瞳。

    「もちろん知ってます。
     ちゃんとパソコンで検索しました」

    「そう・・・・それは困ったわね」
    「どうして困るんですか」

    「私はね、結婚して旦那さんがいるの」
    「はい。僕、存じてます」

    「トオル君は、まだ小学五年生よ」
    「そうですね」

    「だったら、おかしいじゃないの」
    「きっと世間は許しませんよね」

    先生が溜め息を吐く。

    「あのね、世間が許すとか許さないじゃなくて、
     世間の常識としておかしいわよ」

    僕は哀しくなる。
    「先生は僕がきらいなんですか」

    「好きよ。私はトオル君が好きよ」
    「いつも先生は、そう言ってくれますよね」

    「でもね、それとこれとは・・・・」
    「先生のバカ!」


    僕は走って理科室を飛び出す。

    その直前、僕は一枚の写真を落とす。
    先生の「旦那さん」が写ってる合成写真。

    こんなのパソコンで簡単に作れる。


    僕が教室で待っていると、先生が入ってきた。

    「トオル君」
    「はい。先生」

    「駆け落ちするわよ」


    (やった!)
     

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published : 2012/12/13

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